緊急事態宣言後 2 週間経っても対策なし? はぐみっく保育園五反田園を運営する一般社団法人双育会に団体交渉を申し入れました。


 5月 18 日に、一般社団法人双育会に労働環境、保育環境の改善の申し入れを行いました。この会社が運営する保育園、はぐみっく保育園五反田園に勤める保育士 2 名が介護・ 保育ユニオンに加盟し環境の改善を求めています。申し入れをするに至った背景を、新型コロナウイルス関係にスポットを当てて、組合員の2人からお伝えいたします。

〇緊急事態宣言後 2 週間以上が経過...「ルール作成までお待ちください」 

 「ルール作成までお待ちください。」これは、新型コロナウイルスが世間で話題になり始めた 2 月から 2 か月以上、そして緊急事態宣言が発令されてから 2 週間以上が経っていた 4 月 23 日のエリアマネージャーの発言です。宣言が発令された後も本部側から職員の健康管理に関する指示はなく、各自自分の判断で体温を計測、記録をしていました。

 感染者数が増えてきたこと、近隣の保育園でのコロナウイルス感染者の発生に伴い、改めて 22 日に判断を仰いだところ 23 日にこの発言が返ってきました。またその日に体温と体調の記録用紙が配布され、一週間ごとに本部が回収するというシステムになりましたが、職員の体温が 37 度台と記録されているのにもかかわらず自宅待機の指示はなく、変わらず勤務させられていました。

 緊急事態宣言発令から5月 1 日まで、組合員の保育士 2 人のみでのシフトを組まれており、多少体調が悪くても休めない状態が続いていました。

〇ずさんすぎる衛生への価値観、エリアマネージャーが着替えもせずに調理室へ

 新型コロナウイルス禍において、施設内の大人の立ち入りを制限するという名目で保育士 2 人体制での勤務をしていました。しかし、エリアマネージャーは本部のある八丁堀と当園のある五反田を行き来しており、2,3 時間五反田の園にいて、また八丁堀へ帰るというルーティーンを週 2 回程度行っていました。また時には、姉妹園園長を連れて 2 人で来園されることもあり、 その度に「それは本当に必要な来園なのか?社内連絡アプリではできないのか?」と問い合わせていましたが明確な回答は得られませんでした。 

 また見出しに書いたように、平常時でも保育士ですら入ることが制限されている調理室に、あろうことか通勤着のまま立ち入ることもありました。

 当園は生後 57 日目の子どもから預かることができると謳っている乳児保育園です。私自身も入社時に、「出勤着と保育着は分けて用意し、必ず着替えてください」と言われていました。そのことについてエリアマネージャー、並びに姉妹園園長にたずねると、「そのルールはなくなった」との回答がありました。百歩譲って感染症が流行っていない時期ならまだしも世界的に危険なウイルスが蔓延している中でのこのような認識に驚きました。

 補足ですが、エリアマネージャーは園長業務、保育補助をするという名目で来園していましたが、 2 歳児の子ども 1 人すら安全に保育することもできず、逆に任せた私たちが総務部 長に注意を受けました。そのような人がコロナウイルス禍で保育室に入る意味とはなんだったのでしょうか。

〇報復措置?園内立ち入り人数制限とは?5 月に大量の新規採用

 私たちは 4 月中 2 人体制での保育シフトに対する説明として、「感染対策として園内に立ち入る大人の人数を制限するため」と言われていました。しかし 5 月に突然、主任、事務員、看護師の新規採用があり、シフトに組み込まれた人数は 2 人から 6 人へと大幅に増やされました。

 4 月、5 月では子どもの人数も変わっておりません。また新規採用者のシフトは週 5 にもかかわらず、私たちのシフトは週 2、3、そして(当時はまだ組合に加入しておりませんでしたが)私たち 2 人のシフトが被ることのないような恣意的な構成でした。「既存メンバーがローテーショのンため新規メンバーのサポートに姉妹園園長、エリアマネー ジャーをいれる」との、理解に苦しむ説明もありましたが、そもそもローテーションで組み、既存メンバーなしでの日が出てきてしまうようなシフトを組んだのは本部側です。また、前の項目で述べた通り、2 歳児 1 人も満足に保育をすることが出来ない人材を無理にシフトに組み込む必然性が理解できません。

 保護者からの本部への不信感の高まりや、私たち職員への本部からの不誠実な対応を受けて、少しでも環境が良くなるように、4月中、本部に対して改善するるよう働きかけてきました。そのことに対する報復的な措置であると考えています。

 以上の3つを抜粋してお伝えしましたがこのほかにも

・保護者からのクレームを恐れ、対応をコロコロ変える。 
・園内設備的に開けることのできる窓が少なく換気が十分におこなえない。
・家庭保育のお願い、登園自粛要請を会社から保護者に対して一切しない。それにもかかわらず、「都の要請にはしたがっている」という認識でいる。


等、数々の問題があり 保育士の命はおろか、子どもたちの命を守ることすら危険に晒されていました。

団交申し入れ後の現在の状況をお伝えします。

〇時間を守ることが出来ない?

 申し入れの回答は回答期限を過ぎた深夜 0 時 39 分に送られてきており そして団体交渉の時間も 30 分とあまりにも短い設定になっていました。これは、不誠実な対応であると言わざるを得ません。

〇社内連絡アプリのアカウントを停止するなどの嫌がらせ

 また申し入れを行った 3 日後に、組合員 2 名が社内連絡アプリのトークルームから予告もなく退出させられました。 また社内のパワーハラスメントにより体調を崩していた組合員が 6 月の復職を申し出たところ一方的なアカウント停止の連絡、その後停止をされました。以後半日以上にわたり連絡手段を絶たれていました。
 会社へは 

・新型コロナウイルスに関する適切な衛生対策の実施、休業補償、危険手当について

・エリアマネージャーからのパワーハラスメントに関する調査について 

・園長の就任について(現在、園長不在のため)

・代表の問題行動を改めることについて

・労働環境、労働条件について


を求めていきます。

 ありがたいことに在園中の保護者の方からも暖かい応援の声をいただいています。 私たちは、子どもたちのため、保護者の方たちのために保育士という仕事を志し、そしていまもその志をもって仕事をしています。 保育士からも保護者からも信頼されていた園長先生が作ってくださった温かく心の通った 保育環境を守りたいんです。子育ての不安をつつみ隠さず相談できるような環境、初めての保育園でも子どもも保護者も安心できるような環境を返してください。

 子どもたちの笑顔のためにも私たちの訴えが会社に届き、改善に向けて誠実な対応をされることを願っています。みなさんぜひ応援をよろしくお願いします。


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【総合サポートユニオンのコロナ相談体制の支援のお願い】


 緊急事態宣言の解除以降、新型コロナウイルス被害の雇用に対する影響がますます深刻化しています。解雇、雇い止め、そして派遣切りの労働相談が増加しています。特に、女性の非正規からの相談が膨大に寄せられています。
 総合サポートユニオンでは、月1000件に及ぶ労働相談を受けて法律や制度のアドバイスをしながら、団体交渉を通じて、解雇の撤回、休業補償の支払いを認めさせています。
 一方で、相談受付になどかかる費用の不足が、私たち総合サポートユニオンの課題となっています。コロナにかかわらず、通常の労働組合の一般業務に加えて、コロナ相談に対して週6日(平日夜間と土日祝日の日中)の4〜5時間の電話相談に、最低3〜4人の相談員を配置して対応しています。これにメールでの労働相談のやりとりが加わります。
 この相談体制を維持し、これからの解雇・雇い止め拡大の情勢に備えて拡充するには、資金が枯渇しているのが実態です。
 ぜひ、寄付での応援をお願いします。寄付の方法は以下の3つがあります。

(1)クラウドファンディングでの応援(2020年7月30日まで)
「新型コロナ被害による労働問題で困っている人を応援したい!」
https://camp-fire.jp/projects/view/282148

(2)振り込みでの応援
●ゆうちょ銀行での振り込み
(a)郵便局で振込用紙を使って納入する場合
  郵便振替口座:00150-8-765273 口座名義:総合サポートユニオン
(b)銀行などから振り込む場合
  ゆうちょ銀行 預金種目:当座預金 店名:〇一九店(ゼロイチキユウ店) 口座番号 0765273
●みずほ銀行での振り込み
 みずほ銀行 店名:北沢支店 預金種目:普通預金
 口座番号:3024622 口座名義:総合サポートユニオン

(3)noteでの支援
本ページ末尾の「サポートをする」からご支援ください。

 よろしくお願いします。


総合サポートユニオンの活動を応援してくれる方は、少額でもサポートをしていただけると大変励みになります。いただいたサポートは全額、ブラック企業を是正するための活動をはじめ、「普通に暮らせる社会」を実現するための取り組みに活用させていただきます。