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知らなかった場所_Fairy Friends_4

(前回のお話)

サヤ「ミサ、待って〜〜〜」

ミサ「あー、ごめんごめん。サヤ、でも早く〜、もう少しだよ。」

ミサにこんな体力があるなんてびっくりだ。いつも控えめで、何かとのんびりしているイメージがあるサヤがのしのしと階段を登っていく。

二人が目標としている石の祭壇がある場所はもう見えていた。だけど見えてからが、余計に長く感じてします。

『ザーザーザー』『ピーチチチ、ピチチ』

気持ちいい風と音が二人の間を走り抜けて行く。木々や小鳥たちも励ましてくれているようだ。もう少し、頑張ろう。

ーーーーーーーーー

サヤ「ふー、やっとついた!」

ミサ「やったね。ちゃんと登り切ったのって初めてかもね。」

サヤ「うん、ミサがいなかったら絶対まためげてたよ。いつもはミサの方が先に諦めちゃったりしてたけどね」

ミサ「確かに。なんだか今日は頑張れたの。不思議だね」

サヤにはその理由がなんとなく分かっていたけど、なんか返事をしたくなくてお目当のピクシーを探すフリをして辺りを見回した。

サヤ「どう、何か見える?いるような感じとか」

ミサ「ん〜〜〜、そうだなぁ。今の所は何もいるようには見えないし、いる感じもしないな」

サヤ「・・・。そっか、やっぱりそんな簡単に会えるものでもないのかな」

ミサ「そ〜だね〜。私が見える時も別に自分達から探そうとしてたわけじゃなく、たまたま見えるってくらいだし。そう毎日見えて、会えるわけでもないからね」

サヤは内心ホッとしていた。ミサがどんどん先に行ってしまうような気がしていたし、ピクシーは人を迷子にさせるって。迷子は嫌だ。こんな暑い日に迷子になったら大変だし、蚊にも刺されたくない。

その時だった。

ミサ「あっ!?」

サヤ「えっ??」

ミサが指差した方向を見ると、草木がガサガサっと不自然に揺れた。

サヤ「・・・ん??リス...??」

ミサ「あはは、そうみたい。サヤにもはっきり見えるってことはリスだね。可愛い」

サヤにも見えるってことは...ってくだりが少し気になったが、リスに出会えたのは少し嬉しい。

ミサ「もしかしてピクシーって、リスのことなのかなぁ??」

サヤ「えーー、なんで?それはないでしょう。見た目が全然違うし。」

ミサ「だよね。ただピクシーとリスが好む場所って似ている気がして」

サヤ「そうなのかな〜。まーここは色んな動物がいそうだよね。」

そんな会話をしているとリスは一瞬だけ、こちらをチラッと見たよな気がした。そして二、三週クルクルとその場を回るとタカタカと石の祭壇の斜め奥へと駆け出した。

ミサ「あっ、あっち道があるよ。それになんか開けているみたい。いい香りがする」

サヤ「え、ほんとだ。なんだろう」

サヤが返事をしたときには、ミサはリスの後を追って駆け出していた。

サヤ「え、ミサ?!ちょっと、待って!!」

サヤは慌てて、ミサの後を追いかけた。

ーーーーーーーー

ミサ「わーーーーー!見て、サヤ!」

サヤは息を切らしながらもなんとか追いつき、膝に手を当てて一呼吸おいてから顔あげた。

ミサ「うわ〜〜〜〜〜、すごい綺麗。」

二人の前には色とりどりの花と綺麗な小川が流れる広場のような場所が広がっていた。

サヤ「こんな場所が祭壇の裏にあったなんて。これまで気づかなかった。なんで誰も教えてくれなかったんだろう。」

ミサ「そうだね。みんな階段登るだけで疲れちゃって、あんまり周りを探したりしなかったんじゃないかな。」

サヤ「確かにねー。リスさんがいなかったら私たちも全然きづかなったよね。きっと」

いつの間にかリスはどこかへいなくなっていた。

二人はしばらく、黙って綺麗な広場を見回していた。

ミサ「・・・今日さ、もしピクシーに会えなくても、サヤとここを見つけられて良かった。」

サヤ「私もそう思う。ここを二人の秘密基地にしたいね。ちょっとくるの大変だけど。」

そう言って二人はニコッと笑いあった。

ミサ「せっかく来たしさ、ちょっとここで休憩しながらまた本読もうよ」

サヤ「そうだね。別の妖精さんがいる場所を探してみようか」


続く

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