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力強い力で私たちの背中を押してくれる、人生にはそんな不思議な出会いがある…★劇評★【舞台=十二番目の天使(2019)】

 人生には不思議な出会いがある。一生の伴侶や親友になる人たち、教師、コーチ、同僚ら、人生の根幹を創っていく人々との出会いも偶然の積み重ねばかりで不思議だが、一見何気ない出会いに見えて、その実自分の人生に決定的な方向性をつけた出会いは一生に一度あるかないかだろう。しかも偶然とは思えないタイミングでやって来る。「この世で一番の奇跡」「あなたに成功をもたらす人生の選択」などの小説や実用書で知られるオグ・マンディーノはそんな深遠な出会いを描き出す達人だろう。中でも小説「The twelfth angel(原題)」はその神髄とも言える作品だ。ミュージカルだけでなくストレートプレイでも抜群の説得力を持った演技力で評価が高まる井上芳雄を主演に上演されている舞台「十二番目の天使」はそのマンディーノの代表作の初の舞台化。決してハッピーなだけではない物語なのに希望にあふれ、決して深刻ぶらない物語なのに涙が止まらない。それでも寄せては返す波のように少しずつではあるが力強い力で私たちすべての人間の背中を押してくれる。もう一生忘れることのない「ティモシー」という天使の名前を愛情を込めて口ずさみ始めている私たちの背中を力強く、力強く、押してくれる。上演台本はアイデアを温めてきた笹部博司、演出は鵜山仁。(写真は舞台「十二番目の天使」とは関係ありません)
 舞台「十二番目の天使」は2019年3月16日~4月4日に東京・日比谷のシアタークリエで上演された後、4月6~7日に新潟市のりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 劇場で、4月9~10日に石川県金沢市の北國新聞 赤羽ホールで、4月13~14日に茨城県水戸市の水戸芸術館 ACM劇場で、4月17日に香川県高松市のレクザムホール(香川県県民ホール) 大ホールで、4月19日に福岡県久留米市の久留米シティプラザ ザ・グランドホールで、4月21日に福井県越前市の越前市文化センターで、4月24日に名古屋市の日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールで、4月26~29日に兵庫県西宮市の兵庫県芸術文化センター 阪急 中ホールで上演される。

★舞台「十二番目の天使」公式サイト

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