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【林業日記26】自分の頭で考えてアウトプットすることほど、強いことはない。

子どもは無限のポテンシャルを持っている。

それは我が子を見ていても感じることですが、2022年11月に夫婦で「山」と「林業」の講義とミニワークショップをやらせてもらった、とさ自由学校でそのことを強く感じる機会があったので、紹介させてください。

※とさ自由学校での講義とワークショップの様子はこちらから↓
参照:【林業日記23】林業従事者を増やすにはどうすればいい?

「2月に学習発表会があるのでぜひご夫婦で来てください」

担任の大人の方から(この学校では「先生」という概念がなく、大人は「伴走者」)そのような連絡が入り、子どもたちから招待状が届きました。

テーマはずばり「ぼくたちが地球のためにできること」。めちゃくちゃ壮大です。だけど大事なテーマ。

私たち夫婦が授業をさせてもらったクラスが「キャキャットブリッジ」というオリジナリティ溢れる名称で、子どもたちが自分たちで名づけするんだそうです。

この学習発表会では上記のテーマに沿って、1~3名ほどのグループを作り、グループごとにさらにテーマを細かく絞って発表するというものでした。

しかし、いわゆる一般的な小学校等で行われる、親が後ろにずらっと並び、他の生徒たちも聞いて、そんな面前で順番に発表していく…というスタイルではなく、それぞれのブースが教室内に設けてあり、親も生徒も興味のある分野の発表を聞いてまわるというものでした。

これが斬新かつ、子どもたちも緊張せず、ありのままでいられるから、いいなと思ったのでした。私自身、大勢の前で話すのが幼い頃から本当に苦手でストレスだったので…。

もちろん子どもたち自身にとっては、何度も話す必要があるというデメリットはあれど、それでも毎回違うリアクションが見られるだろうし、発表する側の子どもたちも楽しそうでした。

テーマはそれぞれのチームごとに見事に違い、「カエルの生態系」を調べている子もいれば「危険生物」など、さまざま。

そうかと思えば「森林伐採からみる世界の自然環境」を発表するチームがあったり、「林業の仕事をはじめ、私たち夫婦のこと」をテーマに発表してくれるチームがあったり…(笑)

発表の仕方も調べたことを紙にまとめて読むチームもあれば、絵本にしたり、クイズ形式にしたり…とこれもまたチームによってバラバラで、それぞれがやりたいようにやるスタイルが貫き通されていて、子どもたちも一生懸命考えて、今日という日を迎えたことがよく伝わってきました。

どれも素晴らしいコンテンツでしたが、ものすごく印象的だったチームがありました。

「しぜんの鳥とドングリたち」というテーマで絵本を作ったチームで、内容が本当に大人泣かせな内容(いや、林業家泣かせ?)で、うるっときてしまいそうでした。

自然があると鳥が生きていける。
私たちが生きていけるのは、森やとりたちのおかげで今生きていける。
ちきゅうも自然がないといきていけないから、自然はたいせつにしなくてはいけない。
自然はたいせつ。

という文章で締めくくられた、その絵本は、伴走者の大人の方から聞くと、本当にギリギリまで内容も悩んでいたそうで、子どもたちが考えて導き出したその文章と絵は、本当に感慨深いものでした。

私が小学校低学年〜中学年の頃、こんな価値観って備わっていただろうか。

この高知県という自然多き環境と、主体性を大事にされているとさ自由学校のあり方をはじめ、私たちの林業や山に関する講義も多少なり、いい影響があるといいなということを感じつつ、改めて素敵な学習発表会に呼んでいただけたことがなにより嬉しかったです。

ワークショップで作った
コースターのその後も展示されていた

やっぱりワークショップでもなんでも、その後のことって気になるものなんですよね。

私たち夫婦の場合、お茶の製造販売も行なっています。興味があって購入いただいているとは思いますが、その後、どんな風に飲んだのか、飲んでみてどう感じたのかなどは、購入いただくお客様全体の5%ほどのお声しか聞けないのが実情で、やっぱり生の声をお聞きできるとハッピーなのです。

そんなこともあって、こちら側にも想いがあってお受けした、今回のとさ自由学校での講義とワークショップのフィードバックをこんな形でいただけたのは、林業を仕事にしている者としては最高の恩返しをいただけたなあと。

この先、この記憶や体験が子どもたちが大人になった時、どう活かされていくのかはわかりませんが、それでも、学びたいと思った素直な気持ちから意欲的に学んでくれ、それをアウトプットする経験をした子どもたちの未来を想像すると心が躍ります。

私自身も改めて、これからも「学ぶ」ことは大切にしつつ、この林業マガジンもそうですが、アウトプットも大事にしながら、継続していきます。



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