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ふくわらい
登場人物が全員
とっても変わっていて個性的でその人物像を
知るだけで
面白くて深くのめりこんでしまった..
ふくわらいが趣味で恋愛や友情がわからず、
喜怒哀楽の感情も人に比べて薄く、
コンピューター人間のような主人公
相撲界で破門を受け、
うつプロレスラー兼執筆活動をしている
守口廃尊
盲目なのに主人公に一目惚れしたという
白杖ハーフboy
紀行作家として世界各地を旅して
一緒に旅を続けている息子に、
人肉を食べさせ、更にその経験を本に書いて
世に出し
息子の名前も「マルキ・ド・サド」という卑猥な小説を描く作家からとって名付けたという狂気じみたことをする主人公の父
物語のストーリー自体は
起承転結が大きくなくて、
話の進むスピードもわりかしゆっくりめだから
地味かもしれない。
けど最後まで読み進めてしまうのは、
西加奈子さんが描く登場人物の超がつくほど個性的なキャラクターの面白さゆえなのかな。
特に守口廃尊という人物が
物語の最初と最後でイメージが大きく変わったな。
守口廃尊の過去の生い立ちが
物語の序盤で描かれててそれを読むと、
破天荒で突っ走っていく性格で、
喋り方や口調も荒っぽく、口が悪い印象を受けたけど、実は繊細で、ただ不器用なだけなのかなっていう印象に変わっていった。
「言葉」を大切にしすぎるが故、
「言葉」というものの畏怖を感じていたため
「言葉」を使わなくとも技やパフォーマンスで勝負できるレスラーという道を歩むも、
どれだけ努力しても地味といわれ、憧れの猪木になれないということに落胆して、
結局、「言葉」を使って本にして世に出して、
「自分」という存在を社会で認めてもらえるようにアピールしてるんだろうと思うと、
矛盾してるけど、
なんとか自分を認めてもらいたいと必死になって努力して、がむしゃらに生きていこうとする姿に、愛着を覚えた..。
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