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#326 円はなぜ「¥」であらわすのか?

「¥1000」と表記されていたら、日本人であればだれもが「1000円」を思い浮かべるだろう。この「¥」は一体どこから生まれたのだろうか。

そもそも、通貨記号には通貨をあらわすアルファベットの頭文字に斜線を入れるという慣習がある。

例えば、
タイのバーツはBに横斜線が2本入っているし、
フィリピンのペソはPに横斜線が2本入っている。

この慣習の起源になったのがドルをあらわす「$」と言われている。
しかし、ドルの英語表記は「dollar」。
どこにも「S」は入っていない。
本来なら「D」に縦棒になりそうなものだ。

「$」の記号の由来にはさまざまな説がある。
銀(Silver)のSをとったもの、世界中で流通していたスペインの通貨「Peso」のPを複数形にしてPsにしてそれを合体させたものなどなど。

いずれにせよ、ドルの表記が起源となって、アルファベットに線を入れるという表記が定着したようだ。

つまり、日本円のマークである「¥」は、Yに横棒を2本入れたものということだ。

円を英語表記すると「Yen」となる。
「Yen」の頭文字「Y」に横棒を2本入れて「¥」となった。

円や「Yen」の起源は中国だとされている。
中国のかつての通貨だった「圓」(Yuan)が、円(Yen)に転化していったというのが有力な説だ。
ちなみに、現在の中国の通貨である「元」も「圓」と同じ読みの字をあてたものであり、元も記号で「¥」とあらわす。

そのため、円と元を混同させることによる消費者被害も相次いでいるという。

韓国の通貨「ウォン」は「円」の朝鮮語読みなので、「元」や「円」とルーツは同じと言っていいだろう。
しかし、表記は「won」なのは「₩」となっている。

【目次】

【参考】


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