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奇跡の連続 美ヶ原

美ヶ原からの帰路についています。最初から最後まで本当に楽しくて、僕の中で今までにない素敵な作品となりました。何よりも天気が本当に良かったです。標高2000mにある高原なので、麓が晴天でも、上の方は悪天候なんて当たり前の世界です。当日もドキドキしていましたが、見事に僕がいる間は晴天でした。

 初めての山小屋は快適に過ごすことができました。スタッフの方達も親切で、ご飯もとても美味しかったです。夕食はお肉や野菜が入った鍋を中心に、五平餅や山菜料理、川魚やサーモンを堪能しました。白米がとても進むので、思わず3杯もおかわりさせていただきました。そして久しぶりの三連休だったので、贅沢しようとジョッキのハイボールを注文しました。美味しい料理も相まって、すぐ酔いが回り1人でも楽しい食事をすることができました。お部屋はどこか懐かしい匂いがする昭和風の和室です。母の実家の雰囲気にとても似ていて、なんだか考え深かったです。夜になるととても冷えるので、備え付けのコタツが役に立ちました。たまには実家に帰ってまた親孝行しないとですね。

そして、朝ごはんも美味しかったです。1番のお気に入りは目玉焼きでした。バターをひいたフライパンにハムと卵を自分で投入して最後は醤油をかけて完成です。今まで食べた目玉焼きで一番の美味しさでした。これは家でも簡単に出来そうなのでやってみる価値はありますね。
今まで山小屋に抵抗があったのですが、古い建物ならではの魅力があることに気付けて良かったです。またアルプス登山をするときにも、山小屋に積極的に泊まることにします。

美ヶ原の散策は素晴らしかったです。雪がない美ヶ原は見たことないですが、きっと美ヶ原は冬に訪れるべきだろうと勝手ながらに理解しました。山小屋をベースに散策に出かけたのはトータルで6回です。行きすぎだろと思うかもしれませんが、部屋に帰っても窓の外を覗くと勝手に足が動くのです。まずは到着してから部屋でコンビニのおにぎりを一つ食べてから1回目の散策に出かけました。とりあえず、ゴールの王ヶ頭を目指すことにしました。美しの塔を分岐して、アルプス展望コースから目指すことにしました。日曜日にもかかわらず人と全然すれ違わずに歩けたので、目の前に広がる絶景を独り占めすることができました。真っ白に染まった高原はこれまで見たことがないもので、その景色にうっとり。思わず足を止めて、写真ばっかり撮ってしまいました。王ヶ頭までは2時間くらいかかったのでしょうか。上の方のベンチに腰をかけて、僕の人生について振り返ります。こういう時間が僕は大好きです。いわるゆ黄昏れ時間っていつやつです。綺麗な景色を見ながら、今の生き方を俯瞰的に考えることが僕にとって必要な時間なのです。少し休んでから、今度は違う道を歩きながら山小屋に帰りました。だいたい16時くらいですかね。夕食前に日の入りを見たかったので、2回目となる散策に出かけました。奇跡的に山小屋を出た瞬間に陽が落ちかける寸前で、思わず見逃すところでした。満足して山小屋に帰り、温かいお風呂に入り夕食の時間までのんびりと過ごしました。

そして今回のメインである星空が出てくる時間になりました。今まで河口湖や湯布院、軽井沢で星を撮ってきましたが、まだ迫力ある星空は撮ったことがありませんでした。僕は、一番星空を撮るのが好きです。建物や芸術を撮るよりも、人を撮るよりも、花を撮るよりも星空を撮るのが好きなのです。いってみれば広大な景色を撮るのが好きなんですよね。広大な自然の中では自分はちっぽけな存在だと認識させられる。だから好きなように生きればいいんだと、その都度教えてくれている気がするのです。だから星空撮影が今回の旅で一番楽しみにしていました。そのために三脚も持ってきたし、星空用のフィルターだって購入しました。準備万端です。

夕方頃から雲行きがなんだか怪しくなってきたので、不安を感じていたのですが21時ごろ外に出てみると何にも遮られない星空が目の前に広がっていました。今まで生きてきた中で間違いなく一番の景色です。本当に意を決して、美ヶ原にきて良かった。全てを肯定してくれる目の前の景色にただただ立ち尽くす自分がそこにはいました。ただ昼間とは違いかなり冷えているので歩かないと手先や耳が凍りそうなほど気温が低かったので急いで真っ暗の中ヘッドランプをつけて美しの塔まで向かいました。
とりあえずお試しで撮ってみよう。そう思っていつも自分が設定しているモードで、シャッターを押してみるとそこに写ったのは、初めてみる星空でした。本当に来て良かった。冬の星座であるオリオン座が煌々と輝く夜空は、小さい頃にみたプラネタリウムの何百倍もの感動がありました。足先の冷えの限界が来たので、一旦山小屋に帰りコタツで温まることにしました。YouTubeの僕の好きな登山家が、去年同じ時期に美ヶ原の星空撮影をしていたのでそれを参考に夜中の4時ごろに、夏の天の川を撮りにいくことにしました。そのためにまずは寝ないといけないので、しばしの仮眠タイムです。

僕にとっては初めての天の川です。実家は田舎ですがそれなりの光が街中にあるので、やはり天の川となると光害がまったくない所で見るのが一番です。天の川っぽいものを目にした時は、とても興奮しました。目が慣れた頃にははっきりと天の川だって分かりました。冬でも天の川は見ることができるんだなって、まだ星空初心者の僕にとってはこれ以上ない美ヶ原からの贈り物です。雲一つない満点の星空の下で、僕は流星を3回見ました。美しい以外の言葉が見つかりません。こんな贅沢な時間を過ごすことができて、本当に生きていて良かったと思っています。

僕にとって美ヶ原が最高の場所になりました。山小屋のご飯も美味しかったし、広大な雪景色はまるで天国のようであったし、奇跡的な星空はさらに僕に生きる勇気をくれました。間違いなく僕にとって美ヶ原は今まで一番の場所となりました。これからも僕が愛してやまない登山を続けていこうと思います。
そしでそこで培った経験を生きる糧とし、さらに素敵な人間に成長できるように前を向いて生きていきたいと思います。

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