見出し画像

【寄付】闘うスリランカ人技能実習生の生活支援のお願い

監理団体に「中絶か帰国か」を迫られる

スリランカ人技能実習生のSさんは株式会社ねぎしフードサービスが直営する工場で野菜加工の仕事をしていました。

2021年7月25日、Sさんは妊娠したことがわかったため、監理団体の神戸国際流通促進協同組合に電話をしたところ、「中絶か帰国か」を迫られました。

Sさんは日本で実習を続けたいと思っていましたが、日本に来る際、送り出し機関との間で「妊娠したら帰らなければならない」という趣旨の書類にサインさせられていたため、「実習を続けるには中絶するしかない」という監理団体の発言に恐怖を感じ、逃げるしかありませんでした。

Sさんは会社の寮から友達の家に逃げこみましたが、その翌日には、スリランカの送り出し機関の人が現地で暮らす両親の家を訪れ、Sさんの居場所を教えるよう家族を脅しました。

受け入れ企業による産休・育休の権利侵害

監理団体から「中絶か帰国か」を迫る圧力がのしかかるなか、本人の「日本で働き子供を産み育てる」という意思に反して、「帰国を前提に飛行機代を稼ぐ必要がある」と監理団体から言われ8月9日から8月26日まで働くことになりました。ねぎしの社員に対し「失踪したことを謝罪し、かつ、帰国を望んでいる」と伝えるよう、監理団体から指示をされていたSさんは、本人の本当の意思をねぎしに伝えることができませんでした。

その際、受け入れ企業である(株)ねぎしフードサービスは、本人が帰国を希望していると判断し、手続きを進めました。工場長にいたっては実習生にパートナーができることや実習生が妊娠・出産をすることを「思い至らなかった、想像していなかった」と発言し、以下の厚労省からの通達にもある技能実習生の妊娠等に関する注意喚起について把握さえしていなかったのです。

厚労省は、監理団体と受け入れ企業に対して、技能実習生の妊娠がわかったら技能実習生向けのリーフレットを渡し、技能実習をやめる必要はないことや、妊娠・出産についての支援制度を説明し、必要な配慮をするよう求めています。それをねぎしは怠っていたのです。Sさんの意思は無視され、産休・育休の権利を知る余地もありませんでした。

技能実習産休説明

そして、8月26日の夜には、監理団体関係者が寮に押しかけ、事務所がある神戸へSさんを連行しました。Sさんは「組合のルールと会社のルールに従わなかった為自分の意思で仕事を辞める」という趣旨の内容を、在留カードや携帯を奪われた状態でカメラに向かって指示通りに喋るよう強制されました。その後、書類にサインを強要させられそうになったところで弁護士に繋がり、解放されましたが、それ以降現在に至るまで復職できない状態が続いています。

闘う当事者に対して誠実に対応しない受け入れ企業と監理団体

Sさんが復職できない状態が続いている責任は、受け入れ企業の株式会社ねぎしフードサービスと監理団体の神戸国際流通促進協同組合にあります。

子供を産むという選択、そして産休・育休の取得という当たり前の権利を、監理団体や送り出し機関による「中絶か帰国か」の脅迫や受け入れ企業による産休・育休の権利侵害によって侵害されたのです。

Sさんは受け入れ企業と監理団体に責任追及をするため、総合サポートユニオンに加入して闘うことを決意し、9月30日に団体交渉の申し入れをしました。

しかし、団体交渉の場では受け入れ企業は、Sさんが仕事をできなくなった経緯と事実関係を認めず(監理団体に任せていたので分からないとのこと)、監理団体に至っては団体交渉にさえ応じません。

このような不誠実な対応をとる企業と監理団体の下では安心して復職することはできません。安心して働くことができる職場を作るために、今後も闘い続けなければなりません。

Sさんの車が何者かによって破壊される

10月10日にSさんの所有する車が何者かによって破壊されました。複数並んでいた車のうち、Sさんの車だけが被害に遭っています。30分ほど車を離れた際に、全タイヤに釘刺し、フロントガラスが割られ、集団的・組織的犯行であると考えられます。ですが、いまだ、犯人は全くわかっていない状況です。

画像1

画像2

カンパのお願い

Sさんは受け入れ企業と監理団体の責任で仕事ができない状態の中で、自分の職場環境の改善のためだけではなく、誰もが安心して産休・育休をとり、子供を産み育てることができる社会を実現するために闘っています。そして、技能実習制度のもと日本各地で横行している人権侵害に対して闘っています。

しかし、仕事を中断せざるを得ない状況下で、生活費や病院への通院費用、車の修理費用などはかかり、生活が困窮しています。

総合サポートユニオンでは、Sさんの生活を支え、受け入れ企業と監理団体との闘いを今後も続けていくための寄付を集めています。

外国人技能実習生、そして女性に対する暴力はSさんに限らず日本各地で横行しています。Sさんの闘いは労働者を使い捨てにし、外国人差別や性差別が蔓延する日本社会を変えるための闘いでもあります。

ぜひ皆さまのご支援・ご協力をお願いいたします。
また一緒に日本社会を変えていく運動を作り上げる仲間も大歓迎です!

寄付の方法
(1)振り込みでの寄付
●ゆうちょ銀行での振り込み
(a)郵便局で振込用紙を使って納入する場合
  郵便振替口座:00150-8-765273 口座名義:総合サポートユニオン
(b)銀行などから振り込む場合
  ゆうちょ銀行 預金種目:当座預金 店名:〇一九店(ゼロイチキユウ店) 口座番号 0765273
●みずほ銀行での振り込み
 みずほ銀行 店名:北沢支店 預金種目:普通預金
 口座番号:3024622 口座名義:総合サポートユニオン
※通信欄または振込者氏名欄にスリランカ実習生についての寄付である旨を記載いただけますようお願いいたします。

(2)noteでの支援
本ページ末尾の「サポートをする」からご支援ください。

ボランティア・インターンも募集しています

総合サポートユニオンでのボランティア・インターンに関心がある方は下記よりお問い合わせください。

画像3

画像4

 (街頭でマイクを握る学生ボランティア)

総合サポートユニオンの活動を応援してくれる方は、少額でもサポートをしていただけると大変励みになります。いただいたサポートは全額、ブラック企業を是正するための活動をはじめ、「普通に暮らせる社会」を実現するための取り組みに活用させていただきます。