米国のアクティビストの面談を受けるか迷っています

A:米国のアクティビストのダルトン(Dalton Investments)ってどうですか。

T:前も話したかもしれないけれど、香港のオアシス(Oasis Management Company Ltd.)と同じく、日本での活動が非常に目立つアクティビスト。日本拠点もあって、そのメンバーも頻繁に日本企業に接触している。

A:代表者は外国人ですよね。

T:ローゼンバルト氏(James B. Rosenwald Ⅲ氏)。共同創業者でCIO(最高投資責任者)。アクティビストの中でも非常に有名な方。何しろ日本株の経験が50年近くある。東証、金融庁、経産省とも対話している。

A:アクティビストを調べるようになって驚いたのですが、海外法人のアクティビストでも、代表者が日本人のことは多いですよね。

T:そう思う。今までは「アクティビスト=外国人」というイメージだったけどね。今では、法人こそ外国でも、代表者が日本人というケースは非常に多い。シンガポールのエフィッシモ(Effissimo Capital Management Pte Ltd)は、旧村上ファンドに勤務していた高坂卓志氏や今井陽一郎氏が2006年に設立。同じくシンガポールの3D Investment Partnersは2015年に長谷川寛家氏が立ち上げたもの。

A:Daltonはいつできたのですか。

T:1999年創業。日本で活動しているアクティビストの中では老舗と言える存在。2000年代の初頭は、ハゲタカファンドと同列な感じだったのだけど、その後、対話重視に変わった。

A:そんな前から活動していたのですか。対話重視といっても実際はどうなのですか。

T:ダルトンは多数の投資先に毎年年末に要望書を出している。それがすぐに受け入れられないとしても、対話を続けてくれる企業を評価する姿勢はある。何しろ、日本企業との付き合いは長いから。対話姿勢があるだけでも昔に比べてたら大分良くなったのだと思う。

A:どんな要望書なのですか。

T:2023年末の要望書では、「役員等に株式を付与すること」「株主還元(自社株買いや配当)を通じた資本効率の改善」「女性を含む社外取締役の数を50%以上にすること」が共通する内容。ローゼンバルト氏が述べていたよ。

A:何社くらいに送付したのですか。

T:50~60社と言っていた。

A:そんなに投資しているのですね。

T:トヨタ自動車や豊田自動織機というトヨタグループをはじめ、戸田建設、リンナイ、江崎グリコなどなど。最近ではフジ・メディア・ホールディングスにMBOを要求していた。

A:フジテレビですよね?そこにMBO要請ですか。

T:うん。テレビ関連はちょっと前まで、PBRなどが異常に低く、何でこれほど割安に放置されているのだろうかとずっと疑問だった。それは狙われるよ。

A:オアシスは強硬なイメージがあるのですが、ダルトンはどうなのですか。

T:悪評はあまり聞かない。ただ、これまでワンパターンな提案が多く、他の投資家の賛同をあまり得られてこなかった。そんな中、江崎グリコのケースではダルトンの提案に想定以上に賛同が集まり話題になった。

A:続きを今度教えてください。

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