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本気出せば、君も好きな芸能人とデートできるかもしれない:『デート・ウィズ・ドリュー』評

 やっぱりね、みなさん好きな芸能人とおでかけしてみたいんじゃないですか。「お付き合いしたい」なんておこがましいものではなく、単純に「目の前に座っている」という事実だけで十分なはず。

 そんなことを思っていると、こんな素敵な映画に出会いました。

 そう!『デート・ウィズ・ドリュー』ですよ!!


 もはやドキュメンタリー映画界では伝説の一本ともなっているこの作品、聞いたことあるよ、なんて人もいるんじゃないかい?

 内容は非常に明確。

 そう、あの大女優、ドリュー・バリモア(1975~)とデートする!それだけなのである!!すごすぎる!!

当時17歳のドリュー、可愛すぎる


 ドリュー・バリモアと聞いて、あんまりピンとくる人がいない可能性も加味して、説明すると、あの大名作『E.T.』(1982)に出てくる主人公の妹、ガーティ役で7歳にして世界的に有名になり、その後は超有名ホラー映画、『スクリーム』(1996)で映画史に残る名オープニングを飾ったケイシー役、そして僕がドリュー・バリモアを知るきっかけになった映画、『チャーリーズ・エンジェル』(2000)ですよ!!この映画と俺って同い年なんだ、感慨深いな…

 そんでカルトSF映画の『ドニー・ダーコ』(製作総指揮もやってる)、続編の『チャーリーズ・エンジェル:フルスロットル』、そしてラブストーリーの定番、『50回目のファーストキス』などなど、もう数々の名作に携わってきた名女優なわけですよ!!!


 しかし、女優活動は順風満帆だったわけではなく、『E.T.』での成功が裏目に出て、有名子役になったことからいじめにあってしまい、そのストレスから、9歳から飲酒や喫煙、10歳でマリファナ、12歳の時にはコカインを使用するようになって、薬物・アルコール依存症のリハビリセンターに入所することになってしまったらしい。しかも、14歳の時には自殺未遂の騒ぎを起こすまでに転落してしまった…(ソース

 12でマリファナって…クソガキも甚だしいな!!

 そんなイメージから脱却するために彼女は母親から独立して、アルバイトをはじめ、オーディションに応募し続ける日々を始めたらしい。いわゆるゼロからのスタートってやつだね。(ソース

 そんな地道な努力も実り、今では大御所になっているというわけです。


 そんなドリュー・バリモアに恋する男が、彼女とのデートを実現させるために努力するというのがこの映画の筋書き。

 その男、ブライアン・ハーズリンガーは、職もなし金もなし彼女もなしで人生のどん底にいたと。そのときに小学生のころから大好きなドリューの言葉が染み渡る。

If you don't take risks, you'll have a wasted soul.
リスクを冒さなければ、人生は無駄になってしまう。

 彼女のこの言葉に勇気づけられて、彼はクイズ番組の賞金、1100ドルと30日間というタイムリミットを設け、憧れの女性、ドリュー・バリモアとのデートを計画する。


 この映画、一番面白いのが、「ブライアン、奇跡起こしすぎ」というもの。当然、友達の助けを借りたり、コネを探し回ったり、いろいろと努力はしまくっているんだけど、彼の生来の運がなかったら、どうしようもない部分はたくさんあった。

 まず、ドリューが出演した映画のプレミア会場に、偽のVIPカードを作って侵入するんだけど、どう考えても成功するわけないのに、易々と入って行って、ドリューと握手も会話もして、帰ってきてしまう。

 あと、タイムリミットが近づいてきたころ、あきらめかけていると、就職面接に行った会社の受付に、なんとドリューの「あの名言=If you don't take risks, you'll have a wasted soul.」が貼られている。信じられない。神はブライアンを見放していなかった。

 もうさ、そんなのアリかよ!!と叫んでしまいそうな、展開がどんどん起こるのがまさに「映画的」だよね。こんなにうまいことあるか?


 あと、とにかくブライアンの「無駄を楽しむ」性格が個人的に好き。ドリュー側とまったくコンタクトが取れていない状態でも、ドリューの知り合いに「まずは体を鍛えろ」とかわけわからないこと言われて、それを丸呑みして、パーソナルジムに通いだすという…(笑)お前、もっと先にやることあるだろ!!!

 あと、まったくドリューとのデートが決まってない状態でも、ドリューのそっくりさんオーディションを開催して、そこの優勝者と模擬デートするっていう…もっと先にやることあるだろ!!!(2回目)

 こういう「いやそんなの後からやれよorやらんくていいわ」みたいなことを先にやってしまう、っていう無駄すらも一つの過程にしてしまうスタイルにすごく共感を覚えたね。無駄がないと楽しくないもんな、そうだろうな。

 

 そう、この映画、完全リアルなドキュメントのはずが、本当に映画的なのである。ブライアンが映像の構成がめちゃくちゃうまいっていうのもあると思うけど、ほんとに結末を見る前からうまくいくんじゃないか…?と観客に思わせるのがすごくうまい。もちろん結末がわからないほうがドキュメンタリーは面白いけど、絶対無理そうなチャレンジをして、結果はもちろん無理でした~みたいな映像なんて誰も見たくないからね。その辺って、今でいうYouTubeの「検証系動画」に近い部分がある。


 あと、ブライアンの人に頼る力がめちゃくちゃすごいっていうのもある。とりあえず知り合いのコネを使いまくって、ドリューに近づいていく。でもそのやり方にいやらしさはないし、すごく上手にやっていたな、と思う。あと、友達の協力が大きすぎるね。ほんとにブライアンの友達がすごすぎる。協力的なのはもちろん、コネもすごいし、リサーチ能力もすごい。君たち!!次は俺が山田杏奈とデートするために協力してくれや!!

 

 そして最終的には…ほんとにデートできてしまう

 数々の困難と障壁を乗り越えて、負けずにトライして、いろんな選択肢を試して、断られて、へこんで、そしてついにたどり着いたゴール…

 ブライアン、よかったね…(号泣)

 まさかこの映画で泣くとは思わなかったが、ほんとに感動必至の大名作だった。努力すれば、絶対にチャンスはある。それに運も大事だ!という、希望がありつつも、残酷な面も見せてしまう、かなりロックなドキュメンタリーだった。


 すごくおすすめです。ぜひ見てほしい。

 では!次回は、「なんと!!!俺、ついに山田杏奈とデートすることになりました!!!(謝謝)」編でお会いしましょう!!

 また明日!!

小金持ちの皆さん!恵んで恵んで!