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社労士になるまでの記録3

資格取得意欲の再燃

晴れてケアマネとしてデビューした私は、最初介護施設のケアマネを担当したが、本題とは逸れるのでここでのあれこれは割愛する。
その後、居宅介護支援事業所という部署でいわゆる在宅ケアマネが退職したことでその空いた席に座ることとなる。それが転職から1年後のことであった。

在宅ケアマネの業務は忙しい(もちろん施設ケアマネも忙しいが)。
とにかく高齢者の自宅訪問と書類作成、外部サービスとの連携などやらなければいけないことが多い。

一般的にはケアマネジャーという仕事は高齢者介護職に携わる者にとって、一応の目標である(あくまで個人的な見解)。少なくとも私にとって、ケアマネという仕事を、高齢者介護職に携わった自分にとって最後の職業にしようと思っていた。

だが、私はここまで福祉というものを8年ほどやってきて、その待遇に満足してはいなかった。私の会社が特に低賃金であったかというとそうでもなく、平均的なものだったと思うが、こんなことを頻繁に考えるようになるのだ。「自分が60歳まで働いたとしてそのときにいくらもらっているのだろう」と。

今から考えれば実に浅い思考である。ケアマネとしての将来は一本道ではない。自分次第でいかようにも変化し得る。介護施設の経営を志すかもしれないし、今の会社で経営に携わるポジションに出世するかもしれない。独立だって考えられる。
だが当時の私は、無性にこのままではいけないと思うようになり、ついには「資格取得への欲求」が再燃してゆくのである。

社会保険労務士資格を知る(ようやく)

ただ漠然と何かが不安、というだけで新たな資格にチャレンジしようと思い立った私は、書店に向かった。
当時はもうインターネットが十分に普及していたが、スマホなどは無いし、情報収集の手段として書店を選んだ私はある意味正解だった。
どんな資格があるのか、どんな試験なのか、どんな仕事なのか、書店には資格コーナーがあるわけで、そこに行けば全て網羅できるではないか。

もちろんインターネットで調べてもわかることではあるが実際の参考書を手に取ることで試験の内容が何となくわかることは有益だ。

かくしてあてもなく向かった書店の資格コーナーにて、ついに私が初めて社会保険労務士という資格があることを知るのである。

いくつかの資格情報を見ては、難しそうだなとか、自分には向いてないなとか、そもそも受験資格がないなとか、そんなことを考えながら何個目かに手に取った参考書が社会保険労務士のものであった。

資格の概要を読んでみて何となく、これ興味あるかも、と思った。
ただそれだけの理由でテキストを買って帰った。
しいて言うなれば、介護保険に携わる以上、実は案外医療保険だとか、社会保障関係の知識は必要で、どんな資格かはともかく知識として役に立たないはずがないだろう、というのはあったと思う。
そして勢い任せの性格ゆえに、ほぼ何も考えずに受けてみようと思い立つわけである。

自宅に帰りいろいろ調べてみると、試験は毎年8月だと分かった。

実はこの書店に立ち寄った日は6月で、試験まで2ヶ月だということも参考書を買ってから知るのだが、そもそもその年の受験申込みは終了してしまっていた。

1年以上先の試験を見据えるということがいきなり決まってしまうのだが、結果的にこれはこれでよかった。これまでの試験のように数か月根をつめれば何とかなるというレベルの試験ではないということも後でわかったことなのである。

つづく


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