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"Tempalay"という語を、二度見た日。

 人生とは奇妙なものだ。

 ふと、「今日は唐揚げが食べたいな~」なんて思っていると、その日の晩にお母さんが偶然唐揚げを作っていたり、「そういえばいくちゃん(元乃木坂46の生田絵梨花さん)って今なんの仕事やってるのかな~」なんて思っていると、その日の晩に目薬のCMに出ているのをたまたま見たりする。

 さっきまで考えていたことや人が、突然目の前に現れたり、ネットでたまたま見つけるみたいなことが往々にしてあるだろう。

 そして今日、僕はTempalayという単語を2度見た。詳しく話そう。


 今日の午前中、noteをボーっと見ているとこんな記事を発見した。

 この記事は、日本テレビの深夜音楽番組『バズリズム』が2016年から毎年発表している、今年バズりそう(流行りそう)なバンド・ミュージシャンを予想するというランキングを、独自に予想したものだ。(Kunさん、勝手に引用してすみません…)

 これを読み進めてKunさんのランキング予想の部分に突入。トップ10は誰なんだろうな~と思っていると、第8位の羊文学、第7位のAdo、第5位のマハラージャン、そして第1位のカネコアヤノしか知らず、ふと慌てる

 Kunさんは堅実に、メディア露出、CDショップ大賞受賞作品、LINE MUSICランキング、チャート、サブスクのプレイリストなどなどを参考にしているというのに!音楽好きを自称しているというのに!全然俺知らんやん…と思い、少し自分に対して失望してしまった。 

 

 その後もそのランキング内のアーティストの動画をいくつか見つつ、「これは好きだな~」とか「これは趣味じゃないな~」とか考えていると、第3位のTempalayというバンドが目に入った。

 Kunさんが挙げていたのは、GHOST WORLDという曲。

 まず目を惹くのは、見たら不幸にならないか心配になるようなアニメーションパートだ。そもそもこのバンド、ジャンル的にはサイケデリックであって、映像もそれに準じたワケが分からないものになっている。(細かい分析は割愛します!)

 そして僕はこの曲に一番に抱いた印象は「すっごい気持ち悪くて、気持ちい曲」というものだ。曲の展開は思い通りにならないし、音像も聴いていてゾクゾクする(いい意味でね)。しかしサビになった瞬間、「待ってました!!」と言わんばかりの気持ち良すぎるメロディが流れる。まるでTempalayが「これがほしいんでしょ?」と言わんばかりに

 この感覚を例えるなら、めちゃくちゃ美味しいけどすごく塩辛いお菓子を食べて、もう限界…となった瞬間に、すっごく冷えた水を渡される、みたいな。これはこれでいいんだけど、そろそろお口直しが欲しい…!となった瞬間に渡される快感。たまらねぇ!!!


 …と、書いてみたものの今日の午前中にはじめて聴いた瞬間には、こんな長ったらしいことを思う暇はなく、「おーう、いいじゃん」となっただけだった。ちなみに1位のカネコアヤノもなかなかよかったです。


 それからしばらくして、日が落ち、おなかも空いてきたころ。

 夜ごはんの食材を買いに行こうと思い、財布を持って家を出た。

 今日はずっとオンライン授業で家にいたので、散歩がてら少し遠いスーパーに行くことにした。家を出てすぐイヤホンを耳にさした。

 最近は暇さえあればずーーーーっとジョイ・ディヴィジョンを聴いている。やはり何度聴いてもいい。イアン・カーティスは天才だ。

 30分ほど聴いていた後、他のアーティストに移ろうと思い、Apple Musicのアーティスト欄を下に移動する。

 すると「D」の欄に、DAOKOの文字が見えた。

 DAOKOといえば、アニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』の主題歌である、『打上花火』を米津玄師とコラボしたことで有名になった。僕は、自慢すると、ファーストアルバムの『DAOKO』のころから知っていたけどね!!!

 しかし、この『打上花火』が収録されているアルバム、『THANK YOU BLUE』は僕の趣味に合わなかった。ポップすぎるというか、もう僕の好みの範疇から外れてしまったというか…そのためほとんど通しで聴いていないのだが、唯一大好きな曲があった。最後に収録されている『ワンルーム・シーサイド・ステップ』という曲だ。これはDAOKOの小説と同名のものだ。

 ギターの張り上げた音から始まり、のっそりと進行する曲。リリース当時からこの曲だけは異常に気に入っていて、プレイリストに何度も入れたことがある。それほど気に入っていた。

 久しぶりに聴こうと思い、再生。しかし、何度も聴いているのに、この曲を制作した人を知らなかった。リリース当初は高校2年だったからこれもてっきりDAOKOだと思っていたが、どう考えても他の曲と印象が違いすぎる

 歌詞の欄を開き、制作者の名前が書いてある一番下の部分まで一気にスクロールした。すると…

え…


 で、でたーーーーー!!!!!(失礼)


 心霊スポットの心霊のような様相で眼前に現れた単語、それがTempalay…人生は不思議なものだ。何かのことを考えればついつい引き付けてしまうのだろうか…

 僕は高校2のころから、つまり4年と数か月も前からTempalayに魅せられていたのだ…なんたる偶然。鳥肌が立った。

 音楽は無限大だ。どこまでも広がって、出会うべきものにはいつかどんな形であれ、必ず巡り合うのだろう

 Tempalayを通じて、そんなことを思った。

 今日から聴きます。Tempalay。


 また明日!


小金持ちの皆さん!恵んで恵んで!