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恐怖のアメリカ田舎捜査線【 TRUE DETECTIVE シーズン1 】 (2014)

着々と制作が進んでいるらしい007シリーズの25作目はキャリー・フクナガ氏という日系アメリカ人の監督が担当する事になった。彼の作品は一本も見た事がなかったのでAmazonプライムで本作があったのでダラっと見る事にした。やっぱり予習はしておいた方が楽しいからね。

あらすじ
2012年、ルイジアナ州警察殺人課の二人の刑事ラスト・コール(マシュー・マコノヒー)とマーティン・ハート(ウディ・ハレルソン)が、1995年のドーラという女性の殺人事件に関し呼び出される。二人はマーティンの妻マギーを巡る口論のため、10年間互いに音信不通であった。ハリケーン・リタで書類が失われたため、二人は過去の捜査や警察官としての人生の記憶を呼び起こすよう求められる。犯人が他にも殺人を犯して来た証拠が浮かび上がる。

Wikipediaより引用

舞台はアメリカのど田舎。あまりに広大すぎて闇が深くても気づかないのは「ボーダーライン」「ウインドリバー」のテイラー・シェリダン作品を思い出す。貧困と犯罪と麻薬が渦を巻いてどうしようもなくなっている状態は日本とは比べ物にならないくらいリアルな恐怖だ。

そんな中動く変人(ラスト)とバカ(マーティン)の二人の刑事の捜査はドギマギした二人の関係と、マーティンのどうしようもなさっぷりに初めは頭を抱えたが、そんな事がどうでもよくなるくらいに今回の猟奇殺人事件の闇の深さを思い知る事になる…そう、これはサスペンスにみせかけたホラーなんじゃないかと思うくらいの闇だ。誰かわからない不気味な痕跡を残す犯人、田舎すぎて孤立無援になる状況、薬物で狂った人間とドキドキするというより恐怖するような展開の連続にワクワクすると同時に恐ろしくなる…そして面白い。

それを助長するのは変人・ラスト刑事のむちゃくちゃな捜査っぷりで、アメリカの暗部と言えるような所に次々と飛び込むのは、本作の容赦ない描写の数々(R−18+記述があったのをだいぶ後半になって知った)のおかげでもう堪りませんよ。

前半はマーティンのバカっぷりにあきれ果て、ラストも何を言っているのかさっぱりでしたが、中盤から核心に迫りアクセルがどんどん踏み込まれて行くので一気に見てしまいました。正直事件以上に二人の刑事のキャラクター描写が非常に多いのですがマーティンの方はあんまり面白いものではないのが残念でした。しかしアメリカのヒリヒリとした部分をこれでもかと味わえる極上のサスペンスホラーには違いありません。これは凄いですよ。

それにしてもキャリー・フクナガ氏の手腕は僕の見た限りだとスカイフォールやスペクターを担当したサム・メンデスと似た系統の人選でなかなかダニエル・クレイグのボンド映画に合った良い人選だと思います。オープニングの映像もなかなか007っぽいしね。こりゃ25本目の映画が楽しみです。


DATA

TRUE DETECTIVE シーズン1
公開年:2014年
製作国:日本
配信チャンネル:HBO
話数:8話
ジャンル:テレビドラマ



映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん