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想いが伝わる物件に出会うまで。

迷走した台風のせいで、8月の最終週が台無しになった方も多いのではないでしょうか。
9月もまだまだ暑い日が続いていますが、
「秋来ぬと目にはさやかにみえねども、風の音にぞ驚かれぬる」
という平安前期の貴族、藤原敏行の和歌の通り、少し秋の気配を感じるようになりました。

では今回は、前回の文末に書いた
奈良好きの女性がつながる少人数で温かみのある木造の中古住宅」を橿原市内で探す過程について、お話をしたいと思います。


藤原宮跡に咲く彼岸花(2020,9撮影)


迷走した物件探し

まずはいくつかのサイトから希望に合いそうな物件をピックアップし、外観や立地を息子と見てまわりました。
奈良らしさを感じられる場所」というポイントを最優先として、その他最寄り駅や買い物施設までの距離、落ちついた住環境などを頭に入れて探しましたが、
なかなか希望の物件が見つからなかったため、不動産屋さんにも相談し、色々な物件を紹介してもらいました。

もちろんあちらも営業なので、新築物件を何件か勧められました。
住宅内の設備も新しく、最新の機能もついているのでそれはそれで良いのですが、なぜかしっくりこないんですよね。
やはり、歴史ある奈良の街並みにはそぐわない感じがしました。

また、40年ほど前のニュータウン内の物件も紹介を受け、内覧致しました。高台にあり窓からの見晴らしもいいのですが、駐車スペースが堀込式で、また玄関までにやや急な階段があります。これは荷物の上げ下ろしなどが、女性にはちょっと厳しいなぁと感じました。

同じニュータウンには築古の住宅を全面リフォームした物件もいくつかありました。とてもすっきりと今風に改装されていましたが、
私と勝手が違う部分や女性目線ではない個所があり、温かみのあるシェアハウスにならなさそうな物件が多かったように思います。
確かにこうした今風の仕様は一般の購入者に向けてのリフォームなので致し方ないことですよね。


藤原宮跡に咲く桜と菜の花(2021,3撮影)

仕切り直して原点に戻り、奈良らしさを感じられるところを最優先に考えて探した結果、これは!という物件に出会えました。

平坦な土地で角地、前の道路も広く藤原宮跡が見晴らせる眺め、そして内部も吹き抜けの玄関があるなど、かなり希望に近い物件でした。
ほぼほぼ決めようと思っていましたが、隣家と接近していてキッチンがお互い向き合っている中、隣家の方が生活の音が気になっておられるように見受けられました。
私が常時このシェアハウスにいることができればいいのですが、留守の間、入居者様に何かあってはいけないので、この物件も諦めました。

思い返すと、当時はなんだか今回の台風のような迷走感があって、物件探しも滞ってしまいました。


巡り合った物件の内観(欄間・縁側付きの和室)

やっと巡り合えました!

その後も継続して不動産屋と相談しながら物件探しを進めていたところ、ちょうど大和八木駅の隣、耳成駅徒歩圏内にある古くからの住宅街の中の1件が目に入りました。

大和三山の1つ、耳成山のふもとにある住宅街で、家の前には小さいですが公園があります。また家の周りもゆとりがあって、南には庭もあり、広々とした感じもあります。
家の中も中古物件ならではのゆとりがあり、吹き抜けや縁側、二間続きの和室や欄間までありました。さらに2階には広い空が見える眺望と、各部屋には作り付けの凝った収納棚があります。
前に住まれていた方のお気持ちもうかがえるような物件でした。


2階のお部屋から見た眺望


2階のお部屋にあった、作りこまれた収納

キッチンなどの水回りや古くなっている箇所を綺麗にリフォームすれば、奈良好きの女性にとって温かみがあり居心地の良いシェアハウスを実現できる!という気持ちになりました。


リノベーション前のキッチン

ここまで、おおよそ半年かかりました。
ようやく出会えた物件を、私の思いが伝わるシェアハウスへと変身させるべく、リフォームの具体的な内容を次回、お話をしたいと思います。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。

あぁ、よかったいい物件と出会えました!

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