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【開かれた聖ヨハネ会を取り戻すために】第5回 どちらが本物でどちらが偽文書?ー懲戒規程と懲戒要綱―

 私の勤めている社会福祉法人聖ヨハネ会の特別養護老人ホーム・桜町聖ヨハネホームでは2023年から24年初頭にかけて職員の大量離職が起こりました。
 このままでは利用者のケアを維持できないということで、利用者を隣の病院に社会的に入院させたり、スポットの介護アルバイトを入れることで、何とか利用者に対するケアを維持するなど、介護現場は大きな様変わりを見せています。
 そんな中、これまでユニオンが求めてきた聖ヨハネ会との団体交渉がようやく開催されました。
 今回のnoteはその団体交渉についてのご報告です。

 これまでの経過については、以下のnoteもお読みいただけると幸いです。

1回 社会福祉法人聖ヨハネ会は、介護施設の利用者の命を守ってください
https://note.com/sguion/n/n9c3aa48da1e6
2回 桜町聖ヨハネホームで介護崩壊が目前に迫っています
https://note.com/sguion/n/n9242d51ab160
3回   「見せしめと隠蔽」から、「対話」に基づく開かれた聖ヨハネ会へ
https://note.com/sguion/n/n8ab8a05c10f1
4回 命と人権、民主主義を求めて市役所へ
https://note.com/sguion/n/n077b45ddc1f3

■人のいないさびれたお正月

 聖ヨハネ会によるでたらめな出勤停止によって、私は去年の12月25日まで、それこそ一月以上、職場に入ることができませんでした。「反省していない」ので元いた2階フロアへの「復帰は難しいと判断」したとのことで、別フロアの1階での勤務となりました。
(前回のnoteを読んでいただければ分かると思うのですけど、事実認定もされないでっち上げの理由なので、むしろ法人に反省してもらいたいと思っています)

 それが2階職員が病欠になって職員がいないというので、1月2日、急きょ2階フロア勤務となりました。
 ところがその様子と言ったら…
 食事やおやつのときともなれば、利用者がデイルームに集まってきて、活気のあったフロアが様変わりして、まるで人気のない様子。
 お正月だというのにすきま風が吹きかうようなさびれた風景でした。

 私の顔を見て喜んで下さる利用者と再会できたことはうれしかったのですが、それとともに気になったのが、私がいない間に一気に心身の機能が衰えたという印象の利用者が何人もいたことです。
 機能の衰えだけでなく、辞めた職員についての不満を訴えてくる利用者もいました。
 特に言動に問題のない職員を、ひどい言葉でなじる利用者もいました。その方はこれまでこんなひどい調子で人を責める人ではなかっただけに、衝撃を感じました。

 それ以外にも私が出勤停止の間に3人の利用者が亡くなっています。利用者の状態と大量離職との因果関係は明白ではありませんが、長年いっしょの時間を過ごした利用者とお別れができなかったのは無念でなりません。

■ようやく始まった団体交渉

 ようやくのことですが、1月11日、東小金井駅からほど近い会場で、聖ヨハネ会との団体交渉が行われました。
 参加者は西田法人理事長、竹川法人業務執行理事、鈴木高齢部門業務執行理事の3人です。
 連載を読んでいただければ分かるのですが、私に一連のハラスメント行為をしていたのは、この竹川理事です。
 私がお呼びしても職員会議に出てこなかったり、自分の舵取りで難破しかけている泥船、高齢部門の責任者を年末に鈴木さんに任せてしまうなど、都合が悪くなるといなくなるのが上手な人なので今回いらっしゃるかなあと思っていましたが、自信満々な様子で現れました。

 ホームの園長、管理者、施設長は誰なのか、という話から団体交渉は始まりました。
 えっ、全部いっしょじゃないの?と思うのがごく当たり前のことかと思います。
 ところがわがホームは4年で園長、園長代行が4人も辞めるというありさまで、園長のなり手がいなかったものですから行政への届出がぐちゃぐちゃになっていました。
(園長の頻繁な退任については、いずれ明らかにしたいと思っています)
 届出について、都の指摘が入ったというのを私は聞いていたのですが、竹川さんはさも昔からとでも言いたそうな様子で、西田理事長が園長、管理者、施設長だと断言していました。
(直前までホームの園長がN課長だったのはホームページで確認してたのですけど、いつの間にかちゃんと代わっていました…)

■ツッコミどころ満載の「懲戒」

 以前も書きましたが、私の「懲戒」はツッコミどころが満載なのです。
ユニオンの人が、両手の指では数え切れないとよく言います。
以下に箇条書きで書き出してみます。

1、再三の要請にもかかわらず、私が面談に応じなかったというその要請が、靴箱に貼られていたかわいいメモだった。
2、9月中に不適切ケアのことで呼び出したのに、私が応じなかったと言っているが、その不適切ケアに該当する事実が10月以降の話だった。
3、今度の面談に来ないと懲戒委員会にかけるぞと通知が来たので、ちゃんと行ったら、やっぱり懲戒委員会にかけられた。
4、就業規則の上限(10日以内)を超える1ヵ月の出勤停止処分を通知した。
5、懲戒委員会ではなく、就業規則にない運営会議で、私の懲戒を決定した。
6、私の弁明も聴取しないで、懲戒処分を決定した。
7、職員の互選で選ばれている職員代表を、使用者である竹川さんが勝手に解任した。
8、労働者の代表を勝手に解任したらまずいと思ったのか、信任投票を行ったら私が再任されてしまった。
9、出勤停止期間1ヵ月はまずいと思ったのか、「出勤停止期間を間違えていましたので、修正」して10日に減らした。
10、懲戒委員会を開いていないのでまずいと思ったらしく、私の出勤停止の懲戒が、いつの間にか法人都合の自宅待機にすりかわった。
11、懲戒委員会の議事録を確認したところ、懲戒委員会で私の懲戒事由が事実であるか確認していなかった。
12、事実確認もしていないのに、やったことは間違いないとの結論になっていた。
13、【S職員に関して、ヨハネホーム職員への聞き取り】なる調査を行い、懲戒事由と関係のない、40項目にわたる私の悪口を書き連ね、私の人格をおとしめている。
14、懲戒委員会が終わっているにもかかわらず、「2月以降の勤務場所については懲戒委員会で検討・決定することにする。」

 懲戒の手続きだけでこれだけあるので、懲戒理由を入れるとこの倍にはなるでしょう…
 竹川さんは法人の法令遵守責任者であるはずですが、ルールを守るつもりがないのか、それともご自分がルールだと思い込んでいるのでしょうか?

■軽いノリで人権侵害

 団体交渉での私の「懲戒」についての竹川さんの発言は、ちょっと信じられないようなものでした。

・私が来ないときに渡そうと思っていた「懲戒委員会にかける」という通知を、来たにもかかわらず「間違えて」渡してしまいました。(上記3についての言い訳)

・運営会議で出勤停止処分を決めたという表現は間違ってました。(5についての言い訳)

・懲戒委員会が終わっているにもかかわらず、「2月以降の勤務場所については懲戒委員会で検討・決定することにする。」という表記も間違って書いちゃいました。(14についての言い訳)

 漫才のボケさながらに「間違いました」「面談に来ないと思っていたので、来ないときの文書を渡してしまいました」「失礼しました」のオンパレード。
 あたかも人を殴っておいて、手を振り回して遊んでいたら偶然当たっちゃいましたみたいな、軽いノリです。
 漫才や遊びと違うのは、一人の人間の人権や人格を踏みにじっているということです。
 私だって血の流れるひとりの人間です。

■懲戒要綱と懲戒規定

 ここで私たちは、2種類の文書を竹川さんたちに見せることにしました。
それは「高齢部門表彰懲罰委員会要綱」(以下懲戒要綱)と「社会福祉法人聖ヨハネ会 高齢福祉部門 表彰・懲戒委員会規程」(以下懲戒規程)です。

 前者の懲戒要綱は、職員の懲戒処分を審査する懲戒委員会を開くための、基本となる決まりごとを定めた文書です。
 私はこの文書をだいぶ前にもらっていました。
 竹川さんが私を呼び出して懲戒委員会にかけるぞと脅かしたとき、私はしつこくそれは懲戒規程に基づくものですか、懲戒規程に基づいて懲戒委員会を開かないといけませんよと何度も言いました。
 今考えると私は懲戒要綱のことを「懲戒規程」「懲戒規程」と言い間違いをしていたのですが、そしたら12月5日の弁明のときに、本当に「懲戒規程」が出てきて驚きました…
 懲戒要綱が見つからないからあちこち探しているという話を何人かの人から伝え聞いていたのですが、まさか本当に「懲戒規程」が出てくるとは…
 その後法人は、ユニオンの求めに応じて、回答書で「懲戒規程」を送信してきてくれました。

 規定とは就業規則に準じる重要な書類なので、理事会での議決が必要で、かつ職員に周知する必要があります。この規程が実施されたのは2021年4月ですが、当時職員代表だった私に知らされていないというのはどう考えても不自然でした。

 この時点で勘の鋭い人ならお分かりかと思うのですが、この「懲戒規程」、偽造の可能性があるのです。
 つまり一職員に過ぎない私を処罰するために、懲戒に関する重要なルールブックを偽造した、その可能性があるということです。

 この文書を見せたところ、彼らは2020年の12月の理事会で障害部門の懲戒規程をつくったときに合わせて制定したと説明しました。
 私たちはそれが真実である証拠として、理事会の議事録を提出することを求めました。

 後日のことですが、彼らが送ってきた回答書には理事会の議事録の抜粋が引用されていました。そこには「障害福祉部門」の懲戒規程が承認されたとあるばかりで、肝腎の高齢部門の懲戒規程については何も書かれていません。
 その後もその議事録全体を送るように求めていますが、法人の内部資料だからと頑なに拒否しています。

 なぜそこまでして隠しとおすのでしょうか?
 そもそも懲戒規定は就業規則に準じるものなので、職員に周知する義務があります。
 その手続きを経ていない以上、法人には「懲戒規定」が偽造ではないことを、証拠を元に誠実に説明する責任があります。

■数字が出てこない経営者

 ここまで1時間以上を労しましたが、後半はホームの経営状況や立て直しの方策について質問しました。

 ホームは介護職員不足のため、介護・看護職1人に対して利用者3人という介護保険上の定められた基準を満たせなくなっていました。
そのため利用者を隣の病院に社会的に入院(施設都合の入院)させ利用者数を減らし、その一方介護職数を増やすため、カイテクというプラットフォームを用いて、介護職の日雇いアルバイトを導入しています。
社会的入院ではホームで暮らすより余計にかかる費用をホーム側が負担することになっています。

 私たちですらホームの積立金が枯渇していることを知って、ホームの継続性について心配しています。
 私たちは、社会的入院の費用とカイテクにかかる費用について、竹川さんに説明を求めました。
 ところが竹川さんは、
「今ちょっと計算ができておりません」
「ちょっと今すぐには答えられません」
「それはだから、後ほど回答します」
と答えるばかり。

 竹川さんは法人全体を統括する役員で、法人の事務局長でもあります。
 利用者数の減少と人件費の増加で、ホームの財政は急速に悪化していることが経営に携わっていない私たちでも分かるので、病院の経営も含めて、経営状況について質問したわけです。
 ところが数字が出てこない。

 ホームのケアのみならず財政的な立て直しのためにも、職員の離職予防や新人職員の定着が不可欠なわけですが、どういう方針をもっていて具体的に何をするか、何度も質問しました。
 ところが竹川さんはついに何も答えませんでした。
 高齢部門の責任者を離れたとは言え、つい2週間前まで高齢部門の最高責任者だった人です。(1月11日当時)
 竹川さんの話を聞いて不安にならない職員、関係者はいないんじゃないでしょうか?

 ハラスメント、人権侵害のことはともかく経営のことは分かるだろうと思っていた私たちは面食らいました。
 経営者って、数字を理解しているものじゃないの…

 このnoteを書いているのがすでに2月下旬のことなので、実はこの次の団体交渉も終わっています。
 この後の団体交渉はもっとすごかった…

 私たちの力は十分ではありませんが、地域に開かれた本来の聖ヨハネ会に戻るよう、粘り強く働きかけを続けていきたいと思っています。
みなさま、どうぞお力添えのほど、よろしくお願いいたします。


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