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22年目の告白〜私が債務者です〜転

序章 https://note.com/shakkin300niki/n/ndca91c0489da

第二章 https://note.com/shakkin300niki/n/n4b9f6b14f9ee

<前回のあらすじ> 最愛の彼女にも振られ、貯金も底をつき、まさに路頭に迷うという言葉が、ピッタリな借金50ニキ。20代半ば年収は400万程度。家賃は7万くらいだったろうか。

男の人生は拍車をかけたようにさらに急降下する。======================

独り身になって変わったこと。まさしくそれは字の通り、独りの時間が増えたことだろう。

大体19時には仕事を終えても、デートをする女も金もない。どこか気晴らしに出かける車や、体を動かす趣味さえない。

本当に終わっている。最愛の彼女に愛想を尽かされるのもよく分かる。

仕事後、まっすぐ家に帰るはずもなく。ほぼ毎日のように通ったのは、俺の原点のひとつでもあるパチスロだった。

当時は5号機のAT・ART機全盛期。機種で言えば、カイジ3や攻殻機動隊など200G代に濃いめのゾーンが存在するハイエナ向きの台が腐るほどあった。

俺の地域は高齢者も多く、128Gやめがなぜかその後座った老人に180Gくらいまで回されて捨てられる。落ちている金を拾わない手はない。そんな状態だった。

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カイジ

仕事帰りに何店舗か周り、少なくとも2,3台は拾えていただろう。

再びのパチスロ三昧。期待値ガチ勢だった俺は、借金も順調に返済をしていった。

そして、パチスロ専用のTwitterも始めた。

期待値だけを追って、期待値がとれたらそれをツイートする。上手い人気取りのアカウント。


そんなTwitterは、承認欲求を満たしてくれた。仕事もつまらない。彼女もいない。パチスロ以外に趣味もない。

平々凡々な毎日の中で、唯一、承認欲求を満たしてくれたのがTwitterだった。

気づけば、少しばかりのパチスロ仲間もできた。土日は毎週そいつらと朝からパチスロを打つようになっていた。

当時は既にイベント規制が始まっていて、設定の発表は禁止になっていた。なので、朝から打ちにいけば仕事帰りからの稼働よりかは、期待値が拾えることは多くなく、土日はほとんど負けていたと思う。


そして、期待値稼働で勝ちツイートばかりをしていた時よりも、負けツイートをした方がフォロワーは増えた。

ダウンロード (13)

Twitter上の顔も名前も知らない誰かに、承認欲求を満たしてもらうため。

土日になれば、設定1にお金を入れ続け、夕方には負けツイートを自虐的に放ち、笑いとフォロワーを獲得するだけのアカウントに落ちぶれていた。

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そんな生活が給料だけでまかなえるわけもなく、少なくとも月10万は借金の上乗せをしていたことだろう。

上乗せ

こんな生活を1年ほど続けた時、とある女性と付き合うことになった。そんな立派な出会いでもなく、同じくTwitterで出会ったパチスロをやる女の子だった。

当然、借金があることは隠していた。

お金の心配をされたこともあるが、仕事頑張ってるから大丈夫と嘘をついた。

この時、既に齢は26歳。借金は100万を超えていた。

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このあと仮想通貨で含み益200万円からのマイナス50万円をくらいながら、

そして、2019年1月。借金が250万円の状態で入ったのが

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新宿租界( https://shinjuku-sokai.com/ )

だった。

そして、最終章が始まる。




借金150万だった頃を振り返り、この筆をとりながら思うことがある。

もし、この頃に戻れるとしたら俺は戻るだろうか。

もしも、もっと前の、

最愛の彼女に振られる前の、

貯金も100万程ある状態の、あの頃に戻れるとしたら。

俺は戻るだろうか。

まどか

きっと俺は戻らない。


今現在の話をしよう。

俺には愛する妻と愛する息子が一人いる。

驚いた人もいるだろうが、周りからは羨まれる程のとびっきり美人な妻と、笑顔の可愛い最愛の息子だ。誰が何と言おうと、俺にとっての自慢の家族。


俺は少し前に、アバウト・タイムという映画を見た。
話はこんな話。

主人公は、時を戻せる特殊能力を持っている。彼は、好きな女性を振り向かせるため、失敗をすれば過去に遡り、彼女とお近づきになろうとする。でもそうすれば過去が変わり、現在も変わる。

なかなかうまく結びつかないことにやきもきしながらも、結果、何度か時を戻し、最終的に2人は結ばれる。その後も、うまく行かないことがあれば過去に戻ることを繰り返す。自分に都合の良いように過去を変えてきた主人公だが、とあるタイミングで"今"を生きることを決める。

特に、家族持ちで借金持ちの人は是非見て欲しい。

必ず泣くと思う。少なくとも俺は、自分が情けなくてどうしようもなくて涙が止まらなくなった。

アバウト・タイム


次回、【22年目の告白私が債務者です 〜最終章 新宿租界編〜】

1期から新宿租界にずっと入っていて、収支がどうなったのか、公開します。

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