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娘と上海と幼稚園。2022年11月~

11月7日から娘が上海にある英語が中心の幼稚園に通い始めた。
それまで、日本の女の子が中心の、小さな、あたたかな幼稚園に通っていた娘にとって、新しい幼稚園というのは、それはそれは刺激が多い環境に違いない。

初日、早朝、初めてのスクールバスに乗り込む娘。
だだをこねるかな、と心配していたが、どうやら1か月近く続いた隔離生活に飽き飽きしていたのか、笑顔で手を振り乗り込み、いってきまーすと行ってしまったものだから、夫とともに目を丸くしてしまった。

帰宅するまでの数時間、私はひたすらそわそわしながら心配した。
あんな笑顔で行ったけど、帰ってきて涙に目を潤ませながら「もう行きたくない」なんて言った日には、上海に来たことを後悔するだろうと、気が気じゃなかった。

帰りの時間、少し早く着くと連絡があったので、急いでお迎えの場所に行き、黄色いスクールバスから先生と手をつなぎ出てきた娘を見て、胸をなでおろした。

泣いてない。

それどころか、にっこりと、満足そうだった。

「結構楽しかった」

娘から出てきたその言葉に心底救われた。

しかも、その日は幼稚園の運動会だったようで、初日からマラソンし、
金ピカのメダルをもらってきた。

後から送られてきた写真をみると、お友達と距離をとり、緊張気味のひきつった顔で笑う娘がそこにはいて、その日一日を精一杯取り組んできた様子が分かった。

こっちが、その笑顔をみただけで目頭が熱くなった。

人一倍小さい身体で、たくましく頑張っている娘を、心から抱きしめた。


そして、初日から約1か月が経った。

しかし、11月中に幼稚園に行けたのは、合計2.5週間くらいだった。

その理由は、①風邪をひいたこと(長引いて今も咳・鼻水が多少ある)、
②幼稚園がコロナ関連でしばし封鎖されていたこと
などがあるわけだが、その中でも娘は成長した。

英語関連でいえば、「NO」とすべてに対して言っているらしいことが、オンライン授業で分かった(「GOOD MORNING」といわれても、「NO」と
返していた)。英語で言えるだけ、えらいえらいぜ。

しかし、指示はきちんと理解しているらしく、A~Zまでは誰よりも早く答えていたし、色と形の指示も理解していた。

Do you have~、Do you like~などは聞かれてもあまり理解していないらしい。

かなり幼稚園は自由な雰囲気で、「しつけ」は親の責任で、先生は「教育者」だから、そこまで子どもは態度の注意を受けていないことも分かった。

そもそも、やりたくなかったら「子どもの気持ちを尊重して」やらせないらしいことは、日々送られてくる写真から伝わってくる。

そして、今日になって娘が「男の子ばっかりだから、話しが合わないのよね…」と言い出したので、こちらとしては「そうだよね」というほかなかった。

前通っていた幼稚園は、共学だったが、ほぼ女子校のような幼稚園で、
朝からプリンセスドレスを着ることができたし、仲良しの友達もいた。

今通っている幼稚園は、男の子の割合が多い上、国籍も様々で、娘から
いわせれば制服も「可愛くない」。

可愛い制服の幼稚園にも連絡したのだが、連絡がつかず、そもそも学校が存在していなかった。

娘の関心事項はプリンセス、ドレス、メイク、空想世界なので、なかなか会話が合うお友達がいないようだ。むしろ、前の学校でそういう子ばかりだったのが、有難いことだったんだろうな。

それでも、毎朝6時には起きて、朝ごはんを食べて、お仕度して、スクールバスに乗り込む。
ときどき、嫌だというけれど、一度バスに乗り込めば、手を振って覚悟を決める。

どこまでも殊勝な娘である。

そういえば、3歳から始めた公文は、いまはスクールに通わずとも、オンラインで受講できるため、もともと日本で通っていた教室とズームを繋げて勉強している。

教材も送付してくださり、サポートも充実している。

コロナの隔離期間中の閉塞感や、初めての環境の中で、もともとお世話になっていた先生について勉強するのは、安心感がある。

娘の進度は決して早くはないが、日本語忘却予防にもなっていると思い、
今後も続けていきたい習い事だ。

そんな日々の娘の成長を忘れないために、今後もこのnoteに記していきたいと思う。

                        草枕歌奈



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