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SlackとZoomで会計クイズを作ってみた

大手町のランダム・ウォーカーさんの書いた「世界一楽しい決算書の読み方」が世界一楽しくて感動しました。

クイズ形式にしてとっつきやすくしたことと、よりシンプルに企業のビジネスモデルの違いが読み取れることにフォーカスしていることが、今までの会計系の本と一線を画しているのだと思います。すごい。

ということで、あまりに感動したので、自分でも今をときめくSlackとZoomの2社のPLで作ってみました。昨今のテレワークの時流が追い風となっている、どちらも今後の動向が注目の企業です。

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どちらも売上高は6億ドル越えとなっていますが、大きく違うのは販管費。A社は売上の2倍近い11億ドルを販管費に注ぎ込んでいる反面、B社は5億ドル程度です。結果として、A社は営業利益は出ておらず、6億ドル近い損失が出ていますが、B社はかろうじて営業利益が出ている状況です。

この2つの企業のビジネスモデルは、どちらにも共通しているのは、いわゆるフリーミアムモデルで、導入だけならタダでできるというところにあります。

では、SlackとZoom、どちらが圧倒的に販管費がかかるのでしょうか…

(・(ェ)・)<そうだね!A社がSlackでB社がZoomだね!

(すいません、クマは完全に無許可なので、訴えられたら負けます)

Zoomはよりグロースハック的でして、サービス自体にユーザーが使用・拡散する仕組みが入っています。どこかよその会社と会議をするときにZoomを使えば、相手方の会社もZoomを体験することができます。

一方で、Slackはというと、その企業内では広がりを見せることはありますが、Slackを導入していない外部の企業に広がっていく要素はZoomに比べると圧倒的に弱いです。

なので、Slackは営業マンを雇って、それぞれの企業に「まずはタダでいいからSlackを使ってみませんか」という営業をかけていく必要があるわけです。これが販管費の大きな違いの一因ですね。

そういったところを見た上で2社の株価を比較してみると、面白いことがわかります。Zoomの株価を見ると、1月くらいからおよそ2倍くらいになっていますが、Slackは20%程度しか増えていません

セキュリティ問題なんかもありましたが、このテレワークの追い風でZoomは爆発的にユーザーが増えていて、あっという間にビデオ会議ツールのトップランナーに踊りでて、それが市場に高く評価されているのだと思います。

一方で、SlackはマイクロソフトのTeamsとのユーザー獲得争いが熾烈な中、順調にユーザーは増えているものの、マイクロソフトの既存ユーザーとサービスを最大限に活用した戦略の前に後塵を拝しているといったところでしょうか。

Slackとしては、ビジネスモデル的には引き続き販管費が大きくかかるモデルであり、あと数年で爆発的にユーザーを増やす一手を打たないと、収益的にもマイクロソフトとの覇権争い的にも厳しくなってくるというところのように思えます。

Googleとの連携を強めたり傘下に入ったりするのか、はたまた別のユーザー数増加の策が出てくるのか、次の一手が楽しみです。

…と、いう感じで会計クイズを作ったら色々と勉強になりました。

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