#76 エリザベス女王はどこの国の女王?

2022年に96歳で崩御されたエリザベス女王。70年の在位はイギリス史上最長だった。現在は長男のチャールズ国王がイギリスの君主となっている。

エリザベス女王はイギリスの君主だったが、実は、他にもエリザベス女王(チャールズ国王)を君主としている国がイギリスを含め15か国ある。

アンティグア・バーブーダ
カナダ
グレナダ
ジャマイカ
セントクリストファー・ネービス
セントビンセント及びグレナディーン諸島
セントルシア
バハマ
ベリーズ
イギリス
オーストラリア
ソロモン諸島
ツバル
ニュージーランド
パプアニューギニア

これらの国はイギリス連邦王国と呼ばれ、2022年現在、チャールズ国王を君主としている。(政治は各国で選ばれた首相が行っている)
第二次世界大戦後、イギリスの植民地だった国は次々と独立したが、イギリスと植民地との関係が完全に切れてしまったわけではなく、現在でもイギリス連邦として経済等での協力関係が続いている。
チャールズ国王を君主とする国は15か国だが、イギリス連邦に加盟する国はさらに多く、2022年現在で56か国にも及ぶ。
中にはカナダ・オーストラリアなどの資源大国も含まれている。世界の覇権をアメリカ・中国に譲ったとはいえ、イギリスは現在でも独自の基盤を持っているのである。そのことは、イギリスとEUの歴史にも影響を与えている。

イギリスがEC(ヨーロッパ共同体)に加盟したのは1973年。ECの前身である欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)がつくられたのが1952年なので、それから約20年間、イギリスはヨーロッパ諸国との距離を保っていた。EC加盟後も域内の行き来が自由になる「シェンゲン協定」への加盟や、共通通貨「ユーロ」の導入はしていなかった。そして2021年にイギリスはEUを離脱したが、もともとイギリスはEUと一定の距離を保っていた国なのである。イギリスのEU離脱には、英連邦の国々との結びつきが自国の経済を支えているという背景があったのである。

【参考】


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