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「お裾分け」が日常の暮らし

離島生活が始まって1ヶ月が経ちました。東京からきた私にとって、毎日が驚きの発見で、とても新鮮です。そんな中で、今日は食に関する出来事を綴っていきたいと思います。

お野菜のお裾分け

ある日、家に帰って車を停めると、ちょうど隣のおばあさんが農作業をしていました。「こんにちは」と会釈をして、通り過ぎようとしたところ、「あ、ちょっと待ってよ」とおばぁが私を呼び止め。

私は用件の予想もつかず、ぼうっとしていました。
こっちにテクテクと歩いてくるおばぁの手には大きなキャベツが1玉…!

「これちょっと雨にやられて見栄えが良くないのよ。よければもらって」
「え、いいんですか?こんな大きいもの」
「いいのいいの、どうせ商品にならないんだから食べてほしくて」
おばぁは私の手の上にキャベツを乗せてくれました。
気づいたらあれも、これもとオマケが増え…写真のようになっていました。

いただいたキャベツと新玉ねぎ。美味しくいただきました。

一人暮らしで、東京から来たばかりの私に、素敵なプレゼントをしてくれたおばぁに感謝です。

お漬物のお裾分け

ある日、同じアパートの住人から入ったLINE。「おばあに漬物みたいなのたくさんもらったんだけどもらってくれませんかー?」
一人暮らしの私にとって、お漬物は「あったら嬉しいけど、優先順位は低いもの」です。ご飯のお供が家になかった私は喜んで受け取りました。人が作ってくれた料理を食べるのは久しぶりでした。なんか嬉しくて、その日はご飯がよく進みました。
野菜や果物だけでなく、料理も「お裾分け」する文化に、三丁目の夕日のような温かさを感じました。

ラップに包まれたお漬物。おまけでドリンクもついてきてました。笑

お裾分けの連鎖

またある日、知人からバナナをいただきました。バナナは大好物ですが、驚くのはその量。2房(30本ほど)もいただきました。

いただいたバナナ。微妙に分かりづらいですが、二段になっています。

さすがに一人では限界なので、知り合いに配って回っていました。そこである友人の家にバナナを一房持って行くと「お礼に何か好きなもの持っていきなよー」とお庭と冷蔵庫を開放してくれました。

大きな冷蔵庫、そして広い庭から出てくるたくさんの野菜と果物。
家族ではないのに、あまりに大胆で、オープンで。
そのマインドにびっくりしてしまいました。
優柔不断な私はなかなか選べず、友人に選んでもらい、らっきょうとじゃがいもをいただ来ました。お裾分けしたら、逆にプレゼントをいただき…まるでエビで鯛を釣ったかのようでした。

お裾分けの日常について

東京に住んでいた時、あくまで野菜は買うものでした。
多少、家庭菜園やっている人もいましたが、それでもハーブとか。トマトとか。植木鉢に入る範囲もののです。

でも、ここでは食べ物はいただくことが多いです。まさか自分の頭より大きなキャベツや、30本前後のバナナを丸ごともらう暮らしがあることに驚いています。

最近、SDGsとか、食品ロスについてより叫ばれるようになっています。そんな中でこの島は、お裾分けが日常化されていて「島で食べ切る」というのが自然と行われているように思えます。
そして、このお裾分けを通した「人とのつながり」が心地いいです。もっとこの暮らしをよく知っていきたいです。来月も、どんな発見があるか楽しみです。

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