見出し画像

愛とはなにか

まず前提として、
私にはおそらく、生まれつき生殖本能というものがありません。もしくは認識できないほど極端に弱いです。
なので当然のごとく、性別という枠組みにもあまり意味を見出せていません(医療とか労働とかスポーツとかそういう、身体能力や機能の差としての枠組みは必要だけれど、それ以外の文化的な面で男女を区切る意味がわからない……)。
私自身は通常時はノンバイナリー無性、誰かと関わる際に相手が女性だと分かっている場合には自分も女性にシフトする不定タイプです。
小学生の頃は一時期性自認が男だったこともありますし、今も無とはいえファッションの如く揺れ動きますが。本当に、私にとって性別は身につけている服と同じようなものです。

ちなみに生殖本能がない、ふつうのひとと本能ベースで違うと気付いたのはほんのすこし前で、それまではただの特異な感性から来るものだと思っていました。
気付いたきっかけは、「人間というものは本来、恋愛感情には必ず性欲が付随する(ベースにある)」と知ったことです。びっくりしすぎてひっくり返ってしまった。ひとを好きになることと性欲とはまったく別の感覚だと思っているので……(この感覚はノンセクシャルというもの由来みたいです)。


ここまでが前提で、ここから本題です。


大昔、小学生の頃から、面識もなく認識もされていない遠いひとに、恋心を抱くことがよくありました。当時読んでいた雑誌に投稿が掲載されていた方などです。
それ恋じゃなくて憧れでしょ。そう。そうなんよ……その頃からもうこの間までずっと悩み続けて、「憧憬と恋慕の区別がつかない」が自分の自己紹介ワードみたいになるくらいには悩んで……。その間にも何度も勝手に恋をしては失恋して、ああ申し訳ない、気持ちが悪い……私は……どうして……と一人呻きつつ生きてきました。

恋ではないのかもしれないけれど、私にとっては恋という言葉がいちばんしっくりくるから、そうとしか思えなかったし、だけれども一途になることは決してなく、あちらこちらに何年経っても恋をし続け、それをよくないこととも思わない(この感覚はポリアモリーという気質から来るものと思っています)。
恋が発生することはどうやっても止められないものなのです。苦しいです。

そして私は、おそらくは生まれつき博愛主義です(小学生の頃から、世界平和を毎日自主的に祈っていました。ただ初詣のときに買った願いが叶うお守りを握り締めて心のなかで願っていただけですが)。
とにかく俯瞰で物事を捉えて生きています。
そしてめちゃくちゃに好奇心と探究心が旺盛です。世界が大好きです。
無条件に多くのひとを愛せるのは、そのひとだけが経験した、生きてきたその時間に対して、とても尊いものを見出しているからです。もちろん自分自身もその中に含まれているので、自分のことも大好きです。
ちなみに私は身内贔屓というものができません。よく言えば分け隔てない、悪く言えば永遠に壁があります。
(あと、博愛主義とは言っておりますが、明確な悪意を持った、世界に害をなすと判断した「どうすることもできない」人はそこから外します。一切の感情も向けませんし関わりたくもありません。)


恋は「状態を表す」ものかもしれません。いや、そうだな。
愛は「安定して変わりがないもの」です(ぜんぶ私の主観)。
私にとって、「世界を構成するみんなへの愛」と、「恋したひとへの愛」はおそらく質的には同じで、量が半端なく違うというだけかもしれません。なんかよくわからなくなってきた。

最終的に何が言いたいかというと、
私にとっての愛とは、「どこまでもつよい憧れと尊敬、希望、願い」ですね。

恋をしたひとに対しては、これらがものすごく強い。おそらく一般的なひとは、本能から来る下心とかが混ざることもあるのかもしれないし、恋とは「それに至ることを望む」ものなのかもしれない。その考えは極端だとしても、きっと無意識下で何かしらの影響は受けているのではないかという感じがします。

だけれども私にはその本能ベースがないので、ただただ純粋に、どこまでも鮮烈で真っ直ぐな尊敬の念と、しあわせになってほしいという願い……。ただ、それだけがいつまでもあり続けるのです。

気持ち悪い、おぞましいと思われるかもしれないし、もしかしたら、綺麗だと思ってもらえることもある……かもしれません。
色んな捉え方があるかと思います。ですが自分では、相手の方に対して非常に申し訳ないと、心を痛め続けています。昔からずっと。
ちなみに恋が叶ったことはないです。そんなの当たり前です。これは決して叶うようなものでもないし、叶えるようなものではないのです。きっと。


私は世界が大好きです。
でも自分を含め、人間はとても愚かであると思っています。その愚かさを自覚して、立ち向かっていくひとたちが大好きです。がんばるあなたのことが大好きです。いつまでも。
大好きなひとを、世界を、しあわせにできる人間に、きっとなります。


【追記】
掴みたくても掴めない、届かない、ただ焦がれ続ける、その永遠こそが恋なのかもしれません。

#多様性を考える

この記事が参加している募集

多様性を考える

なにか感じていただけましたら、よろしければ。よろしくお願いいたします。