見出し画像

転職エージェントがRPO事業立ち上げ。候補者・採用者、両方の目線でHRのトータルサポートを実現するSEVENRICH GROUP BOX

SEVENRICH GROUP(以下セブンリッチ)には30以上の自社事業があり、メンバーの人数はこの2年で約2倍に増えています。その採用活動の中心を担いながら、クライアントであるスタートアップに向けた採用支援を展開するのが、採用支援事業部BOXです。

本記事では、BOXを立ち上げから成長させてきた代表の角田 光史(つのだ こうじ)さんにインタビューを実施しました。セブンリッチとして採用支援事業を立ち上げた背景から、スタートアップ支援の経験からわかる企業・中途採用市場の課題、転職エージェントと採用代行の掛け合わせて生まれるサービスとしての強み、そしてBOXの展望まで聞きました。

「転職時に自分が使いたいサービスがなかった」強い必要性から生まれた採用事業部

——BOXの事業について教えてください。

BOXは、人材支援・転職エージェント事業を行うチームです。転職希望者、採用したい企業、どちらにとってもフェアでマッチング精度の高い採用支援事業を提供しています。

セブンリッチには、30を超える自社事業のほか、60以上の出資先と約800の会社とのパートナー関係があります。スタートアップとの距離が近いため、転職希望者のニーズに寄り添った候補企業の選定が可能ですし、肌感のある情報を伝えることができます。

選考対策の質と量にも自信があります。一般的な転職エージェントだと、面接対策の機会は1~2回しかありません。BOXでは、最低でも5回、必要であれば10回以上行うことも珍しくありません。利用者様の書類選考率は74.3%、内定獲得率は72.7%。一般的な通過率と比べて非常に高く、私たちサービスの質が数字に表れていると感じます。

——角田さんがBOX立ち上げに携わることになった経緯を教えてください。

セブンリッチグループに参画する前は、スタートアップでセールスとして働いていました。転職を考えた際に転職エージェントを利用しようと考えましたが、当時は「自分が使いたい!」と思えるようなサービスに出会えなかったんです。その後、セブンリッチに入社したことで自分が想像以上に成長できて、「転職は人生の大切なターニングポイントなんだ」と強く思いました。そのターニングポイントで価値を発揮するサービスを作りたいと願って、事業立ち上げに関わりました。

——セブンリッチグループに参画したことで、角田さんにどのような変化があったのでしょうか?

入社する前は「株式会社である以上、ルールに順応して規則のなかで最大限の価値を出さなくてはいけない」と考えていました。しかし、セブンリッチは「自分の意志を事業にしていこう」「自分の考えを伝えていこう」という空気で満ちています。メンバー全員が「自分の人生は自分のもの」と捉え、たとえ会社員としての自分でも、主体的に動いているんですよね。私自身も、意志を持って仕事に取り組むようになり、姿勢が変わったことでスキル面の成長スピードも向上した実感があります。

私が転職によって成長した経験や、社内で受けるポジティブな影響が後押しとなって、「自分の可能性を信じきれていない人が、スタートアップで活躍できるよう支援したい」という意志のもと、事業立ち上げに奔走してきました。

スタートアップの採用で起きがちな悪循環

——toC事業である人材支援転職エージェントに加え、2022年10月にはtoB事業の採用代行サービス(RPO)を立ち上げています。その理由はなんですか。

私たちセブンリッチは、スタートアップのビジネスをあらゆる側面から支援するため、会計事務所を出発点に、ニーズに対して事業を増やし続けてきました。これまで行ってきた人材支援事業・転職エージェント事業も「採用を手伝ってほしい」というお声掛けが起点になっています。

今回さらに採用代行サービス(RPO)にまで事業を拡大しようと考えた理由はとてもシンプルで、お付き合いのあるクライアントさんの中に多くのニーズがあったから。「採用代行やらないの?」とよく聞かれていたんです。

その背景には、スタートアップ企業ゆえのHR領域の課題があります。

——具体的にどのような課題にぶつかっているのでしょうか?

第一に挙げられるのは、市場の人材不足です。スタートアップの採用需要が高まっているのに対して、優秀な人材が転職市場に少ないんですね。そして、優秀な人材がいたとしても、企業側の認知度が低い、大手企業に比べ安定性に欠けるなどの理由で、チャンスを逃してしまうことも多くあります。大企業であれば、圧倒的な認知度と安定性、好待遇、採用のためのリソース不足をコンサルティング会社で補うなどことでカバーできます。一方、予算や時間を採用に十分に割けないスタートアップは、どうしても採用市場で負けてしまうんです。

スタートアップにとって採用は重要な機能です。マネジメント層が厚くならないと、限られたリソースの配分がうまく行かずに、理想的な成長曲線を描くことが難しくなります。

——自社で採用活動を完結させることはハードルが高いのでしょうか?

そうですね。第一の課題と重なりますが、「そもそも中途採用に強いHR人材がいない」のが第二の課題として挙げられます。これまでの日本は終身雇用が当たり前で、新卒で大量に人を増やすことがあっても、中途採用で多くの人を確保しなければならない、という状態は稀でした。今のHR業界に、短期間で一気に採用をする戦略を経験した人が非常に少ないのです。

中途採用が活発化する潮流はまだ始まったばかりなので、実績ある採用担当者を立てられているスタートアップは多くありません。知見があまりない状態でも組織を拡大していく手は緩められませんから、ハードルが高くなっています。

——とはいえ、すでに採用代行を行っている会社もありますよね。既存の会社ではなぜスタートアップの採用課題を解決できないのでしょうか?

これまでの採用代行サービスのほとんどが、新卒採用に対応したものでした。急激な中途採用市場の拡大に順応できている採用代行サービスは多くはありません。中途採用では、候補者ごとに異なるライフスケジュールに合わせた柔軟な対応が肝ですが、きめ細かなコミュニケーションが可能なオペレーションを構築できる会社も少ない。そうなると結局、スタートアップの成長スピードに伴った採用スピードも担保できません。

——課題が複数あることがわかりました。そんなスタートアップでの採用支援は、BOXとしても挑戦であると受け取れます。なぜ、大手企業ではなくスタートアップに特化してサービスを提供しているのですか?

「BOXの売上」に目を向けたとしたら、大手企業を対象とした人材紹介の方が、効率がいいのは確かです。しかし、私たちの事業の軸はそこにはありません。事業規模を拡大するよりも、転職希望者であるお客様を、納得して楽しく働ける環境につなげることの方が大事なんです。

転職エージェント立ち上げ時から、候補者を中心に考え続けてきました。「この人が輝ける場所はどこだろう?」と考えたとき、スタートアップに目を向けることで可能性が増大する方がたくさんいらっしゃいました。

また、スタートアップの経営者の方々は、不確実な要素の多いビジネスを、リスクを負ってでも成長させようとしています。そのビジネスによって世の中に価値が提供できると信じているからこそ、保身よりも挑戦を選択できるのではないでしょうか。「すべての挑戦者が、意思と覚悟で可能性を広げ続ける世界を作る」をミッションに掲げるBOXですから、そのような人たちを支援するという決意に、課題の多さは影響しません。

候補者・採用者、両方の納得を得る支援が実現

——スタートアップが抱える採用課題に対し、BOXはどのような打ち手を提供しているのか教えてください。

まず、BOXの強みはクライアント企業に対しての深い理解を実現していることです。それが優秀かつカルチャーフィットできる人材を逃さない土台となります。

採用代行サービスの多くは、クライアント企業の人事とだけ情報交換の場を設けているようです。しかしBOXは、事業部、経営陣を含めたミーティングを定期的に開催するよう計らっています。候補者が入社後に働く環境の一次情報を丁寧に拾い上げることは、クライアント企業への理解につながります。

また、一次情報に加え、業界への理解など候補者が触れる二次、三次の情報も網羅できるようリサーチを欠かしません。クライアント企業に関しての勉強会も、社内で実施しています。クライアント企業の業界まで把握することが、他社に負けない高い採用力につながるんです。

——転職エージェントとしての実績が、採用代行サービスで活きている部分はありますか?

さまざまな面で相乗効果を感じますね。特に、これまで転職エージェントとして多くの人の採用活動に伴走してきたからこそ、BOXメンバーの履歴書の読み込み力は非常に高い水準にあります。これは、採用代行においても欠かせない能力なんです。

先ほど、採用代行サービスの多くが新卒採用市場を対象としているとお話しました。その理由は、新卒採用での選考基準にあります。学生である候補者を選考するにあたり、参考とするのは主に学歴です。在籍している学校のレベルである程度足切りをしてしまうので、選考が容易で、サービスとしてもやりやすいのでしょう。

しかし、中途採用においては、候補者がこれまでどのようなキャリアを歩んできたのか、一人一人をよく見る必要があります。履歴書一枚から、そこに書いてある文字以上の情報を読み取れるかどうか。そこに優秀な人材を見極めるポイントがあると思うんです。

また、転職希望者に伴走してきた経験が豊富なため、候補者体験の設計にまで私たちはこだわれます。履歴書を読み込み、確度が高い人材だと判断したら、面接に進む前からクロージングに向けてコミュニケーションをしていくことが可能です。内定獲得率72.7%という数値は、BOXが候補者を適切にアトラクトし、候補者が自分の言葉でその企業への熱意を語れるようになっているから出せている成果だと考えています。

——スタートアップの採用スピードに合わせたサービスを実現するために、どのようなチーム体制が取られているのでしょうか?

BOXの採用代行サービスは、候補者のスケジュールに合わせて面接を実施し、土日でも連絡対応をしているため、選考をスムーズに進めることができています。このオペレーション体制が整っているのは、メンバーの熱量が高いからでしょう。

現在(2022年12月)、BOXは30人規模のチームになりました。先ほども紹介した通り、セブンリッチは「自分の意志を持って働く」ことを重要視しています。BOXも例に漏れず、事業へ共感し、自ら選択して働くことを選んだメンバーが集まっています。クライアント企業、候補者、両方の期待に応えるには、仕事の優先度を高く保ち続けることが求められますが、それを自分で良しとできる人ばかりですね。

「スタートアップHRは、BOXに任せれば大丈夫」を目指して

——メンバー一人ひとりの視座の高さも伺えました。チームとして、BOXが描く展望を教えてください。

採用代行サービスを利用することは、海外のスタートアップではすでに常識になっているんです。中途採用市場が拡大期にある日本においても、近いうちに、採用機能を外部化することが当たり前の経営判断となることを予想しています。

そうなったときには、BOXが多くのスタートアップに「外部委託する価値がある」と選んでいただけるサービスとしてすでに確立された状態であることを目指しています。

ネクストステップとして、「HR関連の悩みはBOXに相談すれば安心だ」と経営者の方々に想起されるチームとしてより充実した機能を備えていきたいです。今は転職エージェントと採用代行を柱にしていますが、HRの悩みを解決するには、評価設計や人材育成、現場のマネジメントなどさまざまな機能を提供する必要があります。セブンリッチが会計事務のインキュベーション組織として成長してきたように、BOXはHR領域のインキュベーション組織としてクライアント企業の要望に広く応えられるチームになりたい。これはすでにチームメンバーと共有し、議論をスタートさせているビジョンです。

——すでに次の目標に向かって走り出しているんですね。

個人としては、転職というターニングポイントにおいて自分の意志を大事に、自分らしい選択ができる人を増やしていきたいですね。どんなにチームや機能が広がったとしても、その思いが変わることはないと思います。

BOXでは、2022年10月より採用代行(RPO)事業をスタートしました。「採用に力を入れたいのにリソースが足りない」「採用ノウハウのある外部のパートナーに支援してほしい」など、採用に関するお悩みをお持ちの経営者・人事の方はお気軽にご連絡ください。


この記事が参加している募集

オープン社内報

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?