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大山道 矢倉沢往還6 足柄→沼津〔完〕

大山道を歩こうと調べていると、東海道の脇往還と同じルートで、矢倉沢往還と呼ばれ沼津宿まで続いていた事が発覚。山岳信仰よりも街道信仰が厚い私は、大山よりも沼津を目指したくなってきました。どちらを目指すか、夫婦で歩きながら終点を考えることにします。

2024.05.19

1.足柄

客室からの眺め
お世話になった宿泊施設

昨夜は100名近くの、訪日外国人観光客が宿泊しておりました。
本当にみなさん楽しそうに過ごしており、庭で富士山を撮影している姿を見ていると、こっちが幸せになって来ます。

(昨夜のホテル庭園)

富士山を撮影している人々は全員が外国人観光客です。
この風景は日本人でも感動しますよね。

(昨夜のホテル夕食会場)

夕食会場に写っている人々も全員が外国人観光客で、日本人は私たち夫婦だけ。
マナーが悪い人がいるわけでもなく、みんな楽しそうに食べて飲んでました。

昨今のニュースは、オーバーツーリズムばかり取り上げてますが、貿易黒字額換算にすると、自動車・半導体に次ぐのが、訪日外国人観光客の国内消費額。

貿易は船などで製品を運んで輸出しますが、訪日外国人観光客は自力ではるばる日本までやってきて、お金を落としてくださる、もっと感謝して大切にしないとダメだと思います。

マスコミの皆さんはグローバルな視線で報道して欲しいと、観光産業で働く私は切に感じております。

有闘坂一里塚
有闘坂一里塚 説明看板
富士山
FujiQモビリティバス停留所
富士山バス停留所
上横山遺跡
上横山遺跡 説明看板
日立ハイテクサイエンス
東名高速道路
御殿場市に入ります
馬頭観音

この付近は、高速道路や工場や倉庫があり、街道らしさが殆ど残っていません。
新緑や自然を楽しみながら歩きます。

美しい森
街道の風景
水田
御厨の古道の看板
富士山が見えてきました
南無阿弥陀仏の石碑

富士山を拝みながら歩ける幸せ。
歩きながらの富士山遥拝は、甲州道中や東海道で経験しましたが、街道筋の真っ正面に富士山を長時間にわたり拝める街道は、矢倉沢往還と、まだ歩いてませんが身延道くらいだと思われます。

街道と富士山
水田逆さ富士
アカツメクサと街道
牛馬頭観世音と水田

水田逆さ富士。
田植え前後の1~2週間の、水田に映る景色は絶景になります。
心にに残る、水田に映る美しい景色を3つ紹介します。

日光例幣使道
杉並木に入った辺りで、ちょうど水を張り終えて、これから田植えをする瞬間の赤いトラクターを写しました。

(2022.04.23 日光例幣使道 栃木県日光市)

日光例幣使道を歩いた時の記録はこちら↓


水戸街道
どんよりとした雲のもと、水田の向こうにポッカリと浮かぶ樹々、まるで松島湾に浮かぶ小さな島の様でした。

(2022.05.14 水戸街道 茨城県取手市)

水戸街道を歩いた時の記録はこちら↓


日光御成道
日光街道の復路、最初から最後までほぼ東武日光線と並走、何度も水田に映る東武電車を目にしました。

(2023.05.03 日光御成道 埼玉県幸手市)

日光御成道を歩いた時の記録はこちら↓


荒井園
街道の風景
桝形?
石碑
抜川橋

正面に見えていた富士山が、徐々に右側に移動していきます。
街道歩きで、山の位置を目印に歩いていると、進む速度はゆっくりなのですが、山の位置がいつの間にか隣に来ていたりすると、歩みの成果を実感します。


2.御殿場宿

昔の時計屋のポスター
山中兵右衛門商店跡地
山中兵右衛門商店跡地 説明看板
富士山の湧水
狸の置き物
街道の風景
セブンイレブンと富士山

富士山が背後に見えるローソンが、訪日外国人観光客に人気で、歩道に黒幕を張って話題になっています。

ローソンでないとダメみたいで、日本人にはその辺の感覚が理解できません。
同じ地球上に暮らす人類でも、こんなに好みが違うのかと痛感します。

浅間神社
二枚橋地区コミュニティセンター
二枚橋
鮎沢川
御殿場市役所

二枚橋。
いい感じの名前の橋、この付近の地名になっており、商店や施設にその名が使われています。
由来を調べましたが出てきません、気になりますね。

道祖神
御殿場郵便局
交差点で右を振り向いた風景
松乃寿司
秋葉神社
美しい街道曲線
お茶 小野園

静岡県に入ったからか、立派なお茶屋さんがあります。

新橋浅間神社
大きな花屋さん
ベーカリー ベッグファン
和菓子 雅心苑
居酒屋 にく友
洋菓子 チーズピゲ
街道の風景


3.永原大神宮

永原大神宮
拝殿
水に関する説明
永原大神宮 由来

永原大神宮。
社殿の建築様式は神明造、伊勢神宮の建物の形に似た独特な形をした横長の拝殿。
神明造の建物の特徴は、穀物を納めていた高床倉庫が、神宝を納める社殿にに変化したと考えられています。

街道沿いにあった神明造の神社、滅多にお目に描かれないので印象に残っており、記憶にある限りでは3つありましたので紹介します。


船橋大神宮

(2022.06.25 成田街道 船橋宿 船橋大神宮)

蝉が鳴き始めた頃、杜の中に静寂の空間が広がっていました。感染症対策で正式参拝者以外は入れず、また訪れてみたい場所です。
船橋大神宮を歩いた時の記録はこちら↓


熱田神宮

(2022.12.28 東海道 宮宿 熱田神宮)

師走の終わりの熱田神宮は、新年の準備の真っ最中。年末のお礼参りの方々が、静かにお参りをしていました。
熱田神宮を歩いた時の記録はこちら↓


洲崎大神

(2023.03.21 東海道 神奈川宿 洲崎大神)

洲崎大神の目の前は、その名の通りかつては海でした。境内から見下ろす鳥居の先に海があった、往時の風景を想像して暫く佇んでいました。
参拝した後に、街道歩きのバイブル、山と渓谷社の"ちゃんと歩けるシリーズ"の著者八木牧夫さんの事務所に立ち寄りました。洲崎大神を歩いた時の記録はこちら↓


本日の朝食
姫風露
樹齢300年 大樹の年輪
鳥の巣

本日の朝食は神社の境内で。
心が落ち着く時間でした。

永原追分と南無阿弥陀の塔
ENEOS 御殿場SS
杉並木
道の真ん中に駐車場
ファミマと富士山


4.竈

竈 地名由来

この付近は、御殿場市竈地区。
源頼朝がいい国を作った翌年の1193年に、富士に巻狩りに来た際に、この地で飯を炊く竈を築いたことが地名の由来。
ちなみに巻狩りとは、遊興と軍事訓練を兼ねて、鹿や猪を狩る行事のことです。

カマド踏切
諏訪神社
諏訪神社 鳥居

諏訪神社の参道は、第四種踏切と呼ばれる無人の踏切があります。第四種踏切とは、列車の接近を知らせる装置や遮断機が無い踏切。
鳥居と踏切と鉄道の写真が、撮影家に人気だとこの後出会ったご近所の人が仰ってました。

南無阿弥陀石碑
六地蔵と御殿場線と富士山

六地蔵を眺めていたら、今日が戦没した叔父の命日で、墓参りに行かれる方とお話しをしました。あと3ヶ月で終戦という時期に命を落とす、悔やんでも悔やみきれないですね。

その方が、かつて蒸気機関車が走っていた頃、この付近には駅が無く、坂道をゆっくり走っていたので、近所の人は列車から飛び降りていたそうです。昭和の風景ですね。

竈報徳会館
街道の風景

街道は緩やかなくだり坂がずっと続いてます。勝手にスピードが出るので、楽と言えば楽です。

防火用道具
茶畑と水田
田植え

手で田植えをしているのでしょうか?
気のせいか、手で植えているように見える水田が多く感じます。

上から見た石碑
庚申塔
白い石碑群
街道の風景
蜂の巣?虫こぶ?

家内と歩くと、私と全く違う野生的な視野で様々な動植物を発見します。
葉っぱの裏についたまま越冬した蝉の抜け殻や、葉を丸めたブクログモの巣など。

今回発見したのは、薄茶色の土の様な固まり。触ると硬くて、家内が分解しようとしていたので、危ないのでやめさせました、何なんでしょうね。


5.黄瀬川

富士岡公園
新礼聖橋
新礼聖橋 説明看板
黄瀬川
山神社
拝殿
年末限定の店 しめ縄飾り かねくら
石碑石仏群
石碑石仏群 説明看板

石碑石仏群の説明看板。
こんなに丁寧な石碑石仏群の説明看板は、初めて見ました。

白壁の蔵
黄瀬川
神山の髙橋
神山の髙橋 説明看板

神山の髙橋。
橋を作った職人が、大切な"のみ"を川に落としてしまい、拾いに行ったらそこにはお姫様が…といった、竜宮城の様なお伽話があったそうです。

街道の風景
手植えの様に見える水田
黄瀬川と富士山

黄瀬川の力強い流れに、元気をもらいながら歩いてきた気がします。
川の彼方の富士山の上に雲がかかってきて、今にも降り出しそうな雲行きです。


6.裾野

尾尻地区コミュニティ併用施設
裾野市に入ります
茶畑と街道
ふり返ると結構下ってます
御殿場線
駅前ビル

御殿場線岩波駅の駅前ビル。
なかなかの味わいと佇まい。長くに渡り駅前を見守ってきたのでしょうね。

南無阿弥陀の石碑
オスプレイ NO!
ENEOS 岩波 SS
東京から113km
立派な門の家
街道と裾野

上の画像の右から左に、深緑色の水平線の様に見えるのが、愛鷹山裾野の稜線。
今歩いている場所は裾野市、山々の裾野が伸びてきてます。

畦道
赤子神社
イソヒヨドリ

イソヒヨドリ。
鮮やかな水色の鳥、この色の組合せを見るとカワセミを思い出します。

赤子神社鳥居と参道

赤子神社の参道は桜並木。
桜の時期は富士山を背景に美しく咲きそうです。

ENEOS 裾野SS        
石仏群
南無阿弥陀仏の石碑
傾いた石碑
黒長屋門
常夜灯
大神宮
大神宮由来
ゆるキャラ

大神宮の倉庫にゆるキャラの絵が。
ここは裾野市なので、裾がデザインされているのでしょう。


7.佐野上宿

山頂には雲がかかってきました
マンション鯉のぼり群
長屋門
佐野上宿交差点
ナマコ壁の蔵
県道から右に入ります

交差点の表示は佐野上宿。
近くに長屋門やナマコ壁の蔵など、名残と思われる建物が残っています。

裾野高校の美しい生垣
合鴨農法
イヌマキの生垣

イヌマキの生垣を見ると、静岡県に来たなぁと実感します。
特に多いのが浜名湖周辺、温暖でありながら冬は強風が吹くためで、農作物や住居を守るために、見た事がないくらいの長さの生垣があります。

(2023.01.09 姫街道 浜松市北区)
(2023.01.09 姫街道 浜松市北区)
(2023.01.09 姫街道 浜松市北区)

イヌマキの生垣がたくさん残っていた、浜名湖北側の姫街道を歩いた時の記録はこちら↓


ENEOS 裾野 SS
蔦の家
裾野市役所前郵便局
本日の昼食会場

お店に入ると、ご主人が調理で奥様がホール。小さな娘さんがテーブルでゲームをしていて、私たちが入るとお母さんに、カウンターに行きなさいと尻を叩かれてしぶしぶ移動。

いただきます

その後祖父母と思われる年代のご夫婦がキャベツを差し入れに来て、カウンターでにいる小さな娘さんとお話ししながら、ビールを飲んでます。
なんともいえない微笑ましい光景にホッコリ、いいランチタイムでした。

行列の出来る天ぷら屋
遠州屋茶舗
街道の風景
庚申塔
長泉町に入りました
ENEOS長泉なめり SS
おすいマンホール
長泉なめり駅

なめり、漢字で書くと納米里。
素敵な地名なので漢字で勝負しても良いのにと、勝手に思ってしまいます。

長泉なめり郵便局
ローストチキン ローカル 看板
ローストチキン ローカル 店舗
健康公園 立派です
長泉町コミュニティバス停留所
沼津まで6km
長泉町商工会館
日本初の流れ鮨
御殿場線と街道
松並木
東海道新幹線
ベーカリー 27 LAYERS
御殿場街道
本宿交差点
新寿橋
黄瀬川

黄瀬川ともお別れです。


8.沼津

沼津市に入りました
ビワと街道
飛び出す自動車看板
御殿場線 天理教踏切
街道の風景
東海道本線 箱根裏街道踏切

箱根裏街道踏切。
今回歩いてきた街道、様々な呼び方がありました。

大山道、矢倉沢往還、足柄古道、御厨の古道、御殿場街道、箱根裏街道。

その中でも一番インパクトがあったのが最後の箱根裏街道。
富士山噴火までは、矢倉沢往還が幹線だったはずですが、皮肉なものですね。

東海道本線 江戸方面
東海道本線 京方面
沼津大岡郵便局
石碑
終点まであと僅か
終点

呆気なく東海道に合流、追分の様な何の目印もなく微妙な達成感です。

東海道 京方面
東海道本線 江戸方面
矢倉沢往還をふり返る
沼津登山東海バス停留所
記念写真

昨年秋に東京赤坂を出立、途中家内が脚を痛め中断。その間は、長崎街道と陸前浜街道を一人で歩いてきました。

家内は、足の痛みが残るもののトライアルで歩いてみたい、という事になり二日間の足柄峠越え50km、全然トライアルではありませんでしたが、足柄の自然に癒され目的地に到着。

お疲れ様でした!

沼津駅
駅前広場

上の画像左側の白いビル、大切に保存したら、昭和建築の重要文化財になりそうですね。

東海道本線
黒船電車
雅心苑のだんこ 旨し!
旅のお供

沼津駅前の百貨店で、旬の桜エビと沼津の高嶋酒造の銘酒"白隠正宗“を入手。
白隠正宗は東海道原宿にあり、往時はこの様に言われていました。

「駿河には過ぎたるものが二つあり 富士のお山に原の白隠」

白隠正宗が富士山と同等とは凄いことですね。

その高嶋酒造が東海道沿いにありましたので紹介します。

(2023.03.11 東海道 原宿)
(2023.03.11 東海道 原宿)

酒蔵の隣では市民に富士山の湧水を開放しておりましたが、歩いた時は感染症対策で頂くことができませんでした。

(2023.03.11 東海道 原宿)
(2023.03.11 東海道 原宿)

東海道原宿を歩いた時の記録はこちら↓


さて、次の街道歩きは暑さとの戦いになります。
今年の夏は、美濃路・伊勢参宮道・善光寺参宮道・北陸街道、中部エリアを縦横無尽に単独行軍の予定です。

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