「水が痛くなるんだもん」
先日のオンライン授業で面白い話がありました。
その日、私は「d/t/n/l」という四つの舌尖音を教えました。そして、「打水」(dǎ shuǐ)という言葉の発音を教えた後、生徒のシーちゃんに読んでもらいました。
シーちゃんは繰り返して発音を真似てから、「打水をしちゃいけないよ」と真剣に言いました。
「え?どうして?」と私が聞いてみたら、「だって、打水をしたら、水が痛くなるんだもん。」と彼女は答えました。
なるほどねと思いながらも、予想外の答えに思わず笑ってしまいました。シーちゃんの理解では、「打水」とは水を「殴る」ことなのです。
「シーちゃん、打水って水を殴るんじゃなくて、水を汲む、水を汲み上げるという意味なんですよ」と説明しました。
「え?!」と今度はシーちゃんがけらけらと笑い出しました。
これにより、自分が日常で何気なく使っている言葉は、その言語の学習者にとって、意外な解釈をもたらす可能性があることを再認識しました。
その後、よく考えて、「打」という動詞はとても奥が深くて、日常生活でいろいろな場面で使われていることに気づきました。
まず、シーちゃんが理解しているように、「打つ、たたく」は「打」の最も一般的な意味です。例を挙げてみると:
続いて次のような用例もあります。
ここで注意したいのが、「打」はほぼすべての球技に使えることです。例えば、
ただし、サッカーをすると言いたい場合、「打足球」ではなく、「蹴る」を意味する「踢」を使って「踢足球」(tī zú qiú)と言います。
これらもやはりなにかの物を打つと言う意味ですね。
これから「打つ、たたく」という意味から少し離れた意味の「打」の用例をいくつか紹介します。
これらは日常生活で使う頻度がとっても高い言葉なので、覚えておくと便利ですよ。そして、最後にもう一つの言葉を紹介します。
それは「打赏」(dǎ shǎng)です。
「打赏」は、かつては身分の高い人が身分の低い人に金品などを与える行為を指していましたが、今では、ほとんど「投げ銭」や「チップ」といった意味で使われます。
中国の多くのプラットフォームには「打赏」という機能が備わっており、ユーザーは気に入った動画配信者やネット記事の作者、あるいは優れたサービスを提供したデリバリーの配達員などに対して、ウィーチャットペイなどを通じてチップを支払い、賞賛の気持ちを表すことができるのです。
読んでくださったみなさま、いかがでしたか。
言葉には奥深い意味があり、異なる文化を理解する手助けとなります。私は中国語と日本語を教えつつ、英語などの勉強も続けています。
そして、Noteを始めた初心の一つは、日本語を書く練習をすることです。これで記事を3本書いてみました。
これからは、言語学習に関する話題だけでなく、ポジティブ心理学の実践や自己成長、フリーランスや留学生活、中国での生活など、幅広い話題を取り上げていきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
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