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東海道 復路18 江尻宿→吉原宿

31年前、卒業旅行で東海道を江戸日本橋から京三条大橋まで歩いたので、今回は江戸に向けて歩きます。
調べたところ、大坂高麗橋が起点の様なので少し長めの、東海道"五十七次"の独り珍道中を始めます。


23.02.26

1.江尻宿

本日の朝食
お世話になった宿
しらす漁が終了し熊吉は冬眠へ
街道の風景
遂に霊峰富士が

宿を出て約15分、真っ白に雪化粧をした霊峰富士が顔を覗かせています。
昨日は冷たい風が吹きつけ、夕暮れの東の空が真っ黒な雲に覆われていましたので、結構な量の雪が降ったのでしょうね。
東海道を西から歩いてようやく拝む事が出来て感激!

和菓子 みのや総本舗
清水郵便局
国道1号に合流
細井の松原
細井の松原 説明看板
清水袖師郵便局
細長い古民家

細長い古民家。
往時の区割りが美しく残されていて、萌えます。
街道仲間で盛り上がった"街道萌え"をご紹介します。

▽道路編
桝形 鍵の手 丁子路 Y字路
追分 畷 緩S字曲線 坂道
など

▽構造物編
一里塚 道祖神 辻地蔵 馬頭観音
庚申塔 区割り 茅葺き屋根
うだつ なまこ壁 蔵 長屋門
社寺 城郭 常夜灯
など

▽商店編
酒屋 米屋 茶屋 蕎麦屋 呉服屋
床屋 乾物屋 
など

▽自然編
桜 紅葉 松並木 杉並木 大樹
霊峰 大河 朝陽 夕陽
など


沢野茶店
桜えび するが
延命地蔵
清水横砂郵便局
庵原川下流

桜えび販売店、茶葉販売店、この地域独特の産品を販売する商店が増えてきました。ちょっとした気づきは、時速4kmで進む街道歩きの醍醐味です。

2.興津宿

国道1号から右に入ります
延命地蔵
延命地蔵 説明看板
街道の風景
お城の様な家
希少 ナショナルのロゴ
坐漁荘
坐漁荘 説明看板

延命地蔵。
説明書を読むと、

「病は治せるが寿命は延ばせない」との無理なお願いを叶えてくれる。

と書いてあります。当時は寿命が50年位、今は100年になろうとして、昔ほど延命を求める人がいない様な気がしました。
その年齢に近付かないとわかりませんが、100年までも生きる実感がまだ湧いてきません。

東海道薬局 いい名前
清見寺
清見寺 説明看板
早咲き桜と東海道本線

桜と踏切と鉄道と青空、絵になりますね!

興津の歴史 説明看板
興津の観光 説明看板
西本陣址
和菓子 潮屋
興津宿 案内板
興津宿の由来

街道を歩いていると、海辺の宿場町は希少です。
恐らく大きな宿場町は埋め立て地が海を遠ざけているからかもしれません。
興津宿はどことなく三国街道の寺泊宿に似ていました。

露店みかん
露店みかん
澤端川橋
露店みかん

露店みかんの遭遇頻度が、ググッと増してきました。
みかんの産地のど真ん中に入ってきた事が実感できます。

牛乳箱と一里塚跡石碑
身延道入口

身延道入口。
街道歩きの先輩が昨年夏に歩いた際に、山道を進むと通行止めで折り返す、苦行の旅であったと、嬉しそうに語っていました。
歩いてみたい道の一つです。

宗像神社
洋菓子 LAUSANNE
興津郵便局
ENEOS 興津 SS
露店みかん
興津川下流
興津川上流

進行方向右手が駿河湾。
川を渡る度に眺められるか期待しますが、国道1号に阻まれます。
あぁ、海を見て深呼吸したい!

3.薩埵峠

薩埵峠 説明看板
川越遺跡 説明看板

さぁさぁさぁさぁ
薩埵峠に入ります!
東海道のクライマックス、もう楽しみで仕方ありません。

薩埵峠標示
魚徳 鮮魚店の角打ち

魚徳商店、なんと鮮魚店で酒が飲めるなんて、天国ですね!
さすがにまだ朝なので我慢して、今度東から歩く時は、夕方に到着出来るように調整したいものです。
この店で飲むために歩いても良いかもしれません。

消火栓
街道の風景
街道の風景
露店みかん
秋葉山常夜灯
露店みかん

魚徳商店を出てからは、峠道に入る前の、街道の独特な風景が楽しめました。道が細くなり少し寂しげな雰囲気、中山道の妻籠宿を出て馬籠峠に入る手前に似ています。

舞台
舞台 説明看板
殿入
殿入 説明看板
竹林とあおぞら

峠道を楽しめると思っていたら、区画整理された、真っ直ぐな道をひたすら昇り、墓地を抜けてからようやく峠道に入ります。

駿河湾
薩埵峠
薩埵峠の歴史

少し歩くと右手に駿河湾が。
国道1号に阻まれていた海原を遂に拝む事が出来ました。
大きく深呼吸してから、東に進むと3分くらいで薩埵峠に到着。

相模湾と富士山

うわぁ…
もう言葉になりません。
しばらく腰をおろし拝ませて頂きました。

早咲きの桜と富士山
早咲きの桜と富士山

感動の余韻を残し30秒くらい歩くと、
なんと早咲きの桜が満開。
更に絶句。
死ぬ前にもう一度見ておきたい風景リスト、第1号が私の脳裏に登録れました。

白梅と富士山
きらきらと輝く駿河湾

富士山と駿河湾を眺めながらの峠道歩き、途中崖崩れで迂回路を進む事になりますが、大大大満足の薩埵峠でした。

荷物運搬用ロープウェイ 終点
荷物運搬用ロープウェイ 始点

みかんを運ぶと思われるロープウェイが、乗りたいです。

由比地すべり対策事業
みかんと街道
愛車とパチリ
道標とバイクと富士山

ライダーの方が愛車と富士山を撮影してます。
隣でどんなアングルになるか、道標も一緒に撮影してみました

地すべり対策工事現場
みかん畑のトンネル
街道と富士山

みかん畑のトンネルを抜けて、徐々に標高か下がってきます。
先程まで目線と同じ高さだった富士山が、見上げる高さになってきました。

4.由比宿

由比宿の街並み
一里塚跡
一里塚 説明看板
明治天皇ご小休 柏屋
柏屋 説明看板

由比宿はごく自然に街道の街並みが残っている感じで、観光地化されておらず、空き家が多いわけでもなく、ごく自然に住民が暮らしています。

街道の風景
脇道
街道と富士山
松と竹と青空

軒先の間から富士山が拝められたりして、なんとも贅沢な眺めの街並みでした。

露店みかん
鞍佐里神社
鞍佐里神社 説明看板
サイクリスト
露店みかん
露店みかん
八坂神社

結構な頻度で露店みかんが販売されてます。一袋100円が高いのか安いのかもわからなくなってきました。

露店みかん
街道と富士山
あかりの博物館
四線競演 これぞ交通の要衝

東名高速・国道1号・東海道本線・旧東海道、東海道新幹線以外の四線が隙間なく並んでます!

小池邸
小池邸 説明看板
時計付掲示板

この現役時計台付掲示板は、昭和5年の設置、時計は今も正確に時を刻んでます。

街道の風景
桜えび焼のり 宮原商店
由比桜えび通り

由比桜えび通り。
それにしても大きな桜えびですね。

桜えびしらす かくまち岩松商店
桜えびしらす 昭和丸
ヤマボシ鮮魚店
街道の風景
桜えび 望仙
桜えびしらす 渡辺忠夫商店

桜えびの店だらけ、オフシーズンのようですが冷凍で販売したり、工夫をしてます。
桜えびの漁業の営業許可が認可されているのは静岡県のみ。保護のために春漁は3月中旬~6月初旬、秋漁は10月下旬~12月下旬に限られています。

露店みかん
桜えび しらす カネホシ食品
和菓子 桃林堂
豊積神社 参道
桜えびしらす 渡辺忠夫商店
桜えび 原藤商店
加工場にはえびらしき姿が
桜えび ”しずまえ”鮮魚 牧野商店

”しずまえ”とは、静岡市清水区蒲原から駿河区石部の沿岸地域。しらすや桜えびのほか、真鯛・さば・あじ・かますなど豊富な魚が獲れる漁場です。

和菓子 春埜製菓
露店みかん
料理茶屋 民宿玉鉾
由比川
由比川橋
街道の風景
由比宿案内板
由比宿西木戸 説明看板

街道の向こうから、買い物袋を持った家族連れが大勢歩いてきます。
地域のお祭りで物産品を売っている感じ、いいですね!

桜えび 吉岡商店
清水銀行由比支店本町特別出張所
清水銀行由比支店 説明看板
和菓子 松風堂
本陣跡

立派な本陣跡。
石垣付の本陣跡は珍しいです。

露店みかん
馬の水呑馬
馬の水呑場 説明看板
馬の水呑場の亀

馬の水呑み場では亀が甲羅干し中。
この場所で馬が水を呑んでいた光景を想像するだけで、興奮してきます。

正雪紺屋
正雪紺屋 説明看板
由比本陣跡
由比本陣の沿革
広重美術館

広重美術館。
生い立ち・生き様・独創的な作風、楽しませて頂きました。凄い人ですね。

自宅の近所にある赤山街道を歩いていた時に、広重のお墓に遭遇しました。
詳しいレポートは↓


イベントもみかんだらけ
静岡市自主運行バス停留所
街道の風景
御七里役所之趾
露店みかん
露店みかん
桝形
桝形 説明看板
由比新町の一里塚
由比新町の一里塚 説明看板
鯵岡酒店
神沢川酒造場

宿場町の東端には神沢川酒造。
終わってみれば、由比宿は街道の醍醐味がほぼ揃っていました。

5.蒲原宿

露店梅干し
桜えび しらす 宮原商店
三芳食堂
いただきます

三芳食堂。
お店の看板が街道沿いにあったものの、場所が路地裏で5分くらい探して辿り着いたお店。とても美味しく、ラーメン以外も全てが美味しそうで、半分くらいのお客さんがオムライスを注文しておりました。

イルカスマシ 秋田屋
いるかすまし

”イルカすまし”は、イルカの背びれ尾びれの薄切りの塩漬け、噛むのが大変で蒲原ゴムと呼ばれています。買おうと店内に入りましたが、持ち歩いていると傷みそうなので断念。珍しい料理ですね。

街道の風景
桜えび ヤママル本店
ようこそ かんばら
街道の風景
ブランコがある小林医院
酒屋のピザ?

ヤマダ酒屋。
昼は店内カウンターにて焼きたてピザが、夜はワインバーになり酒屋ならではの価格で飲み比べも可能。行きたいです!

和歌宮神社参道
和歌宮神社社殿

唐破風の銅板屋根が印象的です。
時間がなくなってきたので、近くまで行けず…

洋菓子 ひまわり
鍵の手
美しい格子戸の家
美しい格子戸の家 説明看板
露店みかん
志田家住宅地主屋
志田家住宅地主屋 説明看板
旧五十嵐歯科医院
旧五十嵐歯科医院 説明看板
蒲原郵便局
手づくりガラスと総欅の家
手づくりガラスと総欅の家 説明看板
本陣跡
本陣跡 説明看板
旅籠和泉屋
旅籠和泉屋 説明看板
パン 清美軒
桝形跡
蒲原宿石碑
広重 蒲原夜之雪

広重 蒲原夜之雪。
想像で雪を描いたと言われる作品。この想像力があってこその広重、江戸時代のCGクリエイターですね!

大沼茶舗
塗り家造り
塗り家造りの家 説明看板
なまこ壁の家
なまこ壁の家 説明看板
なまこ壁の郵便受 かわいい
露店みかん
露店みかん
蒲原宿の案内
渡邊家土蔵
渡邊家土蔵 説明看板
日本軽金属 富士川第二発電所

水力発電所が突然現れます。
この段丘の上に発電出来る量の豊富な水源があるのですね。

希少な雪印牛乳の看板
桝形と東木戸
東木戸 説明看板
諏訪神社参道
諏訪神社 説明看板
諏訪神社 鳥居
諏訪神社 社殿
社殿から振り返る
ENEOS 蒲原 SS
蒲原一里塚
蒲原一里塚 説明看板
急な坂を昇ります
露店みかん
街道を振り返る

坂を昇りきって振り返ると海がある。
素敵な風景ですね。
何度も振り返っては眺める、を繰り返してました。

東名高速と富士山
常夜灯
東海道新幹線
東海道新幹線地下道

東海道新幹線に寸断され、街道の原型をとどめていない道を進みます。
さぁあと少しで一里塚。

6.間の宿岩渕

和菓子 ツル家
消火栓
岩渕の一里塚 両塚
岩渕の一里塚 説明看板
岩渕の一里塚

立派な一里塚です。
両塚が丁寧に残されており、岩渕地域の街道愛が感じられます。

東海道ルネッサンス
八坂神社
八坂神社 説明看板

なんと、江戸時代から12年に一度、岩渕鳥居講富士山頂に鳥居を奉納しているそうです。
以前富士山登山した時に、山頂付近に鳥居がありましたが、そのどれかだったのですね。

街道と一里塚をふり返る
間の宿岩渕 説明看板
街道の風景
旧小休本陣
旧小休本陣 説明看板
富士山と歩く
桝形
富士川が見えてきました

往時の旅人たちも、この地で富士川越えの前に、丘の上から富士山を眺めながら、小休止をしていたことと思われます。

7.富士川

上から眺める富士川橋
富士川橋
富士川上流
富士川と富士山
富士山の溶岩

富士川を渡り切る手前の上流の河川敷に、富士山から流れ出たと思われ溶岩流が残っていました。なかなかの迫力で、噴火の凄まじさを窺い知ることができます。

水神社
水神の森と富士川渡船場 説明看板
渡船場跡 富士山道 石碑
謎の給水タンク
水神社社殿
おすい

水神社の中に、富士山道の石碑がありました。
往時から富士山には多くの方々が昇っていたのですね。

道標 左東海道
JR身延線
柚木区公会堂

富士川から離れていたはずなのに、左側に大きな堤防がみえてきました。
道を間違えたのかと調べていると、日本三大急流である富士川の洪水対策用の堤防である事が判明。堤防の名前は雁堤(かりがねつつみ)。堤の形状が雁が連なって飛ぶ形に似ていることからで、全長は2.7kmもあります。

8.間の宿本市場

県道から左に入ります
水路
岩松北地区コミュニティバス
稲荷神社
水路
洋菓子 ランジェラ
水路

富士川流域は水が豊富なのでしょう。街中には多くの水路がサラサラと流れています。

道祖神
富士本町商店街と富士山
ミシュラン
王子マテリア 富士工場
ひまわり富士駅循環バス停留所
ぐるっとふじバス停留所
ベーカリー One Hundred Bakery
見よう 歩こう 東海道
クラシックカメラ LOOK

クラシックカメラ専門店、中を覗くと、マニアックな雰囲気と活気に満ち溢れてました。看板には"国産金属製マニュアルカメラ"と素晴らしいキャッチコピーが。カメラは詳しくありませんが心惹かれます。

鶴芝の碑と街道
鶴芝の碑 説明看板
鶴芝の碑
川原宿の単体道祖神
富安橋
潤井川

富安橋の前方奥に、夕陽を浴びて赤々と輝く山々が箱根だと思われます。
あの山を越えると考えると、心身共に引き締まってきました。

来週末は富士山サイクルロードレース
夕陽を浴び茜色の富士山
洋菓子 佐野菓子店

吉原宿にあと少しの所で前方から自転車で来たご婦人が、突然ブレーキをかけて私の前に停車。昨年夏に三国街道を歩いた際に、後ろから自動車が追い越して停車して、降りてきたご婦人から宗教団体の勧誘を受けた事を思い出し、身構えていたら違いました。

開口一番、
「ようそ富士市に来てくださいました!東海道を歩かれているのですよね、私観光ガイドをやっており、本来ならご案内したい所ですが、陽が沈みそうなので、感謝の言葉を伝えさせてください!」

と言った感じで、4日間の旅の最後に元気をいただきました!

9.吉原宿

富士山
街道の風景
花かつを煮ぼし 甲田商店
和菓子 たむら屋

一気に陽が沈んできます。
夕暮れからの西の空の彩りが美しく変化するマジックアワーに、富士山はどの様な彩りの変化を見せるのか、楽しみに歩きます。

街道の風景
吉原宿 説明看板
和菓子 南岳堂
和菓子 中山
和菓子 和田屋
天神社参道
街道を振り返る
吉原本町駅ホーム
吉原本町駅
見よう歩こう富士市の東海道
吉原本町駅 近隣案内

吉原本町駅。
4日間でヘルスメーター上では150km近く歩いており、クタクタで鉄の馬車と呼ばれる、電車に乗る誘惑に負けそうになりましたが、あと一里で東海道本線の吉原駅。
暮れなずむ富士山を眺めながら、頑張ります!

蒼色に沈む富士山
ENEOS 吉原セントラル SS
闇に染まる前の富士山
道標
富士依田橋郵便局
名勝左富士 標柱

左富士は暗くてもう見えません。
京から歩いてきたので右富士ですけどね。

富士急静岡バス停留所
名勝 左富士
左富士神社

左富士神社。
神社の名前になるって、左富士ブランドは強い。

東海道新幹線
名残り松
沼川

ちょっとした工場夜景が楽しめました。

吉原駅
東海道本線

吉原駅から乗った東海道本線のラインカラーを見てください。橙色はみかん、緑色はお茶、街道歩きで1番目にした光景でした。
さぁ、次回は再来週。箱根超えです!

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