山崎 節代

愛知県岡崎市内の小学校教諭として勤務、「日本語教室」を8年間担当。 現在は県内高校教諭…

山崎 節代

愛知県岡崎市内の小学校教諭として勤務、「日本語教室」を8年間担当。 現在は県内高校教諭を勤めると同時に、年少者日本語教育に関する様々な実践を公表しつつ、理論の体系化を目指している。 また、現場で起こっている問題や課題等についての教員や保護者からの相談を受け付けている。

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児童の心をつかまなければ、指導(教育)は成り立たない。

 「教育の究極は、感化・影響である。」 とは、私の師の言葉です。   教師は、知識を伝達するだけではなく、児童生徒の人間性を高める指導をするべきであることは申し上げるまでもないことですが、そのためには、自身の徳を高める必要がある、ということを常にかみしめながら現場にたっています。  自分にとって、知識や技術を高めることよりも困難なことではありますが、この教員としての姿勢は、「年少者日本語教育」でも基本となることがわかりました。 1. 「特別支援学級」?  国外からきた児童

    • 学力の向上的変容を実現する指導

      1. 「年少者」日本語教育の特殊性 ~小中学校における日本語教育とは  成人に対する日本語教育と,「年少者(児童・生徒)」に対するそれは,同じではありません。なぜなら,子どもがバイリンガルの状態に置かれた場合,大人に比べると早い段階で会話能力が発達して,友だちとのコミュニケーションには支障がなくなります。  ところが,実際には通常学級での授業にはついていけず,問題となる場合が少なくありません。  このことから,カミンズ(J.Cummins)は,2つの異なった言語能力、つまり「

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        • 「日本語がわからない」児童生徒を受け入れる時…

           小学校現場で、日本語がわからない児童生徒を受け入れる際に、以下の点を認識しておく必要があると考えています。  1. 「日本語教室(国際クラス)」では、あくまでも学力の向上的変容を       実現する指導を重視すべきである。  2. 児童の心をつかまなければ、指導(教育)は成り立たない。  3. 母語使用能力の維持、できればより高度な語学力を習得できるように    留意すべきである。  4. 保護者との関係を良好にすべく、コミュニケーションをとるよう努め    るべき

        児童の心をつかまなければ、指導(教育)は成り立たない。

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        • 〈参考文献〉
          0本

        記事

          年少者日本語教育 ……教育現場より

           小学校教員として、所謂「日本語教室」を担当してきました。同時に「日本語教師」の資格を取得すべく、大学で勉強させていただきました。が、成人に対する「日本語教育」と、学校現場で指導すべき「日本語教育」では、その目的や方法が全く違うことがわかりました。  そこで、一般的な「日本語教育」について学ぶと同時に、「年少者日本語教育」についても各方面を視野に入れて調べてみました。学ぶべきことも多かったのですが、現場で実際に指導している者として、少々違和感を感じたり、必要とされる方法論ない

          年少者日本語教育 ……教育現場より