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#7 調査PRのパターン(脅威訴求①|ギャップ・例え比較)

こんにちは。
シグナルリサーチの木須です。

今回も覗いていただき、ありがとうございます。

前回の記事では、「調査PRのパターン(機会訴求③)」ということで、メディアで拡散されやすい調査リリースを整理しました。

今回は、「調査PRのパターン(脅威訴求①)」ということで、事例をもとに書きたいと思います。


おさらい|脅威訴求とは


#3で少しご紹介しましたが、調査PRの手段の中には「脅威訴求」があります。

調査PRの体系図

脅威訴求とは、意識の低さや不作為を顕在化することによって危機感・脅威性を煽り、その解決策として商品/サービスの利用を促す訴求方法です。
簡単に言うと、「●●しないと悪い状態になってしまいますよ」というメッセージを伝えるものです。

例えば、「老後資金として2000万円は必要なのに、実際は500万円しか貯められていない」「30-40代のカロリー摂取量の目安は1日2700kcalなのに、実際は3500kcalも摂取している」など、生活者の好ましくない実態を調査で明らかにすることで行動を促すものです。

では、どのような事例があるのでしょうか?
具体的な事例をもとに一つひとつ見ていきます。

ギャップ


1つ目は「ギャップ」です。
ギャップとは、物事の間にある乖離を顕在化させることで、良い方向性への向かわせるための道筋を作り、利用を促す手法です。

「2者間」「理想と現実」の2つの訴求方法があります。
事例をご紹介します。

▼ビジネスマンの悩みに関する調査(クラシエフーズ)

「2者間」の事例です。

ビジネスマンの仕事上でよく起こる悩みについて調査しています。

職場でのコミュニケーションにおいて、部下とのコミュニケーションがうまく取れていないと感じる上司は23%、一方で上司とのコミュニケーションがうまくとれていないと感じる部下は46%であり、2倍の差があることを明らかにしています。

上司と部下のギャップ

そのような悩みをAIチャットボットが解決してくれる、という訴求内容に繋げています。

▼「初任給」と「理想の働き方」に関する世代別の実態調査(松井証券)

「理想と現実」の事例です。

少し前に話題になったFIRE(アーリーリタイア)について調査した事例です。

アーリーリタイアをするためには5,000万円が必要だと感じている一方で、現状では300万円しか貯蓄できておらず、理想と現実の間に4,700万円の差があるということを明らかにしています。

アーリーリタイアに必要な貯蓄額の理想と現実の差

その差分を埋めるために自分にあったライフプランを立てて資産形成/運用をしましょうね、という落とし方をしています。

このように、対象の間に存在するギャップを調査で顕在化させることで、行動を促す手法になります。

例え比較


2つ目は「例え比較」です。
例え比較とは、対象の行為をどのように感じるのかを相対的に評価することで、親近感を持たせ自分ゴト化を促す手法です。

「優劣」と「同列」の訴求方法があります。
こちらも具体例をもとに整理していきます。

▼確定申告に関する実態調査(アメリカン・エキスプレス)

「優劣」の事例です。

確定申告の時期に、確定申告にまつわる悩みついて調査した事例です。

心理的な負担が大きそうな「売上や収入が減ること」や「仕事上の人間関係」よりも「納税や確定申告」の方がストレスだと感じる人が多いことを明らかにしています。

確定申告のストレス具合

落としどころとして、このようなストレスフルな作業でも会計ソフトで連動できるビジネスカードに変更すると心理的な負担は和らぐことを訴求しています。

▼出産についてのアンケート(すくコム)

「同列」の事例です。

こちらは今までご紹介したような定量調査(調査結果を数値で表現する調査)を用いた一般的な調査PRではなく、定性調査(調査結果を言葉で表現する調査)で聴取した結果を公表している事例になります。

「出産は鼻からスイカを出すことと同じくらい痛い」という例えを聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。
実際のところはどうなのかを聴取した結果、便秘解消のときに似ているというコメントがあったことを紹介しています。

出産=便秘解消?

この事例は商用目的の調査PRではないのでコメントのみを紹介していますが、これを調査PRとして成り立たせるとするならば、定量調査で出産経験者に「出産の痛みと同じくらいの例えとしてあなたの考えに近しいものをお選びください。」と聴取し、選択肢を並べた上で最も多かったものを出産と同列に扱うことで、成り立つかと思います。

最後に


以上、最後までご覧いただき、ありがとうございました。

今回は調査PRのパターン(脅威訴求①)について整理しました。
次回は「調査PRのパターン(脅威訴求②)」というテーマで整理できればと思います。

引き続き、よろしくお願いいたします!

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