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売上安定化のカギ、サブスクリプションの真実

アフターコロナ後の新しい取り組みとして、最近船井総合研究所にもサブスクリプションサービス(以下サブスク)に関するお問い合わせが増えてまいりました。

 ただし、まだまだ多くの方がサブスクビジネスを正しく理解されていないと、現場にいる者として感じています。サブスクビジネスの肝と、正しいやり方をお伝えします。
みなさまはサブスクビジネスを「利用料金の分割払いサービス」と認識していませんでしょうか??
サブスクを様々な方が定義されていますが、私は「定額利用料金の対価として顧客へサービス利用の権利を提供するモノ」と定義しております。
ここで重要なことは、モノやサービスを提供するのではなく【権利】を提供することだということです。
この点が既存の定期購入や定額利用と異なる部分で、ヘビーユーザーもいれば、ライトユーザーもいることで、マネタイズが成立します。
これまでのビジネスと収益構造が違うのもポイントです。

従来ビジネスのの損益計算書のイメージ

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サブスクの損益計算書のイメージ

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企業にとってのサブスクのメリット

主に以下のようなものがあります。
①成熟産業での差別化ポイント
②新規依存ではなく既存客主体の収益化(ストック収益)
③データ分析による新規/追加提案が可能
この上記のメリットを私たちのクライアントで実際にスタートした、美容室が始めた「ヘアカラーし放題サブスク」をベースに考えてみます。
①成熟産業での差別化ポイントに関して、美容室業界は成熟産業化が進んでおり、他社と差別化のできていないサロンが倒産、廃業しており、その数は毎年増加、2019年は過去最高ペースです。
そんな美容室経営で差別化するポイントは、例えば技術面や取扱メーカーなど、複数ありますが、一番わかりやすいのが高価値(お得)/価格です。
この状況下で、とある美容室は「ヘアカラー定額サブスクサービス 毎月○○円でヘアカラーし放題!」というサブスクを始めました。

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画像提供:PIXTA

※価格の決定要素は様々あり、「この金額が答え」というわけではないことから、具体的な金額は伏せさせていただきます。
従来の業界構造では、「ヘアカラーはその都度料金を支払うのが当たり前」という概念がありましたが、このサービスを打ち出す時点で差別化に成功するのです。
②新規依存ではなく既存客主体の収益化(ストック収益)について、理美容業界はエリアや規模によって多少変化はあるものの、世の中のほとんどのサービスと同様、ある程度新規客に依存したビジネスモデルであると言えます。
この記事をお読みいただいているみなさまは、美容室や理容室を利用した際、次回の予約をどれほどの方が取られていますか?
また料金に関しては、基本的に都度払いではないでしょうか?
基本的に「いつ来るかわからないお客様が来られるのを待ち、来店いただいたらお支払いをいただく」形です。
サブスクにシフトする一番のメリットは、「来月いくらの売上が入るのかを先立って可視化できること」です。
またこれまでの顧客を会員(=一定の料金を継続的に支払ってくれる顧客)として取り扱うことができるので、今の既存のサービスの価値も可視化することになります。
美容室経営で言うならば、ヘアカラーというメニューをサブスク化することで、来月の売上見込みを立てるだけでなく、サブスクを契約している限りその顧客は生涯顧客として通い続けてくれることになるのも、会員化として重要な指標と言えるのではないでしょうか?

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③データ分析による新規/追加提案が可能に関しては、サブスクサービスをスタートする際にどのツール(プラットフォーム)を利用するかが重要です。
単純に月額課金してくれるペイメントサービスだけではなく、顧客の利用状況や動向、嗜好性を可視化できるものや、商品やサービスの提供者側からキャンペーンやお知らせを配信できるもの、また外部の予約サービスやシステムと連携するものが必要となってきます。
ジムなどでサブスクのサービスを利用されている方ならば、お金を払っている先から、お得なキャンペーンや新商品のご案内などを受け取ることがよくあると思います。
サブスクを継続してもらうためには、事業者側からの案内は欠かせません。
実際にサブスクのプラットフォームを導入している美容室では、その機能を利用してお客様や現場スタッフの利便性を向上するだけでなく、
・メッセージの配信機能などを利用してトリートメントや物販の提案を行い、プラスの売上に繋げる
・来店頻度が落ちてきた離脱しそうな顧客へリピート提案を行う
などをされています。
これまでリアル(アナログ)では提案できなかった部分を、サブスクを導入することで可視化することができ、サブスク以外の既存ビジネスとのシナジー効果も生まれているのです。

サブスクの成否は「ここ」で決まる

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サブスクを導入するメリットは他にもあるのですが、まずはサブスクビジネスを始める上で成功するための2つのポイントをご紹介します。
①プライシング(価格設定/サービス設計)
②事業計画(投資シミュレーション及び利益計画)
上記が非常に重要で、サブスクにおいては大きな肝となります。
①プライシング(価格設定/サービス設計)に関しては、エンドユーザーに提示する価格がエンドユーザーのイメージする負担(定価)よりも低ければ低いほど、お得さを感じてもらえて利用欲が上がります。
一方で事業者からすればこの価格を高く持てば持つほど、単一ユーザーあたりからの獲得金額が高くなり、利益に繋がりますが、おそらくユーザー数が伸び悩み、あまり大きなボリュームになることなくそのビジネス自体が衰退していくでしょう。
ですから、理想はきちんとユーザーに支持される金額であること+利益のとれる価格に設定することで、この点を間違えると将来性がなくなってしまいます。
②事業計画づくりに関しては具体的に目標ユーザー数の設定に加えて、そのユーザー数に到達するまでのスケジュール、そこまでにかかるコストやシステム機能の付加などを計算する必要があります。
基本的にサブスク自体はユーザー獲得を先行して行うことが必要なので、ある時期までは収支としてはマイナスになりますが、反対に到達点を超えるユーザー数になると利益化に成功するモデルです。
ですから、この計画をなるべく正確に設定し、ズレがあったときは適した基準のもとで修正する必要があります。
サブスクとは、文章で説明すると難易度の高いビジネスという印象もあるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。
まずビジネスではどの業種でも市場性×競合性が重要になるかと思いますが、サブスク市場は成長が見込まれていることに加えて、競合がまだどの分野においてもあまり存在せず、参入する時期としては今がよい時と言えます。
よって直近の業績アップといった意味でも、既存客とのシナジー効果を見込むことができ、かつサブスク事業単体でも成長が見込める良いタイミングです。
そのようにプラスの面が多いサブスクビジネスが、なぜ広がらないのか?
単純に日本はまだまだ導入期のフェーズであることが理由として挙げられます。
サブスク周辺のサービス(ペイメントやプラットフォーム)が整備されていないこと、事例数が既存業種に比べて少ない、そして運用を含めたノウハウを持つ人間が少ないことから、浸透にはまだ時間が必要です。
今後アフターコロナを含めた日本経済では個人のありとあらゆる消費がまずはキャッシュレス化され、加えてサブスク化、個人のありとあらゆる消費はサブスク化されていくと私は予想しています。
今、日本経済では、あらゆる業種で先行企業が一番店、トップシェアとして位置していることが多く、このセオリーは今後も変わりません。
ですが、サブスク化により、「一番店」の意味も大きく変化していくことになると考えます。
現在一番店でないところも、一番店と比べられることのないポジションを確立できるかもしれません。

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