#295「卑弥呼」はなぜ「ひみこ」と読む?
卑弥呼(ひみこ)に邪馬台国(やまたいこく)、歴史の授業で学んだ人は迷わずに読むことができるだろう。
しかし、よく考えてみると「弥」を「み」と読んだり、「邪」を「や」と読むなど、初見で正確に読める人はほとんどいないだろう。
卑弥呼や邪馬台国の文字が読みづらい理由は、これらの漢字が当て字だからである。
卑弥呼や邪馬台国が登場するのは中国の歴史書、3世紀前半の三国時代のことが書いてある『魏志』倭人伝だ。
この頃の日本列島には差体系的な文字がなかったと言われている。
そのため、弥生時代以前の日本を知るためには国内では発掘調査に頼るしかなく、中国の歴史書は当時の日本を知る上で貴重な資料となっている。
当時の日本に文字はなかったが、大規模な稲作や争いが行われていたことが分かっているので、コミュニケーションをとるための言語はあったと思われる。
弥生時代の日本には、現在の日本語の原型となっている言語はあったが、記述する文字がなかった。
そのため、中国では日本列島からきた使者の話す言葉の音をもとに、漢字を当てて記録を残したと考えられている。
つまり、日本列島からの使者が「やまたいこく」や「ひみこ」と言った音を聞いて、魏の人々が「邪馬台国」や「卑弥呼」という漢字を当てて記録を残した。
一説によると、邪馬台国は「大和国(やまとこく)」、卑弥呼は「日巫女(=太陽に使えるみこという意)」や「姫子(=女性の意)」といった意味で国内では呼ばれていたとされている。
これらは推測でしかないが、いずれにせよ、「邪馬台国」や「卑弥呼」の文字には深い意味はなく、ただただ小中学生の勉強を大変にしているだけのようだ。
※中華思想によって、あえて「邪」や「卑」というネガティブな意味の漢字を当てたという主張もある。
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