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港千尋+勝又公仁彦フォトメールマガジン
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#勝又公仁彦

SHADOWTIMES 2013/12/19 Vol.55

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Post.27
「伊勢のあまちゃん」 勝又公仁彦冬は大気がよく澄み天体観測に適した季節である。先週末に極大日を迎えたふたご座流星群や先月のしし座流星群などを寒空の中眺めたことがある方も多いだろう。

この冬はそれら毎年の流星群に加えてアイソン彗星が現れるということもあり、コンビニのレジにも観測グッズが置かれるなど密かに盛り上がろうとしていた。ところが11月30日に太陽の近くで崩壊してしまったこと

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SHADOWTIMES 2013/12/05 Vol.53

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「ガウディの光と色」 勝又公仁彦
アメリカから帰り、今度はスペインのバルセロナへと飛んだ。バルセロナはコロンブスが新大陸を発見した後に、スポンサーだったイザベル女王への報告会を行った地である。

世界遺産のアントニ・ガウディの建築群で知られるバルセロナは、ローマ以前から続く古都であり、ピカソ、ダリ、ミロ、ロルカなどを生んだカタルーニャの中心都市だ。ガウディ目的での訪問ではなかったが、来た以上は

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SHADOWTIMES 2013/11/21 Vol.51

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Post.25
「ヨセミテのローンレンジャー」 勝又公仁彦今年公開された映画「ローンレンジャー」は、サンフランシスコへの大陸横断鉄道の敷設が物語の背景となっていた。それはまさに前回のスタンフォードの事業を思わせるものだ。

スタンフォードが、という意味ではないが、映画と同様にその時代には先住民への搾取や虐殺がそこここで行われていた。スタンフォード大学のあるパロ・アルトからロスアルトスに抜ける幹

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SHADOWTIMES 2013/11/07 Vol.49

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Post.24
「スタンフォードの馬」 勝又公仁彦モンゴルから日本に帰り、その余韻も覚めぬ内に、私はサンフランシスコへと飛んだ。空港には昼過ぎに着いた。光の強さはモンゴルによく似ている。空気が乾燥しているのだ。お世話になるシリコンバレーのNさんのお宅への途中、スタンフォード大学を見学した。

(ゴールドラッシュで移住し集まった鉱夫を相手とした雑貨商で成功し、カリフォルニア州知事から鉄道王となっ

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SHADOWTIMES 2013/10/03 Vol.45

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Post.22
「二つのアート」 勝又公仁彦「風景考 モンゴル展」のレセプションを終えた翌日、我々はまだ日も上がらない早朝、ウランバートルのチンギスハーン空港へ向かった。南ゴビへと飛ぶためである。

プロペラ機はウルム(南)ゴビ県の県都ダランザドガドの空港に到る。正面には駱駝の狛犬が置かれ、中華圏とは多少違うエリアであることを思わせる。空港から少し離れてダランザドガドの街がある。人口は 1~2

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SHADOWTIMES 2013/09/19 Vol.43

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Post.21
「2つのフォーカス」 勝又公仁彦前回、ピントなどが後から自在に変えられる新時代のカメラとしてライトフィールドカメラの仕組みをご紹介した。紹介しておいて何だが、このような発明と実用化は素晴らしいと思う反面、長年写真を撮ってきた者としてはいささか居心地が悪いというか、違和感を拭い切れない。

“触知論” 「2013年8月25日神奈川県横浜市」
(暗い、というだけでピントが合っている

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SHADOWTIMES 2013/09/05 Vol.41

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Post.20
「既にある未知のフィールドへ」 勝又公仁彦このところ呪術的な話が続いた。そろそろ科学の話題を入れてバランスをとろうと思っていたところ、港さんがアラゴのことを書いて下さった。ダゲールが発明し、アラゴが発表したダゲレオタイプは、光学的な現象を化学的な処理により定着する技術だった。これは現在のフィルムカメラに受け継がれている。

一方デジタルカメラでは、光学的な入力は変わらないものの

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SHADOWTIMES 2013/08/15 Vol.39

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Post.19
「永遠の残響」 勝又公仁彦前回は、エリアーデのシャーマニズムの岡本太郎への影響などについて、最近の考古発掘物などとの関係で述べた。シャーマンがどれだけ認知されているかはわからない。インチキ祈祷師と思っている方もいるだろうし、実際その能力に疑問符がつく者もいることだろう。

現代の日本におけるシャーマンというと、南西諸島におけるユタやノロを想起するが、より一般的には東北のイタコを

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