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#12 調査PRのパターン(機会+脅威訴求①|後悔と提唱、相関関係)

こんにちは。
シグナルリサーチの木須です。

今回も覗いていただき、ありがとうございます。

前回の記事では、「調査PRのフレーム②|HUT・会場調査」ということで、インターネット調査以外の調査手法を整理しました。

今回は、調査PRのパターンに戻って「調査PRのパターン(機会+脅威訴求①|後悔と提唱、相関関係)」ということで、事例をもとに書きたいと思います。


おさらい|機会訴求・脅威訴求とは


はじめに、おさらいとして、機会訴求と脅威訴求についてご説明します。
(機会訴求は#4でご紹介済、脅威訴求は#7でご紹介済)

調査PRパターンの体系図

機会訴求とは、商品/サービスを利用する"きっかけ"となるような情報を提供することによって一歩踏みを出してもらう訴求方法です。
簡単に言うと、「●●すると良い状態になりますよ」というメッセージを伝えるものです。

脅威訴求とは、意識の低さや不作為を顕在化することによって危機感・脅威性を煽り、その解決策として商品/サービスの利用を促す訴求方法です。
簡単に言うと、「●●しないと悪い状態になってしまいますよ」というメッセージを伝えるものです。

そのどちらにも属さないものや、内容次第でどちらにも属するものを「機会+脅威訴求」と整理しました。

今回は「機会+脅威訴求」の中のパターンについて、事例をもとに整理していきます。

後悔と提唱


1つ目は「後悔と提唱」です。
後悔と提唱とは、これから経験する人に対して経験者が提唱することにより、説得力を持たせて態度変容を促す手法です。

経験者だからこそ言える「○○しないと後悔しますよ」「●●した方がいいですよ」というメッセージがあるので、その言葉を調査で導き出します。

現在、発見している型は「経験者・未経験者」です。

▼経験者・未経験者|夫婦の家計管理事情に関する調査(松井証券)

結婚歴3年以内の若年夫婦と結婚歴30年以上の熟年夫婦を対象に、夫婦間の家計管理事情について調査をしています。

若年夫婦の「やらないで後悔したくないこと」、熟年夫婦の「やらないで後悔していること」の1位がどちらも「資産形成・運用」であるという結果を導き出しています。

熟年夫婦の後悔と若年夫婦の後悔したくないこと

そんな熟年夫婦が結婚時にやっておいた方が良いと思うこととして、
1位「資産形成・運用」2位「家計管理」という結果を導き出しています。

結婚時にやった方がいいこと

これらの結果によって、熟年夫婦は「若いころに資産形成・運用をやっておけばよかった」と後悔しており、若年夫婦に対して「今のうちに資産形成・運用や家計管理をしておいた方がいいよ」と提唱する構図を作っています。

この事例のように、調査リリースの最後尾ブロックで活用することが多く、先輩(経験者)から提唱してもらうことで紹介したいサービスに繋げやすくなります。

相関関係


2つ目は「相関関係」です。
相関関係とは、「○○な人ほど××」のように、対象群ごとで見たときの傾向を明らかにすることで、意外性を持たせ話題化させる手法です。

「東大生にはピアノを習っていた人が多い、だから子どもにピアノを習わせましょう」という機会訴求に使うこともできれば、「紙たばこを吸っている人ほどガンになる可能性が高い、だからニコチンパッチを使いましょう」みたい脅威訴求で使うこともできます。

「純粋相関」と「無相関」の2パターンがあるので、それぞれご紹介します。

▼純粋相関|”意識高い系”に関する調査(DMM.com)

「純粋相関」の事例です。

「オンラインサロンの参加者には"意識高い系"が多い」というイメージがあるため、その"意識高い系"とはどのような人物像なのかを調査しています。

読書機会やジムに通う頻度などによって、ペルソナを「意識高すぎさん」「意識ちょい高さん」「意識人並みさん」の3つに分類しています。

3分類

その3分類の人たちにどのような傾向の差があるのが調べたところ、
「意識ちょい高さん」が交際経験人数が多く、最も出世しており、年収も高いということが明らかになりました。

タイプ別の相関①
タイプ別の相関②

「意識ちょい高さん」が一般的なステータスが高いということで、機会訴求に繋げています。

▼無相関|大学受験に関する調査(河合塾)

「無相関」の事例です。

センター試験(今でいう共通テスト)を前に、進学指導を行なう河合塾が受験生とその保護者の方を応援するために、受験生の先輩でもある現役の大学生に受験期間中の親との関わり合い方や過ごし方、恋愛などについて調査をしています。

一般的に「恋愛は受験の妨げになる」と言われがちだと思います。
そこで、「受験期に交際していた人」と「受験期に交際していなかった人」の志望校への合格率を調べたところ、ほぼ大差がないことが明らかになりました。

恋愛と受験の関係性

「相関がありそうと思われている事象が、実は相関がなかった」という事実を明らかにすることでメディアフックを作ることに成功しています。

最後に


以上、最後までご覧いただき、ありがとうございました。

今回は「調査PRのパターン(機会+脅威訴求①|後悔と提唱、相関関係)」というテーマで整理しました。
次回は「調査PRのパターン(機会+脅威訴求②)」というテーマで整理できればと思います。

引き続き、よろしくお願いいたします!

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