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eスポーツ、試合に負けてメンタルで勝っている心理状態を考える

eスポーツは、ゲームの“対人戦”をゴリゴリに鋭角化した分野だと言えます。試合をやるわけですから、最後には必ず勝ち負けが決まります。試合中もそうですが、特に「勝利」か「敗北」か、はっきりと結果が決まるとズドーンと感情が揺さぶられることは多いのではないかと思います。

たとえば「Apex Legends」で言えば、チャンピオンを獲ったときは「よし!!」とこれ以上ないと思うほど高揚します。が、2時間以上も負けが続けば怒り狂うくらいに悔しかったり、モヤモヤが膨らんで不貞腐れるような気持ちにもなったりします。オンライン上で、しのぎを削りながら勝った負けたに一喜一憂する。真剣に打ち込んでいるゆえに、その先に他には代えがたい勝利の喜びがある。この興奮があるからこそ、eスポーツは楽しいのだと思います。

でも、こうしたプレーヤーのメンタルについて考えていると、試合の結果とメンタルの勝ち負けはまったく別だなと、ことあるごとに思います。

どういうことかと言うと、下のチャートのようなイメージです。

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まずメンタルに勝ち負けがあるのかという話ですが、「楽しめているか」、「自分を成長させられているか」の点ではあると思います。

試合に繰り返し挑んでいくなかで、結果をどう捉えて次に活かすか。あるいは活かせないかでプレーヤー本人がどんな選手になっていくかが決まっていくのではないでしょうか。

たとえ試合に勝ったとしても、「メンタルで負け」の項目にあるように、相手を見下したり、調子に乗って強気になりすぎてしまったら、次の試合では人が変わったようにボコボコに負けることもあるのではと思います。相手を見下していた分、負けたときの相手への怒りや自分への怒りは止められないかもしれません。それってすごくもったいないと思います。

ポイントになるのは、勝っても負けても「メンタルで勝ち」の状態であれば、自分を常に成長させられる(あるいはそう希望を感じさせる)ことではと思います。もし勝てたら、「できた!」と自分を褒めつつ、その“勝てるイメージ”を強力に記憶しておくことで、もっともっと強くなれるはずです。相手を見下している場合でないですねw。

逆に負けだったとしても、「何が足りなかったのか?」「どこがうまく行かなかったのか?」を考えることで、“次に自分が成長すべき部分”が見えるはずです。「負けて悔しい」と思い切り感じることも大切ですが(これはこれで重要と考えているので、機会があれば書きます)、それとは別に“学べたこと”を意識するだけで、悔しいだけではない前を向く感覚も味わえるのではないでしょうか。ガンガン成長する選手、強い選手は、意識的も無意識的にも同じようなことをやっているはずです。

これは授業をしている生徒さんに教えてもらったのですが、格闘家のコナー・マクレガーのコーチは「勝負は勝つか、学ぶか」といつも言っているそうです。結果としての「負け」は常に学びの機会であり、それは次の勝ちにつながる、との考え方かと思いますが、まさにその通りだと私も思います。

たとえ試合に負けても「メンタルで勝って」いれば、成長は止まることがありません。勝っても負けても「楽しい! 嬉しい! 成長の機会だ!」なんて思えていたら、どう考えてもその人は幸せですw。そしてきっと強い。そんなメンタルで、今日もゲームをプレイしていきたいものです。

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