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【英国滞在備忘録】#63 雪。年末。俺の住んでいるところ

【本編無料】このシリーズは学生時代にイギリス滞在した当時の記録をそのままに、現在のスギヤマが振り返る備忘のためのコンテンツです。有料エリアでは今振り返ってのコメントや人物が鮮明な写真などが表示されます。

26th December (Monday)

今日もアルバイトはお休み。一泊二日のSたちとのクリスマスを過ごしたので、静かに過ごす。
イギリスでの記念にとDVDを購入した。
語学学校のビジネスクラスで、教材の話題になっていたGod Fatherを買うことにした。£19.99と出費になったが、じっくりと観たいと思う。

27th December (Tuesday)

Londonで雪が降った。
部屋の窓から写真を撮る。改めて、今住んでいるところを紹介する。

これだけ積もるのは珍しい


ロンドンでのホームステイをしながら紆余曲折あって、現在のフラットを見つけた。
住めば都である。

今住んでいるところが一番居心地がいい。だって一人暮らしだから。
といっても日本のアパートなどとは違い、数人で同じ家に住んでいる。
キッチンやバスルームは共用。自分の部屋だけが専用スペースというシェアフラットと呼ばれるもの。

ロンドンは地下鉄の区間が1から6に分かれている。1がセンターで数が大きくなるほど郊外になり、センターに行くのにお金も時間もかかる(因みにヒースロー空港はZone6なので地下鉄直通で市内までアクセスでき、タクシーや電車に比べれば格段に安い)

で、俺の住んでいるところはZone2のBermondseyというところ。
テムズの右岸、South Bankに位置している。センターまでのアクセスも10分ちょっとと悪くないし、生活している分にはなんら問題を感じない。

が、英国人は嫌がる。

"おー、なにバーモンジーに住んでるの?何でまた?"
"危ないって"
"俺はロンドン中を仕事で運転するけど、バーモンジーが一番危ない"
(ぉぃ、それは言い過ぎでしょ?)

だが、確かに一般的に言ってSouth Bank というのは評判があまりよくないようだ。思うに、移民がたくさん住んでいるのも一因であろう。
Brixtonは黒人街で有名らしい。ここは部屋を探しているときに"避けなさい"とインターンの時に、英国人のボスBさんから忠告された。

地質学的な要素もあるのだろうか。
South Bank には地下鉄が少ない。理由は地盤が石灰質で脆いためだという。水道水にも石灰質が混じるので、家庭にはそれを濾過するためのポットが常備されている。

そんなSouth Bank にある我がフラットは、さしずめチャイナハウス。
中国人の大学生(俺より年下の女性)が大家。その彼氏はマレーシア人だが3種類の中国語とマレーシア語と英語を話す。
他にMBAを修了した中国人カップル(彼女の方が何者かは俺は知らない)と同じくこっちで修士をとって働いている中国人が住んでいる。
つまり6人で住んでいる。寝室は4部屋あって2部屋は2カップルが使って、あとは俺ともう一人の中国人。
1階はリビングと俺の部屋。2階が3つの寝室と風呂とトイレだ。
冷蔵庫は2つあり、小型の方をシングルの中国人とシェアしている。右半分が彼で、左半分が俺という具合。
洗濯機がキッチンのオーブンと併設されているのがオモシロい。

思うに、この物件は第二次大戦後に政府か大きなディベロッパーによって建てられたもののようだ。低所得層向けに政策的に作られた格安物件という印象。
日本の団地ではないが、いや、それ以上に大きく無機質。金太郎飴を切ったような建物が林立し、初めて訪ねたときは迷子になりかけた。ここだけ共産主義なのか?と錯覚しそうになる。

無機質な団地が広がる。このコの字構造が魚の骨のように繰り返される。
(2022年 Google Street viewより作成。建物は当時と変わらない)

このような条件が移民の集まる状況をつくったのかは定かではないが、俺の印象では、みんなひっそりと暮らしている、という言葉が当てはまる。
たまに車の盗難防止アラームが鳴るくらいで深夜に帰っても危ない目に遭ったことはない。
一度だけドラッグの販売現場に出くわしたくらいだ。
突然現れた俺の足音にビビッたくせに、俺にまで売りつけようとするなよ。っていうか、人んちの前でそういうことするなって。

この物件に辿り着くまで、色んな「部屋貸します」の広告にレスをしてみたが、返事がなかった。やや自棄になり自分で「部屋求む」の広告を出したらその日のうちにレスが来て、それが今の大家だった。ラッキーだったな、と思う。

部屋探しの様子はこちら ↓

ここでの生活も折り返し。寂しくもあり、楽しみでもある。

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スギヤマが学生時代にイギリスで語学学校やインターン、ストリートで多文化と戯れた記録です。 22歳の青臭い感覚を読み物としてお楽しみいただけ…

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