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せりふひとつひとつを観客の心の底に着実に沈めていくような静かな力強さと不安な現代社会ならではの浮遊感がないまぜに…★劇評★【舞台=The last night recipe(2020)】

 幸せや愛情などのようにあいまいな形をしているものは、見る角度によってまったく見え方が違ってしまう。そして見る人の数だけ視点が違うわけなので、より複雑なものになる。ある女性の死によって浮かび上がった幸せのパズルの微妙なずれをたどりながら、新型コロナウイルスという言いようのない不安の中で繰り広げられるそれぞれの心の旅路を描いた演劇ユニット「iaku」の最新舞台「The last night recipe」は、せりふひとつひとつを観客の心の底に着実に沈めていくような静かな力強さと不安な現代社会ならではの浮遊感がないまぜになって、思わずあちこちに散らばっている自らの幸せのかけらを拾い集めたくなる作品。「iaku」を率いる横山拓也による仕事論やジャーナリズム論にもつながる問い掛けもあり、実に多層的な作品に仕上がっている。感情を積み重ねることでキャラクターを作り上げていく演技という点において、関西の小劇場を中心に活躍する俳優らのレベルの高い実力を愉しめる作品でもあった。作・演出とも横山。(写真は舞台「The last night recipe」とは関係ありません。イメージです)
 舞台「The last night recipe」は10月28日~11月1日に東京・高円寺の座・高円寺1で、11月5~8日に兵庫県伊丹市の「AI・HALL」で上演された。公演はすべて終了しています。

阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」でも読めます。舞台写真は「SEVEN HEARTS」でのみ公開しています。
★「SEVEN HEARTS」の舞台「The last night recipe」劇評ページ

★劇評の続きを含む劇評の全体像はこのクリエイターのための作品発表型SNS「note」で有料(200円)公開しています。作品の魅力や前提となる設定の説明。橋爪未萠里さん、杉原公輔さん、緒方晋さん、伊藤えりこさんらの演技に対する批評、横山拓也さんの演出や作品に対する評価などが満載されています。

【注】劇評など一部のコンテンツの全体像を無料でお読みいただけるサービスは2018年4月7日をもって終了いたしました。「<a href="http://blog.livedoor.jp/andyhouse777/archives/66278893.html" target="_blank" title="">有料化お知らせ記事</a>」をお読みいただき、ご理解を賜れば幸いです。

★iaku「The last night recipe」公演情報=公演はすべて終了しています

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