#324 食べている塩は生産量の2%?
私たちの生命維持に欠かせない「塩」。
しかし、私たちが「塩」として口にしているのは塩の生産量のわずか2%に過ぎない。
日本全体での年間消費量は約800万トン(2014年時点)、その中で、およそ8割は工業用として利用されている。
工業用に使用される塩は、電気分解によって「塩素(NaCl)」と「苛性ソーダ=水酸化ナトリウム(NaOH)」になります。
塩素は、化学製品の現在料や、殺菌剤や漂白剤として利用される。
さらに、塩化ビニル樹脂やウレタン樹脂、合成ゴムの製造にも使われるので、私たちの生活にはなくてはならない元素である。
苛性ソーダは、工場の汚水処理や、加工した製品をきれいにする中和剤として使われるほか、石けんや洗剤の原料としても使われる。
このように、塩は工業製品の原料として使われている。
その割合はおよそ塩の生産量の7割~8割。
残りは飼料や融雪、調味料の製造などに使われ、純粋に「塩」の状態で私たちが消費するしているのは塩の生産量全体の2%にすぎない。
日本の塩の自給率は10%程度。
大部分を輸入に頼っていて、メキシコやオーストラリアから多くの塩を輸入している。
しかし、日本で食用に使用されている塩(塩と加工食品・調味料などの製造に使用される塩)は何とか自給できる。
輸入された塩の大半は工業用として利用されているのだ。
生命活動はもちろん、私たちの豊かな暮らしは、塩が無くては成り立たなくなっている。
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