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不可能に挑め【 パズルガールズ 】(Switch)

なんだこれは・・・。

任天堂のストアを眺めていると、目を疑いそんな事を呟いてしまうゲームがある。どんなゲームかわからず、なんとも言えないクオリティの水着の女性が描かれたイラストがあるだけのサムネイル画像。
本作「パズルガールズ」は一目見ただけで嫌な予感がプンプン漂ってくる一本だ。しかし僕はタイトルの「パズル」が気になってしまった。

パズル。パズルは好きだ。一体どんなパズルだろう。ジグソーパズルだろうか...それともナンクロか、むしろ数独か...もしかしてスリザーリンク...ここは無難にピクロスかもしれない...マインスイーパなら嬉しい...一体このグラフィックでどんなパズルを遊ばせてくれるのか考えるとワクワクしてきた。そんな事を考えて僕は本作を購入した。
そして僕はゲームを始めた瞬間このゲームの全てを知ってしまった。

あっ...。

スライドパズル。正式名称15パズルは19世紀にノイス・チャップマンが考案した古のパズル。テレビゲームでもおまけ程度のミニゲームではよくお目にかかる機会はあったけれど、それを堂々と令和の時代に、任天堂のSwitchで、主役にもってくるとは...。
...というかこの文章前回の「アニメパラダイス」で書いた気がする。

あまり魅力的とは言えないイラストで行われるのはシンプルすぎるスライドパズル。ランダムに配置されたパズルをスライドさせて解いていくだけのゲーム。当初は僕も「こんなのクリアなんて余裕だ。」そう思っていた。
そう、はじめのうちは...。

グラデーションを見極めろ

とりあえずメニュー画面で完成絵が見れるからそれを参考に攻略だ。

本作はパズルを解いていくと難易度が上がり8面パズルから15面、23面パズルとだんだん細かいパズルが出題されていく。全24ステージだ。
そして細かくなればなるほど本作の難易度は上がり牙を向いてくる。本来メインであるはずの女性のイラストは小さく描かれ、書き込みが無くほぼグラデーションのみの背景を解いていく事になるのだ。ほぼ単色にしか見えないパズルを微妙な色の差とグラデーションの流れを画面に張り付いて凝視しながらパズル同士の色が上手く馴染むかを見極めなければならない。まさにパズル。地獄のパズルだ。

おそらく後半は携帯機モードでは小さい画面ではクリア不可能。本作の推奨環境は恐らくだがピースとピースの境界線がクッキリ大きく見られる4K60インチモニターだ。
もちろんスマホでメニュー画面のはじめに完成イラストを撮っておくことも忘れてはならない。撮らないとクリアは無理だ。

わかんねぇ...

ここは不可能地獄

そんな本作をYoutubeを垂れ流しながらだらだらと遊んでいると、ふと詰まった。あれ、解けない。15パズルってこんなに難しかったっけ?いくらやっても解けない。解けない。30分試行錯誤しても解けない。どうしてだ。
15パズルの攻略法通りに解いているのに最後の最後で手詰まりを起こす。クリアが出来ない難題に本作はぶち当たる。

そして僕はネットで調べ、衝撃の事実を知ってしまうのだった。

つまりこのゲーム。ランダムにパズルを配置しているせいで、クリア不可能な配置にもなってしまうのだ。何十分もグラデーションを見極めながら解いても最後の最後でこのバグにぶち当たるのだ。15パズルメインのゲームとしては致命的だ。
同じ15パズルのゲーム「アニメパラダイス」はそこを上手に対策していたが本作は完全にランダム配置で作られているため、最終的にクリアできるかは運なのである。後半の超細かいパズルの最後の最後でこれにぶち当たった時の虚脱感は凄まじく、クリア直前までいったステージをもう一度遊ぶことになる。ここは地上の楽園ではない。地獄だ。

また同じパズルをやれっていうのか…!!!

あとプレイ中は絶対にAボタンを押しちゃダメだ。押したら最後、メニュー画面に即逆戻りだ。確認のYES、NOなんて無い。築き上げていた全てを一瞬で失うことになる。絶対に押しちゃダメだ…。

地獄を乗り越え先に見えたモノ

そして終盤のヤケクソ感漂う99ピースのスライドパズルはリアにかかる時間がもれなく40分以上確定のステージだ。一つのステージでアニメパラダイスが4周も全クリできるボリュームだ。
地獄のような背景のグラデーションとの勝負。そして温情も容赦もなく最後の最後に突きつけてくるクリア不可能バグ。
それならこちらもPhotoshopなどを駆使して少しでも同じステージを早くクリアしようと対抗するが、やはり時間はかかる。ここは賽の河原の如く地獄だ。

同じ色にしか見えねえ!!!
ここまでやったのに詰んだ...また40分コースだ。
それならこっちにも考えがある!Photoshopでガイドグリッドを引いてコレを見ながら再挑戦だ…!

そんな地獄のような虚しさを抱えながら、憎たらしいほぼ単色パズルを遊んでいくと、自分でも信じられないくらい15パズルの腕が上がり、手際がどんどん良くなっていくのが実感出来る。きっと本作以外のスライドパズルがやってきたら余裕でクリアできる自信がある。もう怖いものはない。

いつのまにかこんなに遊んでいたぜ!

パズルガールズ。それは地獄のゲーム。
こうして遊んでいくと、僕はこいつをクリアできる胆力があるのなら、他のどんなゲームもクリア出来る自信が湧いてきた。
今の自分ならダークソウルもBloodborneもクリアできる。本作はそんな気にさえさせてしまうゲームでした。お勧めしません。

側面の「おめでとう」が全クリの証だ、

DATA

パズルガールズ
発売 / 開発:Nerd Games
対応ハード:Switch
発売日:2023年6月30日
ジャンル:パズル


ちなみに同じNerd Gamesで『パズルボーイズ』というゲームも販売している。こちらの方がイラストが上手だし、背景の書き込みが多くて楽そうだ。

最後に2023年に最も遊んだSwitchゲームは本作でした。

さすがに笑った

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