見出し画像

中国のキャラクター企業がサンリオを超える日 | 中国スタートアップ

2019年3月、中国キャラクター企業のBlock12(北京十二栋文化传播有限公司)がシリーズBで約16.5億円(1億元)を調達した。2015年の設立以降、2017年に約4.1億円(2500万元)、2018年に約7.1億円(4300万元)の調達を行い、今回が3度目の資金調達となった。

Block12のキャラクター認知度

Block12が権利を保有する300体以上のキャラクターは、中国で絶大な認知度を誇っている。

・スタンプ累計217パックリリース、15億ダウンロード、355億回送信
・SNSフォロワー4100万人
・関連動画視聴回数19.7億回


キャラクターの権利を次々買収、優秀なクリエイターをスカウト

サンリオ社をはじめ日本のキャラクター企業は、社内のイラストレーターがキャラクターを開発し、世に出していくケースがほとんどである。

一方12Blockは、社外の個人クリエイターがすでに開発・SNS上などで展開しているキャラクターの権利を買収し、かつそのクリエイターを高額な報酬で雇用することにより、すでに認知度が高いキャラクターの権利と優秀なクリエイターをどんどん獲得していっている。

一般的な企業ではM&Aは当たり前に行われているが、キャラクター企業ではこのような展開方法はあまりなく、12Blockは先駆者とも言える。


4100万人のフォロワーに、ダイレクトでグッズ販売

Block12は次々と新商品を開発・販売している。すでにSNS上に4100万人のファンがいるため、新商品をSNS上で告知すると一定数のファンは必ず購入する。

SNSのフォロワー数が直接売上に繋がるため、Block12では毎日新しい画像や動画を投稿するなどSNSの運用に非常に力を入れている。


コンテンツプロバイダーからプラットフォーマーへ

Block12は自社のキャラクターコンテンツを提供するだけでなく、プラットフォーマー側にもなろうとしている。

LLJstationはBlock12が運営しているクレーンゲーム専門店だ。すでに8店舗展開しており、店舗は大繁盛だ。

LLJstationでは、Block12以外のキャラクターも扱っており、自社キャラクターのさらなる展開のみを目的とした店舗展開ではないことがわかる。


また、MOJIGOというキャラクターSNSを展開している。クリエイターのみアカウントを開設することができ、ファンはキャラクターのアカウントをフォローすることのみできる。クリエイターはファンに向けて、画像や動画などオリジナルのコンテンツをMOJIGO上で配信する。

このMOJIGOもただBlock12のキャラクターを展開しているわけではない。

Block12はコンテンツプロバイダーに止まらず、オンラインでもオフラインでもプラットフォーマーになろうとしているのだ。


Block12がサンリオを超える日は遠くないかもしれない

日本の若者を虜にしているTikTokや荒野行動はいずれも中国企業のサービスだが、中国国内で稼いだ資本を日本を含む海外に投資し、きっちり成長してきている。

世界No1キャラクター企業がBlock12になる可能性もゼロではないだろう。