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ジビエ解体してきた

きっかけはこのツイート。

ジビエは何度か食べたことがあったし、生き物をさばくという技術には興味があった。そして、何事もチャレンジと思って申し込んだ。


当日は車で向かうと責任者の方が出迎えてくれた。場所は元々給食センターだったものを改装したとのこと。ここでは捕獲してきた鹿や猪、アナグマを食肉として加工したり、肉を燻製にしたりしている。

外には動物を移送するための金属製の檻が置いてあった。

ここでは、動物を〆るなどの工程を第一工程、〆た後に肉を切り取る工程を第二工程というらしい。私は第二工程の作業を体験することになった。

メッシュ帽をかぶり、白衣の上に、エプロンを着て、長靴をはいた。

当たり前だけれど、加工する場所はとても清潔に消毒されていた。

冷蔵庫には猪と鹿が1頭ずつぶら下がっていた。すでに首と足首が切り落とされ、内臓は抜かれ、皮ははがれ、背中から真っ二つされている。まさに肉という感じだった。とてもきれいに加工されていて、その色合いは美しいとさえ思った。

それを冷蔵庫からとりだして、作業場のフックに吊るす。

あばらを下(首の方)から数えて5つ目に包丁を入れて切り込みを入れる。切り込みを入れたら持ち上げるようにして骨を折る。

作業台に乗せたら、あばらの隙間の肉を包丁で切りながら、あばらを折っていく。こうした肉がついた骨はペットのおやつになるらしい。

肩甲骨から肉をそぎおとす。よく「肩甲骨はがし」とかいうけれど、本当にはがしたのは初めてだ。肩関節に切り込みを入れて外す。肩甲骨もペットのおやつになるそうだ。腕の肉を骨からそぎおとす。

上(股関節の方)から数えて2つ目の背骨に包丁を入れて、同じように折りとる。あばらを折っていく。

最後に残ったのは脚と股関節、骨盤だ。

股関節を見つけて、包丁で切り込みを入れていく。股関節を外して、骨盤を取り出していく。脚についている腱はやはりペットのおやつになるらしい。

筋肉は筋膜に包まれている。「筋膜リリース」とかいうけれど、本当に筋肉が膜に包まれているのは初めて見た。そして、軽く包丁を当てるだけでぺりぺりと筋膜がはがれていく。

「初めてにしては思い切りがいい」と言われたけれども、よく分からないまま骨と肉をバラバラにしてく。どうにもぐちゃぐちゃになってしまう。どこの部位だか分からないから確認してもらわないといけない。

とりあえず外ももは内ももよりも大きい、ヒレは細長い、シンタマは丸いみたいなことは分かった。

切り取った肉は部位ごとに真空パックして、重さをはかり、記録をつけて、冷蔵庫で保管する。猪と鹿を半分ずつ解体したが、それでもひとつ解体するのに3時間ほどかかってしまった。


わたしは普段、スーパーでパックされている肉しか見たことがないけれど、こういう作業をしている人がいるから美味しく肉が食べられているのだと改めて感じた。

もちろん最初だから肉をきれいに骨から切りはなせなかった。でも、買う人や食べる人は肉を見ているわけだから、そしてせっかくの命だから、もっときれいな状態で切りはなせるようになりたいと思った。

体験した後に読んだnote記事。面白かった。


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