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「ZINE DAY OSAKA vol.10」で買ったもの報告

 文フリ大阪に行ってからというもの、私の中でZINE欲が爆発し続けていて、まだあの時のZINEを読み切ってもいないのに、大阪でZINEに出会える場所を探しに探し、偶然ZINE DAY OSAKAにたどり着いたこの週末。

 このZINE DAY OSAKAは文フリよりももっとカジュアルで、ほんとにフリーマーケットのような雰囲気。しかも調べてみると、ZINEの出店ほかZINEガチャというガチャで当たったZINEが買えるコーナーや、カレーにマフィン、コーヒーのブースなんかもあるらしい。本を売るところでカレー!?という驚きすら楽しい。

 会場は、梅田から北の方に進んだ中津に近いところにある「JAM本店」。あまり行ったことのなかったエリアなので、お散歩がてら尋ねてみることにした。


まずは一周

もうわくわくしてきたな

 到着。また買い過ぎないように、まずは一周見て回る。バイキングと同じ、確立されたメソッドだと思っている。店内はそこまで広いわけではなく、面積の半分はもともとのお店のようなところで、もう半分がZINEの出店スペースになっていた。広くない分、一つひとつのブースがこれでもか!というくらいにテーブルの上に作品やフリーペーパーを広げていて、そのこだわりがうれしい。

 ラインナップは十人十色で、写真のZINEもあれば、絵日記のようなもの、ニッチなテーマの本、雑誌などなどなんでもございといった感じ。事前に告知されていた通り、カレーもマフィンもコーヒーも売っていた。スパイスの香りが遠くまで漂ってくるが、それが不思議と心地よい。コーヒーはあとで絶対飲みたい。

 ブースをいろいろ見て回っていると、外国人の方が多いことに驚いた。ゲストも、出店者もそう。あちらこちらから英語が聞こえてきて、ZINEという(テーマにもよるが)言語の要素が強い文化で交流できるのはおもしろかった。さすがに文字だけのエッセイは難しいかもしれないけれど、たとえば私が写真のZINEを作ったとして、それを外国人の方が買ってくれたりもするのだろうか。そうだとしたら、やってみたいな。

 なにはともあれ無事に一周目(どころか三周くらいした)が終了。めぼしい作品もいくつか見つけたし、出店者の方と少し交流もできた。それではここからがお楽しみ。ワクワクドキドキ購入パートに突入する。

makitaaki『MY HOUSE いままでに住んだ家たち』

地元最強

 びっくりするほど話が合って、話し込んでしまって、作品よりも出店者の方に興味が出てきて買った一冊(もちろん作品も気になっていたけど)。

 なんと、生まれの地元が私とかなり近いところで、今住んでいるところにも縁があり、さらにはWebデザインの仕事をされている中で私が働いている会社と過去に取引したこともあるという、奇跡としか思えない巡り合わせ。この本は、そんなmakitaakiさんの今までに住んだ家の間取りの記録らしく、表紙に輝く「千里ニュータウン」が私たちの地元であり、じゃあもうこれは買うしかないじゃない。と言って買うことにした。

 ZINE制作に興味がありますと私が言うと、じゃあもう作りましょうとmakitaakiさんは即答。図らずとも背中を押してもらう形になった。製本の方法や業者のことまで教えてもらっちゃって。情報もZINEも不思議な縁まで手に入った。

Mayumi Kumagai『-席-SEKI-』

イラストの感じも好き

 エッセイがあまりないな〜と思っていた矢先に見つけた一冊なので、迷うことなく、おそらく作者さんはいらっしゃらなかった?から、スタッフの方から購入した。

 内容は、小学生のころのエピソードが綴られているエッセイだった。一人ずつ思い出すようにして書かれているところに愛を感じる。私は、こんなにも昔のことを思い出せるだろうか。自信がない。もしかしたらこの本を読み進めているうちに、「そんなやついたな〜」とか言って、普段使っていない脳の部分が刺激されるかもしれないと、少し期待している。

坊野美絵『うつつをぬかす』

なにこの絶妙な写真〜

 小豆島在住の坊野美絵さんによる初ZINEらしい。小豆島には、昨年に会社の同期と旅行で行っていて、それ以上に縁があるわけでもないのになんだか親近感を覚えていた。

 ぱらぱらと開いて目についた「トーストの切り目問題」。表紙からはもっと自然に密着したようなZINEを想像していたけれど、それよりも生活感のある内容でもpのすごく好みだった。いただいたフリーペーパーを読んでみたところ、普段はライターとして取材をしているが、今回は自分のことを書いてみることにしたそう。なるほど。

Yu Hirose『jinen』

きれいな青は正義

 青い表紙に吸い寄せられるような感覚で手を取った写真のZINE。波の青がきれい。ブースに立つYu Hiroseさんは首からカメラを下げていて、このカメラで撮られた写真なのかもと想像してみたりする。ZINEの中では珍しくカバー付きの製本で、なんだか「本」という感じがした。

 写真は青みがかった色合いとふんわりやわらかい質感が特徴的で、あかるいのにくらい。まるで水中で見る映画のようで、不思議な距離感と魅力がある。少しYu Hiroseさんと話をしてみると、なんと私と同い年らしい。111月の下旬から京都で写真の展示会をされるらしく、会場の喫茶ヒトクチヤもよさそうだったので、ぜひ行ってみようと思う。

OKESADO COFFEE

ひさびさのハンドドリップ

 佐渡の山間部にあるコーヒー焙煎所が、まさかの大阪出張。初めから気になってはいたのだけれど、ZINEを買い終わってから注文しようと思い、最後までとっておいた。もともと大阪で本の編集をされていた店主さんが、なんの縁か佐渡に移ることになったらしい。コーヒーといっしょにZINEも販売されていて、まさに店主さんの人生が出ているように思えた。

 二種類あった豆のうち、インドネシアの方のホットコーヒーを注文。バランスが取れていて華やかだというグアテマラもよさそうだけれど、飲んだことがないマンデリンが気になる。豆を目の前で挽いてもらい、ハンドドリップでコーヒーが淹れられていく。店主さんによるとコーヒーにとっては豆以上に水が重要だそうで、わざわざ佐渡から水を持って来られていた。すごいこだわり。佐渡の水で淹れてもらったコーヒーは、舌触りがまろやかでおいしかった。

帰り道

キリンかわいい

 一通りZINE DAYを楽しんで、いろんな人とお話をして、会場を後にした。せっかく中津の方まで来ていたので、しばらくぷらぷらお散歩をしてまわる。細い路地に入ってみたり、買ったマフィンをベンチで食べたり、古本屋をのぞいてみたり。

 中津商店街の方まで進んだところで、香辛料のいい香りに導かれて「人空間」というヴィーガン料理店に入ってみた。料理は感激するくらいおいしかった。店員さんと常連さんとは話が合い、ZINE DAYで「人と話すモード」に入っていたからか、お店で一時間半くらい店員さんと常連さんと三人で話し込んでしまった。いい週末でした。



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白川侑
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