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時代小説アンソロジー<ぬくもり>

時代小説が好きだ。
宮部みゆきさんの時代小説にはまったのがきっかけなので、とくに宮部さんを贔屓にしている。
Wikipediaで確認してみたが、宮部さんの時代小説はシリーズ、ノンシリーズ問わず全部、読了済みだった。
だから、いつも新作が出るのを首を長くして待っている。

しかし、新作はそうそうぽんぽんと出るものではないので、
1)すでに読んだ宮部作品を再読したり
2)宮部作品が収録されているアンソロジーを読んだり
3)新たにお気に入りになってくれそうな面白い書き手を探したりする。
そして、この1)~3)を一度にかなえられるのが、PHP文芸文庫から出ている時代小説傑作選シリーズ(細谷正充編)なのだ。

『はなごよみ』『はらぺこ』『あやかし』『なぞとき』『なさけ』『まんぷく』『ねこだまり』『もののけ』『わらべうた』『いやし』『ふしぎ』『ぬくもり』など、これまでに十冊以上出版されている同シリーズには、いつも必ず一編、宮部みゆきさんのお話が収録されている。

今回は<動物>がテーマの『ぬくもり』を読んだ。

目次
迷い鳩/宮部みゆき
色男、来たる/田牧大和
犬に仏/小松エメル
カチカチ山/櫻部由美子
紅蓮白峯/西條奈加

「迷い鳩」は霊験お初ちゃんが主人公、安定の面白さ。
「色男、来たる」もとても面白かった。「鯖猫長屋 ふしぎ草紙」シリーズから採ったものとのこと。今度「鯖猫長屋」シリーズを最初から読んでみよう。
カチカチ山」も面白かった。本作は書下ろしらしい。櫻部由美子さんという名前を覚えておこう。
紅蓮白峯」も「迷い鳩」同様、既読だが面白い。西條奈加さんは好きな作家さんだ。

編者である細谷氏自身の解説によると、一年に三冊(!!)、第一線で活躍している女性作家の作品を集めて出版しているテーマ別時代小説アンソロジーで、売れ行きは好調とのこと。

近藤史恵さんの『猿若町捕物帳』にもこの時代小説傑作選シリーズで出会った。
売れ行き好調ならばこれからもまだまだ続きそうだし、また宮部みゆきさんの短編をしみじみ味わいつつ、新たな作家さんとも出会いたい。


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