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読書感想文 #64 タックスヘイヴン
みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。
連休最終日の今日は寒く、冷たい雨が降り続ける1日となりました。
今日はこちらの感想になります。先日たまたま図書館で借りました。
タックスヘイヴン
橘玲 著
概要
シンガポールでもっとも成功した日本人金融コンサルタント北川がホテルから墜落死した。死んだ北川の妻・紫帆は現地に、高校の同級生・牧島とシンガポールへ赴く。紫帆はそこで北川の現地妻と息子の存在を知る。北川は1000億円を扱うファンドマネージャーだったが、政治家や会社社長など、数々の顧客のプライベートバンクの口座に10億円、50億円規模で穴を開けていた。背後に見え隠れする、日本の首領が仕組んだブラジルへの原子力発電施設輸出計画とそれを見込んだファンドとその失敗。紫帆と大物政治家の過去。大物フィクサーの影と蠢く謎の仕手グループ。そして起こった大物政治家秘書の暗殺。北川の死は自殺か、それとも殺人か? 口座から消えた巨額の資金は、どこへ送られたのか!?
目次
第1章 邂逅 7
第 2章 秘密 73
第 3章 熱帯 113
第 4章 彷徨 213
第 5章 夜の動物園 287
第 6章 桜雨 377
感想
シティハンターのようなハードボイルドの古波蔵と、真面目で奥手の牧島に、波瀾万丈の美人紫帆という同級生の再会が、日本、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、ミャンマーと舞台が移り、北朝鮮まで関わるという次々と起こる謎の殺害事件や、国際投資銀行、租税回避、警察、政治家にヤクザ裏の世界まで、こんな世界があるのかと驚きの連続。
きらびやかな表とキナ臭い裏社会も対照的で、世の中の不条理を考えさせられるようなお話し。
原発のブラジル輸出の策略が、東日本大震災により、破綻し、それから狂い出した人生とか、北朝鮮の工作員の生い立ちとか、想像を絶する世界を味わえるのも小説ならでは。
2014年に出版された本ですが、今でも充分に読みごたえのある作品だと思います。
それではまた。
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