#270 条約の「採択」「批准」「発効」の違いは?
国どうしの約束事である「条約」を結ぶまでにはさまざまな過程があり、用語が登場する。核兵器禁止条約を例に考えてみよう。
核兵器禁止条約について説明した文だが、この中だけでも「採択」「署名」「批准」「発効」という用語が登場する。
・採択
国の代表者が集まって話し合い、条約の内容に合意すること。
・署名
条約の内容に対して賛成の意思表示をすること。この時点ではまだ署名した国に対して法的な拘束力はない。
・批准
条約の取り決めを守ることを国際的に宣言すること。日本の場合は、条約を批准するためには国会で条約が「承認」されることが必要となるため、内閣が勝手に条約を批准することはできない。
条約がすでに発効されている場合、批准した国は条約の内容に拘束される。
・発効
条約が効力を持つようになること。条約ごとに発効の条件が決まっており、例えば核兵器禁止条約の場合、50か国が批准した後90日後に発効するという条件だ。
・締結
他にも、条約を「締結」するという言葉もよく使われる。
所謂「条約を結ぶ」と同じ意味だが、署名や批准など、国として条約を認めて発効するまでの手続き全体を「締結」と表現する。
内閣の仕事に「条約を締結すること」とあるが、条約の署名や批准は内閣が行うことをさしている。
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【参考】
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