人は味覚に対して「適当」な生き物

飲食に従事する立場で、
このような事を言うのもなんですが、
「人は味に対して適当な生き物」だと思っています。

仮に味を「1〜10」で評価できるとして、
本当に人は10の味を正しく10として評価できるのでしょうか?
おそらく大半は、
7以上を押し並べて「美味しい」と評価し、
8-10の「違い」を、正しく見極められないはずです。

仕方ありません。
長引く経済不況や、エンタメの多様化により、
「外食経験値」がバブル世代よりも乏しいため、
味を正当に評価する能力・経験を備わってないからです。

逆を言えば、
7に合わせて料理をすることが経営的にはいい、
とも考えられます。

8-10の追及には「食材コスト」もかかり、価格も高騰する。
「どうせ分からないから7程度の味でいい」
という妥協こそが価格に反映され、
皮肉にも「顧客満足度」を高める経営努力となる。

こう言った側面が現在の飲食にはあると考えています。

この考えをしっかり認識していれば
「美味しいもの作っていれば人は来る」という
典型的な落とし穴にも陥らないものです。


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