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音楽関係

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ビートルズ、ストーンズなど。たまに邦楽も。
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全てを捨てた彼らは、なぜ今「真実の愛」を指し示すのか?/The1975、待望の新作『BFIAFL』レビュー

1.はじめに  僕が心から愛してやまないバンド、The1975が今日(10月14日)2年ぶりに待望の新アルバムである『Being Funny In a Foreign Language(邦題:外国語での言葉遊び)』をリリースした。  最初に言っておくが、「このアルバムは「愛」をテーマにしている」とか、「恒例の1曲目の『The 1975』が今回はなんと歌モノなのだ!」とか、それを世紀の大発見かのようにまき散らすつもりはないし、「『About You』がマイブラの『Lovele

ポップソング、別に嫌いじゃないけども!!!

 僕は、デヴィッド・ボウイの信者をここ数年やっているんだけれども、Apple Musicの人気曲ランキング的なものを見ると、クイーンとの共作の"Under Pressure"が一位で、次が"Starman"、そして次が"Let's Dance"になっている。  もちろん3曲とも素晴らしいんだけれど、この並びを見たときに、どうしてもわかりやすいポップソングしか聴かれない現代に、ちょっと不満が出てしまう。  かといって、自分がニッチなアルバムばかりを聴いているのかというとそう

僕の人生を変えちまった、罪なアルバム9選(前編)

 現代日本のスーパースター、星野源はかつてこんなことを言った。   僕も本当にそう思う。『イマジン』があっても戦争は絶対になくならないだろう。しかし、いくつかの音楽は人ひとりの人生を変える。現に僕は人生を完全に変えられてしまった。  時には熱狂の渦に落とし込まれ、時には神の啓示のような感動を受けた。冗談ではなく本当に。  今回は、僕の人生、もしくは音楽の趣向を定めることになった9枚のアルバムを紹介してみようと思う。 1.Michael Jackson: "The Es

レコードコレクター大学生の、年末爆買い記録。

 ただ今、実家がある札幌市に帰ってきています。  昨日は、フリーな時間があったのでレコード屋巡りに。  僕は去年からレコードコレクターとしての人生という茨道を歩み始めているのですが、大学がある長崎市にはレコード屋が一軒しかないため、ほしいものはすぐに売り切れたり、そもそも入荷されない場合もよくあります。  つまり、レコードコレクターとしてはかなり歯がゆく、欲求不満な毎日を送っているということです。  まぁ、別に頻繁に買ってしまって生活金がなくなって、アパート前の水たま

もてはやされまくっている、ビートルズの『リボルバー』に茶々を入れてみようの回(4)

10.For No One  ポールの曲。  リボルバーの中では一番短い曲。  音の作り自体も結構シンプルで、ビートルズのうち参加メンバーもポールとリンゴだけ。あとは外部ミュージシャンがフレンチ・ホルンを吹いている。  このホルンがなかなかいい味を出してるんだよね。  邪魔しすぎない程度に心地よく聴こえるし、男女の別れを描いた割と悲しい歌詞の雰囲気を壊さないような音色、明るく壮大になりがちなホルンだけど、この曲ではそのミニマルさが逆にいい。  あとね、これはすごく

もてはやされまくっている、ビートルズの『リボルバー』に茶々を入れてみようの回(3)

 まだ3曲についてしか書けてないのに、もうめんどくさくなってきたので、さくさく行きましょう。 4.Love You To  ジョージ・ハリスン作。  ポピュラーミュージックにインド要素をジョージ・ハリスンが本格的に持ち込んだ最初期の例。  前作の『ラバー・ソウル』の2曲目、"Norwegian Wood"で、シタール(インドの楽器)を取り入れてはいるけど、あくまでそれはフォーク・ミュージックの一要素としてで、全体にわたって「インド!!!」って感じではなかった。  ただ

もてはやされまくっている、ビートルズの『リボルバー』に茶々を入れてみようの回(1)

 さぁさぁ、『リボルバー』評、いきますよ。 1.『リボルバー』ってなんだ?  ビートルズが1966年に発表した伝説のアルバム。それが『リボルバー(原題:Revolver)』  ビートルズ中期のアルバムで、僕がnoteの毎日投稿一発目としてアップした、『サージェント・ペパーズ』(1967)の前作にあたる。  この記事でも書いたけど、『サージェント・ペパーズ』は、一度、世界一のアルバムになったこともあるような、モンスター・アルバムで、その影響力とセールスはマジで桁違いだっ

『サージェント・ペパーズ』を褒めて、褒めて、ややディスる。(パート3)(全3回)

パート2の続きです!パート2はこちらから!!そんで、パート1はこちらから!!  さぁさぁ、このシリーズもついに最終回になりました。あー、さみしー。  そういえばどうでもいいんですが大学がはじまりました~。授業カレンダーには対面って書いてあったんですけど、蓋を開けたらけっこうオンライン授業ありました~~😢  でもオンライン授業って、結局楽なんですよね。つまらんだけで。  楽さを取るか、楽しさを取るか、みたいなところでしょ。対面とオンラインの違いって。奇跡的に漢字だって被

『サージェント・ペパーズ』を褒めて、褒めて、ややディスる。(パート2)(全3回)

パート1の続きです!パート1はこちらから! パート3のリンクはこちらから!  さてさて、続きを書きますか。今は鰻屋に来ております。叔母のおごりです。まったく頭が上がりません。加えて、連日の畑仕事の手伝いによって首を痛めて曲げられず、同時に頭が下がりません。  僕は鰻が大好物なんですけど、当然高級なので頻繁には食べられません。なので、こうやって実家に帰ってきている時に叔母に連れてきてもらうのが恒例になっています。なんせ、この前の土用の丑の日には、スーパーで売ってた500円の

『サージェント・ペパーズ』を褒めて、褒めて、ややディスる。(パート1)(全3回)

 今回から、ビートルズの『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』(1967)の全曲を自分なりに語ります~ 本記事はパート1で、A面の『サージェント~』から『ゲッティング~』まで書きます。パート2はこちらのリンクからどうぞ!!!  『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』、、、何度も呟きたくなるような、この魅力的なタイトルは、泣く子がもっと泣いちゃう世界的ロックバンド、ビートルズが1967年にリリースしたモンスターアル