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【熊谷サ高住シャングリラ】オフィストゥーワンの経営状態について話し合いました

埼玉県熊谷市で介護施設「サービス付き高齢者向け住宅シャングリラ」「小規模多機能型居宅介護事業所シャングリラ」「居宅介護支援事業所シャングリラ」等を運営する、有限会社オフィストゥーワン(埼玉県熊谷市、代表 植野智恵子)で、夜勤専従介護士として働くAさんが介護保育ユニオン(総合サポートユニオン・介護保育支部)に加入し、労使紛争(未払い賃金や多数の労働法違反)についての団体交渉をスタートさせしました。今回の記事は5月23日に行われた団体交渉の内容です。

◉オフィストゥーワンの労使紛争についての過去の記事はこちらです
https://note.com/sguion/n/nf27f71bc6e19
https://note.com/sguion/n/n3d893a7154af
https://note.com/sguion/n/n60ac3248dc1e
https://note.com/sguion/n/nf691ed50f128
https://note.com/sguion/n/nf41b8631f81d
https://note.com/sguion/n/n9b395957a71a
https://note.com/sguion/n/nd623776978a

●会社の経営状態を確認しました。
 介護施設シャングリラ(有限会社オフィストゥーワン)では、これまでもご紹介してきましたとおり、数々の違法な労働環境がありました。

・労働条件明示書を労働者に渡さない(労基法15条違反)
・給料明細書を長期間渡さない、給料明細書に基本給を記載しないなどして賃金額を労働者に認識させない(所得税法違反)
・実際には全く休憩時間を与えていなかったのにもかかわらず、書類上は5時間休憩させた事にして賃金を減額する(労基法34条違反)
・深夜労働や休日出勤に対する法定割増賃金を全額支払わない(労基法37条違反)
・36協定がない中で、過労死ラインを超えた長時間労働をさせた(労基法32条違反)

 オフィストゥーワンのAさんに対する未払い賃金の総額は8年間で約2500万円にも上り、約2500万円という高額な利益を不当に得ていたということにもなります。
 会社による上記のような違法行為のせいで、Aさんは自分で給料の計算も出来ずにいました。Aさんは不審に思い、雇用契約書の複写の発行を何度も植野社長に請求しましたが、植野社長は「労働基準法通りにやってあるから大丈夫だ」と繰り返し、全く応じませんでした(会社はこの事実を否定しています)。

 約2500万円の未払い賃金のうち、会社は過去3年分にあたるとする約1400万円を支払い、残りの約1100万円については時効が到達しているので未払いではないと主張しました。私たちは様々な違法行為があった経緯を踏まえると時効はありえないと主張し、何らかの解決をするよう求めました。会社はこの組合の要求に応じる姿勢を見せていますが、経営状態が悪いことを理由にこれ以上の支払いが難しい旨を主張しました。
 そこで今回の団体交渉では会社から会社の財務情報の一部を開示してもらい確認しました。

※会社の財務情報は交渉内かぎりの内容ですので、ここの場では抽象的な形でしか書くことが出来ません。ご了承ください。

●オフィストゥーワンの人件費率は低い?
会社が提示した財務資料を見ると、シャングリラの人件費比率が、一般的な介護事情社に比べ、だいぶ低いように思われました。そこで私たちは人件費率が適正であるか否かを議論しました。

植野社長は、職員を募集しても応募者が集まらないといいます。人が集まらないのは端的に賃金が低いからではないかと私たちは考えます。
植野社長にも、職員が集まらない理由をよくお考えいただきたいと思います。他社介護施設の求人票と比較し、募集時の雇用条件等を改善した方が良いのかもしれません。

●シャングリラの事業運営費について
シャングリラの販管費ついて会社側弁護士は、人件費以外の販管費の多くが地代である」と我々に述べました。植野社長はオフィストゥーワンの、地代を徴収しているのだそうです。自分の土地を自分の経営する会社に貸す事は合法ですが、地代の扱いが相場以上の場合には役員報酬として支払うことになっています。私たちは地代が適正価格であるか等、諸々の調査を会社側に依頼しました。

●使途不明金について
 また、オフィストゥーワンには使途不明金(領収書を紛失してしまったものと植野社長は主張)がありました。これについて植野社長に訊くと、使途不明金についてのご自身の曖昧な記憶をその場しのぎで延々と話されました。
 せっかく財務諸表を開示していただいても、その根拠を明確にしてもらえなければ何の意味もありません。今回の団体交渉は、植野社長による説得力に欠ける主張を聞かされるばかりで何一つ解決に至らないという非常に残念な結果に終わりました。しかし、シャングリラは親族経営でガバナンス(統治・統制、管理)やモニタリング(監視)機能が全く無い為、会社のキャッシュフローに不明瞭な点が無いか、更なる財務調査が必要だと言わざるを得ません。

●その他の団交内容
①「未払い賃金約750万円を支払っていただきました。」
 これで未払い賃金約2500万の内、合計約1350万円がAさんに支払われたことになります。しかし、残金については経営難と時効を理由に、支払いを拒否しています。植野社長はAさんに虚偽説明をして賃金をごまかし、過労死ラインを超えて違法に働かせるだけ働かせておいて、その労働の対価は支払わないのだそうです。組合側から分割での支払いも提案しましたが、残金は支払わないとの回答がありました。これに対して組合は異議を唱え続けています。植野社長自身はほんの数年前に最高級クラスの外車を2台も購入しているのですが、従業員を騙して働かせて発生した労働の対価は支払えないのだそうです。その不当に得た高額な利益はどう使われたのでしょうか?

②Aさんの入社から現在までの年間休日取得日数を、オフィストゥーワンの公式のものとして提示していただきました
 年間休日取得日数に問題があるのは、2015年が12日、2016年が10日、2017年が7日、2021年が74日、2022年が77日でした。特に2015~2017年の3年間は過労死ラインを通り越す長時間労働で、虐待と言いたくなるような過酷な環境です。

 Aさんは概ね一日13~15時間労働していましたので、本来なら8時間労働の職員より年間休日取得日数は多くするのが道理でしょう。しかも、法定休憩無しの1人夜勤という過酷な状態です。この3年間は、Aさんは殆ど毎日施設で過ごし、仕事をさせられていました。Aさんはこの時期、強い目眩やギックリ腰に悩まされていた(交代要員が居ない為、ギックリ腰でも出勤させられた事も多かったとのことです)そうですが、ブラック企業内で仕事中に過労死しなかった事は不幸中の幸いです。

③会計士の連絡先開示は、オフィストゥーワンによる聞き取り調査が不十分との事で延期になりました。
 植野社長によると、シャングリラでは会計士に賃金台帳の作成を依頼していたとの事ですが、賃金台帳に法定必須記入事項が記入してありませんでした(労基法108条違反)。各項目が賃金台帳が適切に作成されていれば、それらが給料計算に反映されて、Aさんは多額の損失を負わなくてすみました。ですから、組合としては会計士の違法行為に対しての損害賠償を請求しようと考えています。

④社労士についての意見を会社側に伝えました
 給料がおかしいと思ったAさんが植野社長にその旨を伝えると、植野社長は「社労士に任せてあるから労働基準法通りにやってある」という回答を度々繰り返してきました。団交開始当初、植野社長はその事実を認め、「現在業務を依頼している社労士ではなく、前任の社労士です。調べないと連絡先が分からないので、今すぐ回答出来ません」との旨の返事でした。前任会社側代理人弁護士(植野社長との信頼関係が崩れた事を理由に、前任弁護士2名が昨年辞任しています。)も社労士の連絡先開示について合意したのにもかかわらず、その後、組合からの前任社労士の連絡先開示要求は無視され続け、挙げ句の果てには社労士ではなく会計士だと主張をすり替えられました。組合として、この様な話のすり替えや合意事項の不履行に対して違和感を表明すると共に、後日、合意の証拠録音を提示した上で前任社労士の連絡先開示を改めて要求しました。

● 「次回の団体交渉の参加者募集のお知らせ」 
 次回のオフィストゥーワンとの団体交渉は、7月5日(金)の16時30分〜18時30分です。参加をご希望の方は総合サポートユニオンにご連絡ください。オンライン(zoom)でのご参加も大歓迎です。
介護施設の運営には多額の税金・公金が投入されていますので、労働者の権利侵害、不正や違法行為等を許してはいけないと私達は考えます。次回の団体交渉では、より細かな点を話し合い、問題解決に向けて取り組んでいきますので、皆様のご協力を宜しくお願い致します。

●「介護保育ユニオンとは」
労働者が一名から誰でも加入できる個人加盟制労働組合である総合サポートユニオンでは、これまでにも様々な産業のブラック企業と対峙して交渉し、労働者の権利を勝ち取ってきました。私たち介護保育ユニオンは、その総合サポートユニオンの介護・保育支部として活動しており、様々な企業で働く介護職員や保育士がケア労働者として相互に支援を行っています。
ハラスメントや賃金未払いなどの被害にあっている、事業所の不正が改善されない、などの問題を抱えている介護•保育従事者の皆さん、一人で悩まずにまずは私たちにご相談ください。

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