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【PPL講座】#9 「持ちネタ」にズラす屁理屈(前編)

前回、前々回と「具体と抽象」と言う軸で、屁理屈をする術をご紹介しました。
そして「具体と抽象」と言う軸は一般的なロジカルシンキングであるとも述べました。

つまり、具体と抽象を使いこなし、今ある議論から焦点をズラすことで、無理やり理屈を捏ねくり回すことが屁理屈なのです。
しかし、ここで1つの疑問が生まれるはずです。

「ズラすって、ロジカルシンキングだけで出来るの?」

まさにその通りです。ロジカルシンキングだけで可能であれば、もっとコンサル業界から屁家が現れてもいいはず。
でも、コンサルの人は往々にして正しい解、つまり「正解」を導くためにロジカルシンキングを使うので、屁家にはならないのです。


そこで、今回はもう一つの重要な軸として「持ちネタ」と言うものを取り上げたいと思います。
これがコンサルとの分かれ道になるのです。

話は少し逸れますが、みうらじゅんやリリーフランキー、伊集院光などはよく番組やエッセイ、対談でもつるんでいますね。
彼らはその中で数々の屁理屈を提示しています。


最近私が読んだ本で面白かったのは「ロングヘアーという生き方」と言う本です。

みうらじゅん、高見沢俊彦、リリーフランキーの対談をまとめたものなのですが、この3人には共通の得意分野がありました。それは「ロック」と「仏教」です。

3人はどんなトークの中でも絶妙に仏教やロックを混ぜ込んでいきます。それは普通の会話ならありえない部分にも。だから屁理屈になるのです。
みうら「高見沢さんは神仏習合なんだよね。ステージでは本地垂迹説っていうかさ」など、気になる方は是非買ってみてください)

何が言いたいかと言うと、話をズラすためには自分の「得意分野」とも言えるトークテーマ。
つまり「持ちネタ」が不可欠なのです。

考えてみれば当たり前のことで、何かをズラそうと言う時に制限はありません。言ってしまえば自由なのです。
でも「1億円あげるから何やってもいいよ」と言われても、出来るのって本人が思いつく範疇だけ。しかも好きなことですよね?

つまり、ズラす目的地点を決めるのは本人の意志であり、個人の「好き」とか「嫌い」が影響しているのです。
だから、仏教やロックが好きな3人はそういった着地点に屁理屈を奏でることが多くなるのですね。


逆に言えば趣味が無かったり、好きなものが無い人は屁理屈することが難しくなります
ロジカルシンキングが超得意な人がいたとして、何か面白い理屈を言いたいと思っても、何に着地させるか自分の中以外に正解がないので屁理屈できないのです。

超ハイテクな車を持っているのに、行きたい場所がないのと同じですね。

だから「屁家」になるためには、好きなものでも学生時代に研究したことでも何でもいいから「持ちネタ」を持ってください

例えば、私個人で言えばみうらじゅんさん以外にも、B’zやスティーブ・ジョブズ、香川照之、阿部寛など好きなものがたくさんあります。
そのため、「彼氏のことがあんまり好きじゃなくなってきた…」など、くだらない恋愛の相談をされたら

<持ちネタ:香川照之>
『香川照之さんも、小学生時代に友達がいなくてずっと虫を観察してたら、人間観察がめっちゃ得意になったんだって。本でもいっぱい俳優さんの分析とかして、いいとこいっぱい見つけてるの。だからさ、彼氏のいいとこ見つけたかったら虫の観察すればいいんだよ』

<持ちネタ:スティーブ・ジョブズ>
『ジョブズは毎日思考する回数を削減するために、同じ服着てたんだって。彼氏のこと好きじゃないって、仕事中彼氏のこと考えたりしなくていいってことでしょ?エコな関係でいいじゃん。仕事捗るよ。』

など、様々な屁理屈への転換をすることが可能です。
(もちろん、その場ですぐに思いつくかは分かりません、自分もまだ修行中の身なので。)


ここまでで、多少なりとも「持ちネタ」を持つことの重要性が分かっていただけたかと思います。

ですが、こういう疑問が生まれるのではないでしょうか

「どんな持ちネタを持てばいいの?」

これについては、次回ご説明したいと思います。
キーワードは「コロンブスとアメリカ大陸」です。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。