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「30日財務チャレンジ」~毎朝の5分で財務改善~Vol.4「半製品(作りかけの商品)」に注意!&実は売掛金とは異なる「未収入金」

6月新企画は「数字のことはよくわからなくて……」という社長のための、経営者が最低限知っておけばよい会社の数字の読み方を学べるものです。1日1回数分見るだけで、6月の終わる頃にはあなたも数字に強い社長です! 「棚卸資産その②」と「未収入金」について説明します。

※noteでは2日分を1記事で公開しています。

資金繰り、決算分析、財務指標……。これら「財務」にまつわるテーマは多くの経営者に机上の空論と認識されがちです。
特に企業実態を数字で表す「決算書」は、ある程度の会計知識がないと「見えにくい形」で情報が掲載されているため、経営者を財務から遠ざけてしまう一因となっているのではないでしょうか。
6月はこうした経営者向けに「財務30日間チャレンジ」と題し、毎朝5分の読み込みで、自社の財務をワンランク引き上げるような財務の豆知識をお伝えします。

財務チャレンジ⑦ B/S分析「棚卸資産②」

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製造業、不動産業等の世界には「作りかけの商品」、すなわち「半製品」と呼ばれる棚卸資産(在庫)が存在します。
卸売業であれば元々売れる商品を仕入れて売る仕組みなので在庫=商品となりますが、半製品はもうひと手間自社が手を加えないと、商品として価値をなさないものです。とはいえ、財務の世界ではそのうち完成して売上になると考えて「資産」として決算書に記載されているのですが……。
棚卸資産の中でも、この半製品だけは特に「社内管理」「金融機関への情報開示」の2点で要注意資産として管理しておきましょう。というのも、
・半製品は、完成度合に応じて次第に価値が上昇するはず(≒価値がブレやすいもの)
・半製品は、時に工事ミスや製造ミスで価値がなくなる場合がある(≒在庫毀損リスク)
・金融機関は上記のリスクを知っており、「この半製品、価値があるのか…?」と疑いやすい!
ということがあります。
「いえいえ、自社できちんと管理していますし、決算に掲載されている半製品はきちんと価値がありますよ」としっかりと説明できると、自社の資産価値を高く評価してもらえやすくなります。
もちろん社内でもきちんと在庫管理を行い、「今、何がいくら社内にあるのか」を把握することは、自社の企業価値を正確に分析する上で必須です。ぜひ、社内の在庫管理明細がきちんとあるかを今一度チェックしてみてください。

財務チャレンジ⑧ B/S分析「未収入金」 

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貸借対照表(B/S)には、今後売上になるが、その時点では未回収の資金を「売掛金」という項目で資産として載せるルールがあります。ここでのポイントは、売掛金はあくまで今後「売上として」計上されるべき未回収の資金だという点です。
例えば、商社が機械を100万円の掛け売りで販売したら、貸借対照表には「売掛金100万円」が計上されますが、その機械を売り先に運んだ時に後日振込予定の手数料は、未回収ではありますが売上として数えることはできません。B/Sではこうした資金を、売掛金とは区別を付け、未収入金という資産として管理します。
「結局、未回収のお金には変わりがない。前回までの売掛金の分析の手法通り、未収入金の相手先や、回収の可能性を考えればいい」と考えた方、少しお待ちください。もちろん、その視点も重要ですが、それより先に確認しておきたいのが「未収入金に、本当に売上となるお金が混ざっていないか?」という点です。
中小企業の決算書、特に複数事業を展開している場合、時折商売をきっかけに生まれるはずの未回収の資金(つまり売掛金の性質を持つお金)が、未収入金に掲載されていたり、逆も然りといった事態が起きています。
「それの何が悪いの?」と感じた方も多いと思いますが、つまりは「今後商売を継続する際、どの程度安定的に資金が必要か」を決算から正確に把握できなくなってしまいます。これは金融機関への運転資金の依頼がしにくい決算書になっている、とも言い換えることができるでしょう。
下記に企業がやってしまいがちな未収入金についての項目をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

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もちろん、勘定科目の変更を行う場合は顧問税理士に相談しながら、貴社も以上のような例がないかをしっかり確認しておくことをオススメします。

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