日光例幣使道・日光壬生道5 鹿沼宿→今市宿
日光例幣使道とは1647年から221年間、朝廷の勅使が京から日光まで、徳川家康の法要の為に通った道。
中山道・倉賀野宿から日光道中・今市宿まで、日光壬生道を経由し三十一里十丁118.2km、勅使の気持ちになって歩いてみます。
2022.04.23
1.スタート地点まで
本日で例幣使道も最終日。ホッとするような寂しいような、複雑な心境の中スタート地点に向かいます。
最寄駅の近くには中山道、乗換え駅の近くには日光道中、が通ってます。
途中地平の彼方から、気球が次へと昇ってきます。会場の渡良瀬遊水地は東京ドーム700個分の日本最大の遊水池です、本当らこの時期にバルーンレースがあるのですが、延期になってます。練習しているのでしょうかね。
2.鹿沼宿
木のまち鹿沼。材木を積載したトラックを、何度も見ました。さすがです、地名も材木町!
3.彫刻屋台
彫刻屋台という木彫りの山車が出る祭り「鹿沼今宮神社祭の屋台行事」は、2016年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。
日光東照宮建立に携わった木彫職人が、鹿沼で腕を振るった影響が、彫刻屋台以外にも、社寺などに多く残されてます。
神社の装飾の木彫りのレベルが違います。街中では彫刻屋台の車輪を造っている木工所がありました。
街中の小さな神社の本殿にも、見事な木彫が施されてます。
この街の職人さんたちは、木を見たら彫らずにはいられなかったのでしょうね。
4.材木のまち
塩なめ地蔵。
正式名称は延命地蔵。塩を献じて願い事をすると、ご利益があるといわれてます。
御成橋。
例幣使道は、楡木宿からは日光壬生道を歩いてます。この道は江戸から東照宮に向かう近道なので、将軍が歩いたので、御成橋と呼ばれているのでしょうね。
成田山。
階段を見ると登らずにはいられません。
眺めは絶景で、男体山が雲の上から見護ってくださってます。
晴れていると筑波山や富士山も眺めることができ、将軍も立ち寄ったそうです。
朝食はお店がないので、サンドウィッチを買って、杉並木の下で黒大蟻と一緒に。
カフェでモーニングもいいですが、外で食べるのもいいですね。
紅葉の新緑が輝き、葉桜が春の終わりを告げ、道端では筍が顔を出してます。
鹿沼市もあと少し、田園地帯に入っていきます。
5.田植前の瞬間絶景
田植前の田んぼに水が張られている時間って、どのくらいあるのだろうか。きっと数日しかないと思います。
水面に映る木々や空、田んぼが鏡になる瞬間、そんな日に歩けるなんて幸せです。
6.杉並木
日光市に入りました。
杉並木密度が突然濃くなります。
例幣使道のクライマックスを、杉並木に包まれながら楽しみます!
秋の稲刈り後に、紅葉した山々が美しく水面に写る田に水を張って、撮影スポットにすると間違えなく人が来る気がします。
7.まむし草
マムシ草。
昨年10月に甲州道中の笹子峠を歩いていた際に発見した、小さなとうもろこしみたいな毒々しい赤い身の植物。調べたらマムシ草の実、実になる前がマムシの様だと認識してましたがピンと来ず。
そして今回、地面から蛇みたいな芽が伸びていて、もしやと調べたらマムシ草。
面白くてこの付近から、マムシ草ばかり見ていました。
こちらが昨年笹子峠で見つけた、マムシ草の実。こんなになるなんて想像できませんよね。
杉並木が深くなり、鬱蒼とした樹の下を、花々が明るく彩る。そんな景色に見惚れていると、いつの間にかゆるやかな坂道を登り初めていました。
8.文挟宿
文挟駅付近だけ、杉並木が残っておらず、突然視界が明るくなります。
杉並木の中は、別世界ですね。
再び杉並木に入ります。
入口は二荒山神社、日光と宇都宮だけかと思ったら、鹿沼と文挟にもあるとは、若い頃12年間栃木県内を営業してましたが、知りませんでした。
歩いているといろんな事に気が付きます。
再び鬱蒼とした杉並木の中を歩きます。
標高が高いからか、桜の花がまだ残ってますね。
山でよくみる熊笹が生い茂ってます。この葉を見ると、熊が出てきそうで怖くなりますが、実際には熊が食べるのかは、わかりません。
9.板橋宿
一里塚はあるのですが、板橋宿の街並みがなかなか現れません。
板橋宿の中心部に入りましたが、すぐ終わってしました。
鳥居の製造所って珍しいですよね。
バイパスが出来たお陰で、杉並木の道は歩行者のパラダイス。途中の歩行者専用区間は最高でした。
途中に通行止め区間を設定られている為か、自動車はほとんど走ってません。見事な交通誘導戦略です。
10.例幣使道クライマックス
十坂峠。
例幣使道は以前はバイパスが無かった為、大型車を含め結構な交通量がありました。バイパスが無かった頃は、歩くのに相当神経を使った事でしょう。
30年前に栃木県に住んでいた頃、営業でこの道を走るのが大好きで、狭い道を走る緊張感と、スターウォーズの世界感に浸りながら、ハンドルを握ってました。
知人が遊びにくると、この道をドライブし、十坂峠付近がクライマックス。
今回久々に歩きで来ましたが、変わらぬ姿に安心しました。
この付近になると、次の一里塚があっという間に現れます。
最後の一里塚に別れを告げ、今市宿の追分を目指します。
11.今市宿
鬱蒼とした杉並木の風景もこの付近が最後、民家がちらほらと見えてきます。
途中広がってい、見たことがない位広大なたたんぽぽ畑、飼っているウサギがたんぽぽが大好物なので、連れてきたらパニックするでしょう。
木の根が道に迫り出しています。
これからの時代、空飛ぶ乗り物が普及したら、この道がどの様に進化されて行くのか楽しみです。
地上は人が歩き、杉並木の上を乗り物が通り、上からも楽しめる絶景スポットになるかも!
妄想が止まりません…。
前方に日光道中の杉並木が見えてきました。感動の対面みたいで、あぁ終わりだなぁと、急に寂しくなってきます。
無事到着。
中山道を歩いた際に、倉賀野宿で例幣使道の追分を見ながら、歩くなんて考えてもいませんでした。
日光道中を歩いた際に、今市宿で例幣使道の追分を見ながら、歩くなんて考えてもいませんでした。
人は道があると、歩く習性があるのでしょうね。
今回も楡木宿で日光壬生道の追分がありました。いつか必ず歩くのでしょう。
今市はコンパクトにまとまった街。
下今市駅は駅構内のSL転車台が見学できるようになってます。
東武金崎駅で下車。
お風呂に入ってスッキリして帰りました。
さて、次はどこを歩こうかな。
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