17:わたしよりさきに死なないで

いつかきみに会えなくなっちゃうんだと気づいて死にたくなった。 だからわたし60歳くらいまで生きてそしたら死ぬ予定だから65歳までは生きててねって言った。ひとりになるのが怖くなってわたしの世界からきみという存在がいなくなることが信じられなくて我儘を零した。だけど一緒に死んでとは言えなかった。ふたりを繋ぐのは曖昧な関係でこの先ずっと一緒にいられる未来なんてないって知っているから。最期に隣にきみがいなくても世界のどこかにいればわかるよ。それだけで大丈夫。わたしの光。特別。きみの腕の中で眠ったふりをしたこと、きみは気付いてたのかな。その時きみはどんな顔をしてわたしをみてた?忘れないで。わたしよりずっとずっとずぅっと大人なきみは、死なないでって言っても笑ってわかったよって言ってくれる気がした。

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