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セルフビルド家づくり会議。建築士と左官屋と素人が話し合うとこうなる。

「杉皮が使えるんじゃないですか」

「土でやりましょうよ」

おそらく私たち夫婦だけでセルフビルドで家をつくることを考えていたら、決してこんなアイデアは出なかったように思います。

一般的な瓦屋根かガルバリウムを自力でなんとか葺こうとしていただろうし、そうしてその時になって、誰かにちゃんと聞けばよかったのかもなんてことを思うのかもしれません。

林業を営む私たち夫婦が伐った木を、私たちが製材をし、その木を使って家を建てる、一世一代の大計画が現在進行中なわけですが、そんなことを面白がってくれる仲間が増えてきました。

それが「土佐派の家」という高知の材料や地元大工さんの技術を活かした建築を設計する松澤さんという、この道何十年の大ベテラン。

さらには、土が大好きでやまないという、左官屋さんのけんちゃん。

なんとなく自然派寄りの家が建てられたらいいなと、わたし個人はぼんやり考えてはいたが、金銭的な上限もあるし、なにより私たちが暮らす高知の山奥には使えそうな資源がたくさんあるということで、そういうのを活用しようという話で、どんどん計画が固まってきました。

この日は、はじめて松澤さんとけんちゃんとを引き合わせ、私たち夫婦と4人で打ち合わせの日。

具体的には、断熱のこと、屋根材のこと、あとは全体的な材料調達の話をしていました。

湿気が多い日本で暮らす上で、昔は湿気とともに生きる覚悟を持った上で、湿気をいかに逃すかが考えられてきたけれど、最近はどんどんとその湿気を完全に遮断するという話で家づくりが行われています。

家自体も呼吸しにくい構造になっているわけですが、それも良し悪しで、やっぱり湿気がある暮らしというのは、古民家に暮らしていて、あまり心地よいものでもないと思うこともあります。

革製品や木製品をはじめ、ありとあらゆるものがカビるし、なんなら自分にもカビが生えちゃうんじゃないかと思ってしまうほど。冗談抜きで。

だからといって、湿気をまったくなしにして、高気密高断熱にしたいかというと、気持ち的に少しは泥臭く生きていたい気持ちもあり、湿気も多少は必要な気もしています。

嘘か本当か知りませんが、高気密高断熱の家では石油ストーブを使うのは危険という説もあるほどなので、そういう意味では、ビニール袋でくくられた中に暮らしていると揶揄している方がいましたが、それもあながち間違いではないのかもしれません。

だけど、決してその家づくりの方法を否定しているわけではなく、そういう家はそういう家なりに心地よい暮らしをできる人もいるわけなので、家づくりというのは、その人の思想を反映する、人生最大の買い物だなあと感じています。

なにより解体現場に一度お邪魔して感じたことは、ゴミの多いこと。

燃やせるものではなく、燃やせないものの多さに驚いたので、自分が死んだ後にそれを子どもたち世代に残すのは、なんとなく気がひけるなあとも感じたことでした。

そんなこともあって、自分が生きている数十年の間、なんとか繕いながら暮らせたらいいのかもと思い、ちょっとそういう方法で家づくりを進めていこうと思います。

なるべく自然に還る家かつ、自分たちの身の回りにあるもので美しく暮らすことができる家。

身の丈にあった暮らしを求めて、日々家づくりに向けて進めていきたいと思います。

そして、ここで家づくりに関する続報。

土地に関する話をしたときに、なんとなくのスケジュールを書きましたが、ついに見込みがつきました。

参考:セルフビルドで家を建てるための進捗状況と今後のスケジュール!

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